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第47話 持たざる子 その1

◆アバンガルド王国 港◆


「ウィザードキングダムがある大陸への定期船ねぇ、先日の襲撃で船が壊されちゃってね。

 修理にちょっと時間がかかる」


定期船自体は動いているとロエルはほっとしていたけど、いつ直るのかがわからないならどうしようもない。

それでもチケットの予約は出来るみたいなのでそれだけを済ませてからボク達は港を出た。


「これ、なくさないようにしないとね」


そういってなぜか自分の管理下にチケットを収めるロエル、確かにボクじゃ不安なのはわかるけど。

しかしこうも時間が空いてしまうと、どうしていいのかわからなくなる。といっても、ボク達がやる事なんて一つしかないか。


◆アバンガルド王国 ギルド◆


ギルド内に入った途端、一斉に注目を浴びた。闘技大会の、という言葉が聴こえてきたから、ボクの試合を見ていた人達なのかな。それにしても、この視線は痛い。褒められているのか貶されているのかよくわからないざわめきが不安になる。リュアだ、あんな子供が、みたいな断片的な言葉が突き刺さる。

その中の鎧を着た集団がドッと歩いてきた。


「我らはロイヤルナイツ。闘技大会の試合、大変素晴らしかったぞ」

「あ、ありがとう」


厚い鎧がずらりと並んでいて、息が詰まりそう。ロイヤルナイツの人達5人は横一列に綺麗に並んでいる。褒めてくれるのはうれしいけど、なんで突然。


「それに先日の襲撃の際、あれも素晴らしい活躍だった。ぜひとも君をロイヤルナイツに歓迎したい。

どうかね?」

「ボク、そういうの興味ないんで……」

「そうか、だが我々はいつでも歓迎するぞ。気が向いたらここに来てほしい」


そういって渡された紙にはロイヤルナイツ達が拠点にしている町の場所だった。ここからそう遠くはないのかな。でも今はそんなところに行ってる場合じゃない。ボクの興味とは裏腹に、ロイヤルナイツの人達は鎧の音を立てて一列に並んで歩きながら外へ出ていった。


「なんか、息が詰まりそうな人達だったね……」


ロエルがボクとほぼ同じ感想を抱いていた。そうホッとしていたのも束の間、今度は違う集団がボク達に詰め寄る。


「頼む! ぜひ森の弓同好会に!」

「君がいればオレ達、ブラックサンダースピリッツが助かる!」

「己の力をどう発揮するか、知りたいなら拙者らと来るがいい。本気で上を目指すなら、な」


必死なのは伝わってきたし、何故かちょっと偉そうな人達もいたけどボクは断り続けるしかなかった。今では少しだけ慣れたけど、ボクは元々こうやって知らない人達と接するのが苦手だ。戦っている時よりも、何倍も緊張してうまく口が回らなくなる。もみくちゃにされてロエルが苦しそうだったので、無理矢理抜け出した。


「はぁ……はぁ……あの、私達もうパーティ組んでいるんで」

「別に君がいたっていい! かわいいし!」

「かぁ、かぁわいいっ?! そんな事ないですよう!」


両手を頬に当ててまんざらでもないロエル。それよりもボクはロエルがおまけみたいな言われ方をして腹が立った。


「ロエルを」

「おっと、これは何の騒ぎだ?」


ボクが何か言いかけたところで、いつの間にかギルドの入り口に立っていたカークトンがボク達を取り巻く集団を見ていた。やや縦長の頭を傾げながら、心底この状況が理解できないといった感じだ。王国の隊長がこんなところに何の用だろう。場違いな人物に皆も驚いたらしく、散っていった。


「んむ、何か邪魔してしまったかな」

「カークトンさん、こんにちは」


ボク達が二人揃って挨拶するとカークトンはおぉ、と笑顔で漏らした。まるで待ってましたと言わんばかりに、両手を広げてボク達を包み込まんばかりだ。この人は剣を二本扱うんだろうか。

