結婚式準備
結婚式は10日後に決まり、着々と準備が進んでいる。
式は人前結婚式に成り、沖田のオヤジさんがチャペルを建設し始めた。
村では基本的に信仰は自由だが、勧誘などを禁止しているのでチャペルには十字架をかかげてない。ただ、お盆やクリスマスは普通に行っている。
俺は式の打ち合わせに出るも空気なので、今はコンテナバリケードの設置を頑張っている。
バリケードはマリアの縄張りの半径5kmだとコンテナが足りないので、村の周囲2kmだけに設置する。これは雑魚モンスター避けと盗難対策が目的だが、強いモンスターが来た時は、避難のための時間稼ぎにしかならない。
対空防御のためにバリスタをモンスターの牙などで石川姉弟が作ってくれたので、ワイバーン対策も取れている。
それと、コンテナバリケードによって、他の生存者に村を知らせるためでもある。
それと、忘れちゃいけない防衛の要でもあるマリアの凄いところは、縄張りにモンスターでも人間でも侵入すると感知できるところだ。それがスキルなのかは判らないが、スノータイガーとはそんなものらしい。
肝心の結婚式だが、ビュッフェ形式になり、屋台を出したりもすることになった。高校生たちも感謝の気持ちで手伝うと言ってくれたので、何軒かの屋台を任せることにした。
食堂で打ち合わせしてる声が聞こえたが、なんか学園祭と勘違いしてるのか、メイド喫茶はどうだろうって声が聞こえた。他の人が学園祭じゃないんだからとツッコミを入れていたがちょっと心配。
ただ、新撰組の彼女たちも聞いていたこともあり、あとでたぶん釘を刺すと思うので、俺はスルーした。
それと結婚前に、彼女たちのご両親に挨拶と結婚の承諾を頂いた。皆さん歓迎してくれて嬉しかったが、男兄弟たちには村の綺麗処を4人もかっさらってと茶化され、手荒い歓迎を受けた。
ただ駿介さんだけが、苦虫を噛み潰したような顔で俺を睨んでいた。しかし美和子さんが彼を嗜めると大人しくなったが。
(駿介さんも美和子さんの尻に敷かれてるんだな)
マリアとグリフォンたちにも結婚の話をしたら、人間は面倒くさいなという意見だった。子供は一緒に育てるから、早く子供を作れと言われたが、俺はもうちょっと後でもいいかなと思っている。
さて、俺にはまだやることがある。
夜、彼女たちのうちの一人と交代で一緒に寝る時に、美咲と二人っきりになったので俺は片膝をついてプロポーズをし、準備しておいたダイアモンドの婚約指輪を渡した。最初の美咲は泣いて喜んでくれたが、後の3人は美咲から話を聞いたのか、部屋に入るなりそわそわしだしてサプライズにはならなかったものの3人共凄く喜んでくれた。
しかし、俺はこの4日間で精魂尽き果てた。そっちのお返しはほどほどにしてください。
ちなみに、駿介さんに美和子の指のサイズを聞き、俺たちのとは違うデザインの婚約指輪を渡した。
珍しく、駿介さんに笑顔で感謝された。
駿介さんも恋花が絡まないと、凄く良い人なんだけどな。
都内に行った時に貴金属やプラチナは大量に回収しておいた。俺の以前いた会社には大量の金などが保管されていたので回収してあったのだ。お金が使えなくなっても、貴金属類は交易に使える可能性があるので、パチンコ屋にある景品の貴金属類も進んで回収するようにしている。
結婚式の準備も奥様たちが陣頭指揮を執ることになり、高校生たちの学園祭気分から式のイメージに軌道修正された。お祭り気分は抜けていないが、心配要らないらしい。
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