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村での色々


朝飯を食べながら、俺の考えを彼女たちに話す。


「俺とマリアとシルバで都市部に偵察に行こうと思うんだ」


「何で私たちを置いていくのですか?」


「今回は偵察だし、マリアに乗っていけば速いからね。偵察が済んだら皆で行こうよ」


「雅也さん、貴方は私たちが強引にも付き合うことにした訳が解りますか?」


「……俺も皆のことが好きだよ」


「誤魔化さないでください! 雅也さんには未だに見えない壁があるんです」


「そうだよ雅也、前に話してくれたけど、私たちは雅也と生きていきたいの。雅也は何でも一人でやろうとする」


「雅也さんが居なくなるんじゃないかって私たちは不安なの」


「雅也さん、私たちを信じて、そして頼って」


「ごめん、でも聞いてほしい。俺は恋花、歩美、美咲、楓と離れる気は無いよ、勿論信頼してる。ただ、両親が死んでから誰かに頼ることが無かったから、どうしていいか解らないんだ。それに今回の偵察はこれから村をどうするか決めるために必要なんだ」


「じゃあ、私たちも連れていってください」


「俺はね、別に貴女たちを蔑ろにするつもりは無いよ。都市部には強いモンスターが居るんだ。でも俺にはスキルがあるから隠れたり逃げることができる。貴女たちのことが大切だから、安全を確保してから一緒に行きたい。だから今回の偵察にはマリアたちと行かせてほしい。勿論必ず帰ってくるし、危険なことはしない」


「ずるい」


「雅也さんはずるいです。今の私たちでは足手まといなのは解ります、でも私たちを頼ってください」


「今回だけだから。それにグリフォンの子供が産まれてからだからすぐってわけじゃないし」


「前にもそう言って、米軍基地に忍び込みましたよね」


「……あははは……ごめんなさい」


「分かりました、ただし今後は私たちをちゃんと連れていってくださいね」


「ありがとう、安全の確保してくるよ」


俺的には、モンスターの偵察調査と、品川の会社と大井埠頭のコンテナの確保が目標だな。


それと彼女たちのためにも、あれは必ず回収してこなければ。


話し合いも終わり、俺は昨日から気になっていた件を調べることにした。


門を抜け、坂を下った先にある下水道のマンホールに来ていた。


ここは前に下水が詰まり臭かった場所なのだが、スライムを放してからは臭いがしなくなった。


シルバが分裂したことで、スライムが大量繁殖していたら恐いが、確認しなくては。


マンホールの蓋を開けると、下水道は綺麗になっているが、スライムたちは見当たらない。


良かったと思ったその時、うにょうにょとスライムたちが光を求めるように集まり出した。


どう見ても最初に放した3匹が分裂しまくり、見える範囲だけで10倍以上に増えている。


ヤバイヤバイ、スライムが分裂する毎に倍々に増えたら、15回の分裂で約10万匹。それ以上分裂したら、スライムが地上を埋め尽くしてしまう。


「ナビえもん、助けて~」


《マスター、スライムならエサが無くなれば増えませんし、寿命も短いから大丈夫ですよ》


「え、そうなの?」


《ダンジョンから出たスライムは氾濫が終息すれば、攻撃性は無くなりますから安全です。それにもし、スライムが地上に出てきたら非戦闘員の人が殺せば、レベルアップになりますから。ただ、出てこないと思いますけど》


「良かった、ナビありがとう」


門に防衛班には話しておいたが問題は無さそうだ。



グリフォンのレオはルナのために、ダンジョンでウサギを一生懸命狩っている。レオも良いお父さんになりそうだ。


早く生まれるといいな。


次に鍛冶場に行くと、石川姉弟が魔石を使った武器の改良をしていた。

魔石の発動はしているがまだまだ問題が多いらしく、水の魔石に至っては攻撃力増加すらしていないらしい。試作段階で使ってもらったが、魔石自体の特性が生かされていないようだ。


せめて斬撃が飛ばせるようにはしたいらしい。

今は色々なモンスターの素材と組合せを試しているが、中々上手くいっていないようだ。そんななかワイバーンの牙と風の魔石の相性は良く、斬撃を飛ばせるとまではいかないが、刀の回りに竜巻が起こせるらしい。ただし、今の段階では自分まで竜巻の被害を受けるので、残念ながら実用段階には至っていないみたいだ。


ナビに聞いても解らないらしいから、石川姉弟に頑張ってもらうしかないな。


最近は村も平和だし、高校生たちも村に馴染んでいるようで良かった。一方で、若い職人たちはというと、暇さえあれば女子高生に良いところ見せようと農作業を手伝うが、空回りして女子高生たちに怒られている。それを見ていると、たとえ上手くいったとしても尻に敷かれるのは目に見えて分かるね。


サバイバル始めて思ったけど、やっぱり女性は強いです。




お読み頂きありがとうございます。

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