剣が収められた鞘が腰の左右に装着されている。この前はそこまで見ている余裕がなかっただけに、なぜか急に気になりだした。


「カークトンさんもギルドに来るんだ」

「いや、今日は依頼をしようと思ってね。先日の惨事を受けて、やはり日頃の鍛錬が足りなかったと反省した。国を守るのが我々の役目なのに、冒険者頼みでは格好がつかない。

そこで腕の立つ冒険者に実戦を交えた指導をしてもらえれば、より捗ると考えたのさ。

あ、結局冒険者頼みだな。ハッハッハッ!」


兵士達の訓練を冒険者に頼むという事はわかった。でも、それをわざわざギルドに依頼として登録するのか。気になったので質問をしてみた。


「あの、五高の人達じゃダメなの?」

「彼らは彼らで忙しいからね。もちろん、引き受けてくれたらうれしいのだが。

そうだ! 君、頼まれてくれないか!」

「え、えっ? ボクが?」

「あぁ、新生魔王軍の幹部を一撃で葬り去った君が来てくれるとなると、さぞかし士気も上がるだろう」

「で、でもボクに出来るかな……」


にじり寄られて言葉に詰まってしまった。なぜかこんな時にカークトンのマントを見て、戦いの時に邪魔にならないんだろうかと、ぼんやり考えてしまう。いや、そんな事より指導というのは要するに、人に戦い方を教えるという事なのか。

どうせ船の修理はまだ終わらないだろうし、決めた。


「ねぇ、ロエル。カークトンさんの依頼受けていい?」

「え? うん、いいけど……私は参加できないかも。人に教えられるほど上達してないし、兵士の人達相手ならヒーラーの私じゃ、ね」

「あ、そうか。ロエルはヒーラーだもんね」

「でも、やりたいなら気にしないで。私も見てるだけで勉強になるかもしれないから」


ロエルの優しさには毎回涙が出そうになる。大袈裟かもしれないけど、本当にそう思う。


「うん、ボクでよければ」

「おぉそうか! 引き受けてくれるか! いやぁ、助かるよ!」


両手をがっちり握られた、どれだけうれしいんだろう。その後のカークトンといったら、ボクの横で早く早くと手続きが終えるのを催促してうるさかった。あまりこの人とは話した事がなかったけど、なんだかイメージが変わった。意外と子供っぽいというか。


「よし、終わったな。それじゃ早速だが、きてくれ」


ボク達はカークトンと一緒に城へ向かう事にした。所々の建物が崩れていてはいるけど、この辺はまだ被害がなかったのか、比較的綺麗だ。町を襲った魔物は五高の人達が倒したといっていたっけ。

コロシアム中の魔物でさえ、ボク一人じゃ多すぎて手に負えなかったのに本当にすごい人達だ。

Aランクか、早く昇級試験を受けたい。もちろん、イカナ村へ行くのが先決だけど世界を知ったせいか、ボクの中で考え方が変わっていた。


「なんだか見られてるよ……」


ロエルがきょろきょろしているのでボクも周りを見ると、道行く人の中にすれ違った後も振り向いてくる人がいる。


「闘技大会優勝の件で君はすっかり有名人だからな。

大方、ギルドでも詰め寄られた事だろう」


当たりだった、でも決勝戦は納得していない。ティフェリアさんともう一度戦いたい。その為には早く病気を治してほしい。ボクも何か出来たらいいけど、本当に何も思い浮かばない。シンシアなら何かいい薬を持っているかな。


◆アバンガルド城◆


「さて、着いたぞ。訓練所は中庭を抜けたところだ。少し歩くぞ」

「リュアちゃんが人に何かを教えるなんて、楽しみだなぁ」


なぜかウキウキしてるロエル。、ここにきて今更緊張してきた。人に何かを教えるのなんて初めての事だし、何よりボクは知らない人相手となると怖気づいてしまう。

城の中庭に差し掛かったところで、ふとティフェリアさんがまた気になった。ボクがいったところでどうにもならないけど、何かしてあげられないか。後でカークトンさんに会えるかどうか頼んでみよう。


