悪夢
更新が遅く成りました、すみません。
「いったい何が起きたんだ」
「外に、恐竜や怪物が人間を襲っている」
外からたくさんの悲鳴が聞こえる。道路に溢れる怪物、空にもたくさんの怪物が飛んでいて、人間を捕まえては空高く連れ去り、上空から血が降ってくる。窓の外はこの世の物とは思えない地獄絵図。
「皆、資料室か金庫室に逃げろ!」
皆何が起きたのか解らず、呆然としていて、泣き叫び座り込む女性も居た。
電気も消え、更に恐怖を煽る。
「しっかりしろ! 助けが来るまで隠れるんだ!」
「キャアアアァー!!」
「逃げろ! 怪物が入ってきた!」
悲鳴とともに、下の階から破壊音が響く。
まごまごしてるうちに、黒い角の生えた鬼みたいな怪物と豚面の怪物が、自分たちの居るフロアーに入ってきた。
「イヤアアアア、助けてぇぇぇ!!!!」
目の前で、同僚たちが次々殺されていく。
「……さん! 雅也さん! 大丈夫ですか!?」
「あー、夢か」
「凄くうなされてましたよ、大丈夫ですか」
「大丈夫だ、前に勤めていた会社の夢を見た」
「会社ですか?」
「実は都内に行った時に、会社に行ったんだ」
それから、会社で見たことを話した。
俺は会社にある物を取りに寄っていた。
会社の中に入ると、社内は血が飛び散っていて凄まじい惨状だった。
自分が居たフロアーで、同僚と思われる遺体を見つけた。その中で仲の良かった同僚の残骸になども見てしまった。
パソコンとサーバーを回収してから金庫室に行くと、金庫は固く閉ざされており、聖剣でこじ開けると、中には折り重なるように同僚たちが居た。
その中には、高校や大学からの親友の姿もあった。
「俺は、もしかしたら皆を救えたんじゃないか? 俺が皆を見殺しにしたんだ」
「なにも雅也さんのせいじゃない。雅也さんは私たちを助けてくれた。雅也さんが色んな所に警告するメールを送っていたのも私は知ってるよ」
「でも、俺は……」
恋花は俺の頭を抱きしめ、優しく撫でた。
「雅也さん、貴方は大勢の人の命を救いました。でもね、貴方がどんなに凄い人でも限界があります。
貴方は私たちを助けてくれた。雅也さんは私たちに甘えてください。
自分一人で抱え込まないでください」
「うん、解ってる」
「解ってません! いつも危険なことは自分だけでしようとする! 雅也さん、もっと自分を大切にして! でないと私は――」
俺は、恋花の口を唇でふさいだ。
朝、目が覚めると、恋花が俺に抱きつきながら寝ていた。頭をそっと撫でると、ゆっくりと目を覚ました。
「おはよう、恋花」
「おはよう、ま……」
「これは男の生理現象だからね、ちょっと触らないで……」
朝から運動させられ、汗を流すために風呂に入ると、彼女たちも入ってきて、朝から皆に体を洗われた。甘やかされて駄目人間になりそうで怖い。
でも、俺は今、村で生活する人と一緒にこの村を絶対に守る。
親友とは色々あったが、あいつもこんなおおごとになるとは思ってなかったんだろう。辞める時に小さな声で「ごめん」と聞こえたけど、俺は聞こえないふりをしてしまった。
俺があの謝罪を受けていれば、あいつは死ななかったかも……知れない。今更遅いがな。
悔やんでもしょうが無い。今居る仲間を守ることで、俺は前を向いて生きよう。
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