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ヒロインはどこへゆく?  作者: 瑚ノ果
14/20

ハート公爵家へ

 ドナドナされて~ やって来ました公爵家!

お供は~ 借りてきた猫状態のアキと、他クイーニア様のご友人達。


執事さんとかに迎えられて、案内された部屋には、ナーニワのご当主と、アキのお兄さんもか。

もちろん公爵家のご当主もいらっしゃいましたよ。クイーニア様の父親ね。

案内されたのは、一応私とアキだけ。

他のは別室でおもてなされ中~。いいなぁ…


「おお、クイーニア。久しぶりだね。急にナーニワと取引をしたいなど何が?」

「お父様、お久しぶりですわ。まずはこちらを味見なさって下さいな」

と、最近の試作で評判の良かったアイス数種をご提供~。 うん。私が作って抱えてきたんだけどね。


「ほお~」「ふ~む」「おおー」

「これはずいぶんと面白いなあ。しかも私が今まで食べたことのない…」

「おほほほ。でしょう! アイスと言って、このワンダーが思いついて作ったそうですわ。ナーニワより売り出すとか。

家での食事やもてなしだけに使うのであれば、作り方を教えてくれるそうですわ。もしくは提供を。

ぜひ頼みたいと思ってますの! それと、この入れてきた容器であれは長く持つそうですわ。

これはナーニワが作っているとか。これも是非」

「ほー。それでかね。しかし、家で食べたり出す分には、とはどういう意味だね? 他家の人間に出しても良いのなら、広く教えてもいいのでは?」


「その場合のお願いがございます。できればそのようなおもてなしで出したりするアイスの材料は、一般にはあまり出回っていない、貴重であったり高価であったり、といったものでお願いしたいのです。

で、商売となさらないで頂けましたら、ナーニワはナーニワで、庶民にも手の届く手ごろな材料でのアイスを提供いたしますから、お互い住み分けが出来るかと」

「ほお、なるほど。それであればナーニワの売り上げが減ることはあるまいね」


うん。採算の取れないやつで、そっちが勝手にやる分にはご自由に。でもこっちの邪魔になることはしないでね。

公爵家とかが商売に首突っ込んで来たら、すっごく迷惑だから!


「ふーむ。確かにずいぶんとしっかりしているし有能だね」

ん? 

「君たちが来るまでに、ナーニワのご当主にも聞いていたんだが、その容器もワンダー君が思いついたとか。凍った物でも、ずいぶん持つそうだね。

住み分けにしても、特に商売など手伝ってたでもなく、そこまで考えが及ぶとはね」


あぁ、またやらかしたかも… でも噂通りなら、有能そうな人間には優しい? つーか、優しくしてね!


「よいだろう。なら、うちで食べたりもてなしに使う分には、そういった物を使おう。

他の物をナーニワから買う分には良いのだろう?」

「はい。ありがとうございます」 

 うん、ホントありがと~



それから?


うん。作り方教えるのに、厨房へ行こうってことで。

試作も、ある材料でいくつかしてみようってことで。

他のお嬢さんたちと合流して、Go! 

公爵ご当主はお仕事に戻った。


ナーニワご家族は、アリスっていまいち値段とか高いのは詳しくないし、使ってる材料見て、利益計算してもらうためにちょっと。

他試食も一緒に。



シェフの人、いきなり押しかけてきた公爵家お嬢様ご一同見て、一瞬鬱陶しそうな顔してたけど… 

 ほーら、さっきご当主に出したアイスの残りを~


「美味い! なんだこれは! 

これ作るのに厨房使う? 材料も?

 ハイどうぞ~!」


うむ。やはりチョロい。

湧いて出たお抱え魔法使いっぽい人たち共々、背後でわくわくした顔してますが、なにか?


鍋も借りて材料入れて… あとはまあ一時間待つだけ ってアレ?

魔法使いの人、2属性同時? 冷却を持続? とか、なんかぶつぶつと…


えーっと、シェフの人とか、とりあえず暇ならアイスの残り食べようか?

あと、使ってる材料とか、後で見せてね。


みんなで材料分析しながら持ってきたアイスを… うん、ナーニワご当主、いくつか指差して残念そうな面持ちで首を横に。


どれも美味しいんだけど、大部分採算取れないやつですか…。

まあ、材料持ち込みでしたからね。(多分)高位貴族のお嬢さんによる。


ただ、いくつかは

「これは市場に出回ってないが、いいな。どなたが? 

ぜひ取引を」

「ハート家にもぜひ!」 と新たな需要が生まれてたり。


ハート家の厨房の材料は、珍しそうなのは、公爵家用で大丈夫。

オレンジやリンゴ、ブドウみたいな、見たことのあるモノで作るのだけ止めといたら、と。

むしろアレとかアレとか、試食時にはぜひ、とか。

まあお世話になってるし、来れなくても横流しはするね~。


ナーニワで売り出したいのは、アレとかコレとかかなあ。

現在考えてるのは、鍋にそれぞれ~個ずつか。

休みの日に作ってもらって~ 1週間くらいは持つとは思うから~


とか今後の予定についてお話してるうちに、アイス出来たので、また試食。 

うん。公爵家の食材ってやっぱ美味しい。


 シェフの方、感動に打ち震えて、これにて完全協力体制が築かれました~。


ぜひとも、うちでも作って、って言われたけど、ん? お抱えの魔法使いたちは…

出来上がったアイスは食べてますけど… 暗い顔で。


あれ? 難しそう? 無理そう? 

よっしゃ、公爵家のが出来ないなら、しばらく稼げそう!



その後のお話合いの結果、日曜の早朝にナーニワでアイス作って、その後ハート公爵家に行って試作して、シェフとナーニワで店に出すものと家で楽しむものとを分ける、と決まりました。

保存容器もいくつか公爵家厨房がお買い上げ。


 えーっと、でも付いてきてもらえるのはありがたいけど… 店それで大丈夫? 



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