「ここが訓練所の入り口だ」


ドアを開けると天井が中庭と同じく、吹き抜けていて広いスペースだった。そこで大勢の兵士の人達が何を言ってるのかわからない掛け声と共に剣や槍を打ち合ったり、腕立て伏せなどを繰り返している。

空が見えるのにも関わらず、ここにだけ熱気が篭もっているようだ。ボクは思わず、手で顔を扇いだ。


「先日以来、この気合いの入りようだ。大変喜ばしい事なのだが、復興作業も疎かに出来んのでな。

 訓練の時間もなかなか取れない」

「す、すごいですねぇ……あの、私は付き添いという事で端っこで見ていていいですか?」

「うむ、構わないよ」


ロエルが熱気と気迫に圧倒されたのか、とてとてと小走りで適当な位置に向かって陣取った。体育座りでその様子をジッと見つめている。なんだか、かわいい。


「よし! 一時中断だッ!」


どこからそんな声が出るのか、訓練所全体に響き渡るほどの声量だった。それまで激しかった訓練所全体が静まった。打ち合いの動作をやめて、全員が声を揃えてカークトンに挨拶をする。全員が揃いすぎていて、なんだか気持ちよかった。


「昨日、話した訓練の件だ。皆も知っての通り、アバンガルド闘技大会優勝者のリュア君がご指導して下さるぞ。先日での襲撃の際も活躍は聞いているだろう」


なんか雑な説明だ、でも兵士達の視線がボクに集中している。闘技大会で戦っている時だって感じなかったこの感覚。心臓が高鳴って、何か喋ろうと思っていても言葉が出ない。やっぱりこういうのは苦手だ、本当にどうしようもない。


「あの子が指導? 確かに凄まじい実力だったが……」

「うーん、隊長もヤキが回ったなぁ」

「何を言ってる、あの鬼神のごとき強さを見ただろう? 願ってもないチャンスだ!」


なんだろう、この雰囲気。ノリノリなのはカークトンだけみたいだ。もしかして、皆が賛成してないのにカークトンが強引に進めたんじゃないだろうか。どうも雲行きが怪しい。


「あの、指導ってどうすれば?」

「そうだな。まずは組み手を行い、それをリュア君に見てもらおう。君は彼らの動きを見て、思うところがあればドンドン言ってほしい」


そういう事か、なるほど。ダメなところか、でもさっきの打ち合いを見ていた感じでは……


「じゃあ、早速始めていこうか! ブルとスキン! まずはおまえ達からだ!」

「は、はい!」


二人同時に返事をして素早くお互い剣を構える。それを取り囲むように全員が注目した。さっきまでの騒々しさが嘘のように今は静まりかえっている。全員が真剣に見ているところをみると、やっぱり本気で取り組んでいるみたいだ。当たり前か。


「とあぁぁぁッ!」

「なんのッ!」


剣同士のぶつかり合う金属音と威勢のいい掛け声、互角の打ち合いだった。気合いの入りようが伝わってくる。さっきまでも激しい訓練をしていたせいか、汗を飛び散らせてすでに疲労が重なっていそうだ。

