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スケルトンダンジョン攻略②


俺たちは20階層主の部屋の前に居る。


結局ここまでマリアとグリフォンたちがモンスターを倒してきてしまったため、新撰組の彼女たちは戦闘できないことで、うっぷんが限界を迎えた。


「階層主は俺たちが倒すから、マリアとグリフォンたちは手を出さないでくれ」


「主、我々が倒します。主は安全な所で見ていてください」


「ゼウス、俺たちはレベルアップもしたいし、戦闘で経験も積みたいんだ」


「我々は命に賭けて主をお守りします」


「でもね、グリフォンたちでも勝てない敵が来たらどうするんだ。一緒に戦った方が勝てる確率が上がるでしょ」


「かくりつ? がなにか解りませんが、勝てない相手なら、主を連れて全力で逃げます」


「でも、村がグリフォンたちでは勝てない敵が来た時に、村の全員連れて逃げられないでしょ」


「その時は我々の命に代えても、逃げる時間を稼ぎます」


「良いかい? 俺たちは君たちに守られるだけの存在じゃないんだよ。一緒に戦う仲間なんだ、だから、階層主の戦闘で俺たちが一緒に戦えるところを見せるから、今後は連係しながら戦おう」


「分かりました。主がそこまで言うのであれば従います」


「マリアもいいよね?」


「問題無いわ」


俺たちが階層主の部屋に入ると、中には鎧を着けた5体のスケルトンナイトが居た。


こちらを視認するやいなや、スケルトンナイトは片手剣と盾を持ち、俺たちに襲いかかってきた。


しかし、鎧を着てもスケルトン、動きは遅く、全員鎧ごとスケルトンを袈裟斬りで斬り殺した。


「主、申し訳ありませんでした。人間はか弱い者と思っておりました。主たちは強いのですね」


「まだまだ、修行中だけどね」


「これからは、我々も一緒に戦わせてください。我々だけでは倒せない敵も一緒に倒しましょう」


新撰組の彼女たちも他のグリフォンと話しているので大丈夫だろ。


まだ時間的には早いが、安全を考え今日はこの部屋で休むことにした。


マリアとグリフォンたちは、前はモンスターの肉を生で食べていたのに、最近は焼いた肉を好むようになった。


しかも、塩コショウや醤油などで味付けした物を好む。


焼き加減の好みまであって、どんな肉でもレアが良いらしい。オヤジたちに焼いた肉を貰ってからは、生では食べなくなった。


このためにアイテムボックスの中には、一つ3kgくらいあるローストポークならぬローストオークが大量に入っている。


マリアは3個、グリフォンたちは 1個ずつあげた。


俺たちはオークで作ったベーコンが入ったカルボナーラを美咲が作ってくれたので食べた。


ダンジョンでカセットコンロは欠かせない。他の人たちはキャンプ用のコンロでカップラーメンが支流らしいが、俺たちはアイテムボックスがあるから、食事を持ち込むこともできるし、コンロがあれば美咲が料理も作ってくれる。


食事も終わり、俺はお風呂の準備をし始めた。前は簡易シャワーを使っていたが、沖田のオヤジさんに風呂を作ってもらった。


洗い場も付いて、湯船も5人で入っても余裕の広さ。夫婦になったんだから問題無いだろうと結婚祝に貰った。


一緒には入るが俺は変なことしないぞ。息子の忍耐力強化を頑張る。いまだに落ち着かないがな。


次は寝る準備だ。アイテムボックスからベッドを出し、マリアたちには学校から拝借した体操マットを敷いてやる。マリアはもう地面に直には眠りたくないらしい。


勿論、ベッドはキングサイズ一つに皆で寝る。寝るだけだけどね。


俺たちは翌朝、朝食を食べ下に降りることに。


21階層は熊と狼などの色々なスケルトンが待ち構えていた。


交代で倒していくが、皆問題無く倒していった。マリアなんかオークスケルトンを頭からかぶりついたが、味がしないと文句を言っていた。


スケルトンの骨には髄は無いみたいだ。


過剰戦力過ぎたため手応えが無いのか、彼女たちの不満が溜まる。さすがに武術をやってるだけあって油断は無いが、とんでも無いことを言い出した。


「雅也さん、新婚旅行に都内に狩りに行きたい」


「恋花さん、それはちょっと……」


(そんな殺伐とした新婚旅行なんて嫌だ)


しかし、同調した彼女たちは、前に強くなったら連れていくと約束したと言い出した。


話し合った結果、都内よりは安全な確率が高い横浜に行く約束をさせられた。


彼女たちはウキウキしながら、どんなモンスターが居るかなと嬉しそうに話していた。


(戦闘狂は結婚しても直らないか)


30階層まで、問題無く進み、階層主の部屋の前まで来た。


そこで、彼女たちが4人だけで階層主と戦いたいと言い出した。


グリフォンの雌たちもやりたいと言い出し始めたので、実力を知るためにやるということで、今回は新撰組だけで戦うことにした。ただし危険と感じたら救援に入る条件付きで許可した。


中に入ると、12匹のスケルトンウルフと3頭のスケルトンベアーがいた。


「数が多いから、手伝うぞ」


「大丈夫ですよ」

「問題無い」

「余裕だよ」

「見ていてください」


(あー……笑顔でモンスターに向かっていってるよ。恐い嫁さん貰っちゃったなー)


的確な動きでスケルトンたちのコアを切り裂いていく4人の連係には死角は無い。一撃で倒せない敵は一人が引き付け、もう一人がコアを切り捨てる。


あれだけ居た敵をものの5分で全滅させた。


彼女たちを労い声を掛けると、彼女たちはストレス発散できたみたいで笑顔だ。


俺たちはそのまま下に降りることに。31階層は骨が黒っぽい鎧を着たスケルトンナイトが現れた。


スケルトンナイトの動きは、今までのスケルトンに比べれば速いが俺たちの敵ではなかった。


俺はスケルトンナイトの鎧や剣を回収係になりきり、回収だけして付いていった。


こうして問題無くお昼前には、35階層のボス部屋の前に着いた。


ボスは皆でやることにしていざ挑む。扉を開けると、体長3mはある全身真っ黒なスケルトンがいた。


俺がギアを上げ走り出すと、俺に向かって剣を降り下ろしてきた。しかし俺はそんな攻撃を避け、背後に回り背中からコアのある左胸に聖剣を突き刺した。


すると、黒スケルトンはその場に崩れ落ちた。


彼女たちから非難を浴びたが、俺も一撃で終わると思わなかったので、謝りなんとか許してもらえた。


俺はダンジョンコアを吸収してさっさと帰ることにして、お昼は30階層主の部屋で食べてから地上に戻ろうということになった。


帰りはマリアを先頭に俺たちはグリフォンに乗っていくことにしたら、速すぎてお昼ご飯を食べる間もなく、1時間も掛からず地上に着いてしまった。


地上に着いた俺たちはまずお昼を食べてから帰ることにした、帰りはマリアに乗って帰ると話すと、アインスは悲しそうな顔をする。


俺はアインスをなだめ、帰りはマリアへ譲ってもらった。








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