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ヒロインはどこへゆく?  作者: 瑚ノ果
13/20

むやみに餌をあげてはいけませんでした

 どうしてこうなった…。


私はアキと共に冷や汗を流しています。



一応の話は付いたし、休みも終わるしで、また学園に帰ってきた。

アイス、ミルク味だけじゃなく、フルーツなんか混ぜて、いろんな種類を作ってみようってことで、材料を抱えて。


そっからは授業が終わると速攻アイス作り。フルーツや砂糖、蜂蜜の種類や割合を変えてどんどんいろんなアイスが。

少な目には作ってるんだけど、あんまり美味しく出来なかったのもあるし、味見にもちょっと飽きてきた。

でも、いざとなればアイス屋台とかで稼ぎたいので、レシピは大事~。


なので、たまたまアキの部屋に訪問した人間にも振る舞っております。ナーニワでもうすぐ売り出すからね~ って。 

みなさん、食い付いてますね~。 ふっ、チョロイ。


お、今日もまた。小柄でふわふわの茶色い髪の子が。

新作です、どうぞ~。

「美味しい!」(はむはむ) あ、カワイイ。小動物~♡。

アキとほっこり眺めてたんだけど、友達にも食べさせたいって言うから、お土産にいくらか。


 うん、それが間違いだったのかな…?


翌日、友達がアイスのお礼と入手先知りたいって言うから、っていうのにふらふら行ったのも拙かったのかな…?


 行った先? クイーニア・ハート公爵令嬢様のとこ…


ちょっ、小動物令嬢、お友達ってコレ!? え、貴女侯爵令嬢ですか!?

まあ、仲は良さそうですかね? ちょろちょろしてる子リスを愛でる風には…。


「あら、あなたあの時の。リコリスの持ってきてくれたアイスとやら、美味しくいただきましたわ。

ナーニワで扱っているとか。何人かに話は聞きましたけど、売り出しはまだだとか?

個人的に届けていただくことは可能ですかしら?」


うわぁ、えらいもんが喰い付いてきたなあ…。アキは… うん、冷汗流して固まってる。

(もしもーし、OKしていいの? 一応ナーニワとの専属契約だけど?)

(公爵令嬢から直々にこない言われたら断れへんわ。面倒かもしれんけど、受けたげて~)

(ラジャー)

以上、目と目での会話をお送りしました。


「えーっと、実は私が作っております。以前ご提供しましたのは、まだ試作の段階ではありますが、それでよろしければ」

「あら、そうでしたの!? 多芸ですのね。それでも良いですわ。ちなみに作り方を教えて頂くことは可能ですかしら」


ん? 公爵令嬢からそんな申し出って、コレ 『Yes』か『はい』しかダメな気が…

え~、こんなシュチュエーションで…? ロマンがな~い!


「それ自体は可能ですが、でしたらいくつか条件を付けさせていただいてよろしいでしょうか」

(ちょ、アリス、何言いだしとんねん)

(無茶は言わないわよ。断れないならせめて!)

「なんですの? お礼ですかしら」

「いえ。お教えするのは構いませんが、公爵家の中や公爵家でのおもてなしの時にのみお楽しみいただいて、広く教えて売り出すようなことはなさらないでいただければ。

できればおもてなしの時などには、あまり一般的ではない果物等を材料に作ったものを出すようにしていただけたらと。

それと、作る場合、材料をそちらからご提供いただきたいです。そして、味見とレシピはいただきたいです」

「おーほほほ、それくらいお安いご用ですわ。ならば公爵家にふさわしい材料を用意させますわ」


でまあ、欲のないことを言ってみたせいもあり、そこそこ信用された?

いやだって、ここでいきなりカモるようなこと言うなんて怖くてできませんよ~。

競合避けていただけるだけで有難いです。言質もらったからね!

金はナーニワから貰います。


で、今、いろいろ試してると言うと、ミルクにオレンジ系、ベリー系とかよく分からないのとかいろいろ持ってきてくれた。きっと高級食材。


身元の知れない人間の作るもの? 安全性?

いや、メイドさん、別に直接やらなくても作れるから、材料だけ入れてくれる?


もう慣れたもんかな。鍋の中でアイスの材料が凍ってる間中、宿題とか。


さすがに公爵令嬢ですからね。30分コースのと1時間コースのと出してみたら、1時間ので、と。

出来上がったら、公爵令嬢と取り巻きの皆さんと共にいただきます。

同じテーブルって、本来ならあり得ないんですけど、皆さん結構やさしい。

餌付けは偉大ナリ…。アイス大人気。


毎回アンケート用紙片手に、感想をお聞きしてるけど、おおむね好評。

好きな果物とか持ちこんできて、コレで作ってとか、うむ、平和。


まあ結果オーライかな。



 とか思ってたら…

え゛? あ~そうね… 保管容器とかも欲しいよね…

作ってるのナーニワだからなぁ…

 

 アキのご実家も召喚されるようです…


え゛、公爵家に? 私達も?

うん、まあ、真っ当な商談関係だとは思うんだけど…

わーん、いろいろ欲かいたり調子のったりするんじゃなかったよぅ…

でもいろいろ欲しかったしなぁ…。


公爵令嬢様ご一家~。 あんまり真面目な商売人をいじめないでね~。

いじめたら今後アイス作らないからね~!




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