数分の攻防の後、スキンという人が勝った。スキンの剣先はブルの鼻先に突きつけられている。

そうか、訓練なんだから当てちゃダメか。


「そこまで!」

「ま、まいった……」


尻餅をついた状態でブルは負けを認めた。スキンは得意げになる事もなく、無表情だった。うれしくないのかな。


「いい戦いだった、さてリュア君、どうかな?」

「ど、どうって?」

「今の二人を見て、直すべき点を遠慮せずに指摘してくれ」

「え、えーと」


息の上がった二人がボクを見る。見られると余計に緊張するから、あっちを向いていてほしい。

直すべき点、そんなものを言っていいんだろうか。だって今の二人じゃ奈落の洞窟の地下一階で殺されている。うまく言えないけど、がんばって言うしかない。


「あの、なんか遅い」

「遅い? 動きが?」

「こうガーッと詰めてカァンって飛ばさないと」

「が、がー? かぁん?」

「こうシュッて」


全員がぽかんと口を開けている。まずい、全然伝わってない。本当にどうしよう。

なんでだよ、だって全然遅いじゃないか。


「その、スタンさんがこう振りかぶる動作がすごく遅くて。

 あんなに隙があったらブルさんがこう真正面に剣を突き立てるだけで勝てちゃうかなって」

「……スキンだ」


スキンが不機嫌そうに訂正した。名前を間違えただけなのになんかすごく怒ってる。


「うむ、二人に言える事だが動作に無駄が多い、動作と動作の繋ぎを意識しろ。

一瞬の差で命を取られるのが戦場だぞ。特にブル、相手の動きを見てから動くのではなくて、常に予想しろ。それが足りてないから、最後の一撃に出遅れて対応できなかったのだ」

「はいッ!」


結局、カークトンが全部説明してしまった。なんだろう、この気持ち。居心地が悪いっていうか。そうだ、気まずい。これだ。


「よし、次ッ! アンジェとリッタ!」

「ふぁ、ふぁい!」


リッタ? そうか、彼女もここの兵士だからいて当然か。大勢の中に紛れていて気づかなかった。よく見ると女の人も結構いる。男の人よりは軽装の鎧で動きやすそうだ。剣や槍も細身であれなら誰でも扱えそう。


「どうした! さっさとしろッ!」

「ふぁい!」

「なんだその返事は!」

「はいっ!」


さっきまでのカークトンじゃなくなっていた。唾を飛ばして、すごい形相でリッタを怒鳴りつけている。この時点でリッタは涙目になっている。槍を持つ手がふるふると震えていて、なんだか生まれたての小鹿みたい。対するアンジェという人は落ち着いた態度でリッタと向き合っている。


「始めろッ!」


始めろも何も勝負になっていなかった。アンジェの最初の突き払いでリッタの槍は清々しいほど遠くに飛ばされた。しかも当のリッタはその事態すら飲み込めておらず、槍を持っているつもりで呆然と立っている。静まっていた訓練所内に笑いが漏れた。


「あの、勝負つきましたよね?」

「あ、あぁ」


さすがのカークトンも呆れていて、アンジェの催促に曖昧に頷くしかなかった。これもアドバイスしないといけないのか。どうしよう、今度ばかりは本当にわからない。リッタにはかわいそうだけど、何も思いつかない。


「……リッタ、こっちへ来い」


ひょこひょことした足取りでカークトンの前に来たリッタ。さすがにあんまりなので慰めるんだろう。ボクが何もアドバイス出来ないので、結局カークトンが全部やってしまっている事に気づいたけどこれでいいのかもしれない。この人達の事はカークトンが一番よくわかっている。

強引にそう言い聞かせた時、平手打ちの乾いた音が鳴った。

頬をぶたれた勢いで倒れこむリッタ。


「やる気がないなら出ていけッ!」

「ぇ……」

「聴こえないのか? 出ていけといっているんだ!」

「ちょ、ちょっと待ってよ。ひどすぎるよ、カークトン」


ボクが間に入って止めても、カークトンは怒りの表情を崩さなかった。それどころか、ボクの言葉も聴こえていないとさえ思える。カークトンはあくまでボクの後ろにいるリッタを見つめているようだった。


「ではリュア君、リッタが改善すべき点はなんだ?」

「そ、それは……」

「存在」


兵士の中から聴こえきた。誰が言ったのかはわからない。でもはっきりとそう悪意を持って言った奴がいる。その途端、リッタは槍を捨てて訓練所の出口に走り出した。今、絶対にリッタは泣いていた。引っ叩いたカークトンよりも陰口を叩いた奴にボクは腹を立てた。


「続けるぞ。次……」

「待ってよ、リッタはどうするの?」

「逃げた者を追う必要はない。次」


事務的に言い放つカークトン。さっきまで話していて面白いところもある人だと思っていた。

こんな人だったのか。カークトンが指示した人達の打ち合いも、今のボクは何も考えずに見ているだけだった。


◆アバンガルド王国 路地裏◆


リッタは訓練を放棄して一人歩いていた。入隊したその日から今日に至るまで、いわゆるさぼりは一度もなかった。結果はどうあれ、自分はいつも真面目にやってきた。カークトン隊長に怒られようと、周りの一部の人達から馬鹿にされようと、がんばってきた。努力すれば結果が必ずついてくる、そう信じてきた。

でも、もう限界だ。自分の中で何かが壊れた。真面目、そんなものはたった今捨てた。

無駄なものを持っていてもしょうがない。なぜなら自分には素質がないから。

元々兵士になったのだって、マスターナイトのティフェリアへの憧れだった。彼女と同じ冒険者になってその道を歩むよりは、兵士になって城の警備をしていたほうが彼女の近くにいられる。

そんなふざけた動機なら、続かなくてもしょうがない。今更、自虐の念にかられていた。


「……逃げたい」


おぼつかない足取りで直進できず、酔っ払いのように路地裏に入っていく。

特に目的がある訳でもない。リッタはただ自身の無力さを嘆き、呆れていた。

あの時も魔物一匹すら倒せないアバンガルド王国兵、国というブランドにも泥を塗ってしまった。

兄が現れなかったら、確実に死んでいた。いつもそうやって誰かに頼って生きてきた。

リッタは自己嫌悪の連鎖が止まらなくなっていた。


「……私、なんで兵士になんかになったんだろ」


転がっている空き箱を蹴り上げる。思ったよりも飛距離があって、遠くの壁に激突してしまった。

どこかの店裏なのか、生ゴミが詰められたポリバケツなどが置かれていて、あまり清潔な場所とはいえない。目的があって来たわけではないので今頃になってようやくその場所に嫌悪感を覚え始めた。


「帰ろ」

「そこのお嬢さん」


不意に呼び止められて、少しだけその声の主を探した。

いつからそこにいたのか、一人の怪しげな中年があぐらをかいて座っている。口の周りを覆う黒髭と頭に被ったターバンにバスローブのような服装。人気のない路地裏、そしてこの人物。リッタは無視する通りすぎる事にした。


「お嬢さんは強くなりたいかね?」


そのワードにぴくりと反応したリッタ。後ろ髪をひかれながらも、まだその人物に向き直らない。

背後から声をかけてくる中年はその場から動く様子もない。


「大切なものを守れる力、あるんですけどねぇ」


わざとらしい敬語だ、やはりこのまま通りすぎようかと考えていた。しかしなぜか足を止めて聞き入ろうとしている自分がいる。絶対に怪しい、頭ではわかっていても今の自分に必要なものをこの男は持っている。まともな精神状態ならばまず相手にしないであろう、しかし今のリッタにはそうかもしれないという考えが頭の片隅にある。


「見てみるかい? ホッホッホッホッ」


ついに振り向いてしまった。

ターバンの中年の前には黒光りする一本の槍が置かれていた――

【制空を握りし鳥王バルツ HP 17900】

新生魔王軍十二将魔の一人。鳥人間のような風体で、背中から大きな翼が生えている。その爪は人間の頭部を兜ごと軽々と掴み、握りつぶす。

空中を自在に飛び回りながら、四方八方からの真空の刃で相手を切り刻む戦法を得意とする。

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