流されやすい性格
俺は彼女たちに囲まれて、もう白旗状態だ。
「雅也さん、これからもよろしくお願いしますね」
「俺も勿論、恋花、歩美、美咲、楓を好きな気持ちは変わりません、よろしくお願いします」
「私たちを公平に愛してくださいね」
(当分は雪が居るから夜は大丈夫だろう。いくらなんでも4人と付き合うなんて鬼畜過ぎる。その間にオヤジたちに説得してもらおう)
俺はグリフォンが気になったので草原のダンジョンに来た。
「マリア、グリフォンたちは大丈夫なのか?」
「大丈夫よ、シルバが治療してくれたから命の心配は無くなったし、卵も無事3個産んで、今は寝てるわ」
「良かった、グリフォンは動物の体なのに卵なんだな」
「この子たち、群れとダンジョンの異変ではぐれたらしいの。まだ2歳だっていうのに」
(おいおい、俺は30歳でまだ付き合う付き合わないとか言っているのに、2歳で子持ちですか。おじさん悲しくなってきた)
「2歳で子供なんて産めるのか?」
「まだ大きくなるけど、2歳なら繁殖可能よ」
「どれくらい大きくなるんだ?」
「個体にもよるけどもう二回りぐらいかしら」
「マリアほどは大きくならないのか」
「私はまだ小さい方よ。雄はもっと大きくなるからアポロは大きくなるわよ」
「マジか」
こんな話をしていると、グリフォンの2頭が目を覚ました。
「お、目を覚ましたな」
「俺は雅也だ、この群のリーダーをしている」
《グリフォンが仲間になった》
《グリフォンが仲間になった》
(また、勝手になっちゃったよ)
「どうしてハーピーから逃げてきたんだ?」
「……ダンジョンに異変が起きて、何だか外に出なきゃいけない気がして、外に出たら群からはぐれたんだ。気がついたら仲間が誰も居なくて探したら、こいつと会えて一緒に高いところから仲間を探していたら、ワイバーンの群れに襲われて逃げていたら、今度はハーピーの群れに襲われたんだ」
「そうか、大変だったな。お腹も空いただろ」
俺はハーピーの死骸を、アイテムボックスから出してあげた。
「雅也、私はワイバーンが食べたいわ」
「マリア、ワイバーンはまだ解体してないから待ってくれ」
「分かった、ワイバーン早く食べたいな」
グリフォンたちは解体してないハーピーを、足とくちばしで上手に羽根をむしり食べていた。マリアは羽根も骨も関係無く食べている。後でマリアのゴミ捨て場に骨だけ出すのだろう、器用だな。
食べ終えたグリフォンが
「主よ、俺たちに名前をくれないか?」
「分かった、ちょっと待ってくれ」
「よし、決めた。お前がレオで君がルナだ、どうだ?」
「俺はレオか、気に入った」
「私がルナね、ありがとうございます」
「いいか、レオ、ルナ。当分はここで休め。食事は俺が運んでやるからまずは体を治せ。それから群れの人間や仲間たちに絶対に危害を加えるな。人間はお前たちが思っているより弱いからな。あと、解らないことがあればマリアに聞いてくれ。マリア頼むな」
マリアにまかせダンジョンを後にする。
卵がいつ孵るのか聞いたが、首をひねり分からないらしい。
俺は館長たちが集まっていたので、新撰組の相談をすると
「大曽根くんいや、雅也、お前は俺の娘に不満でもあるって言うのか?」
「沖田さん、落ちついてください。不満なんてありませんよ。ただ、4人と付き合うなんて不誠実だと思いまして」
「雅也くん、私たちは雅也くんを信じてるから娘たちを任せるんだ」
「でも館長……」
「それより、今まで手を出していなかった方が問題だな」
「そうだな、一緒に住んでて手を出してない方がおかしい」
「俺なんか若い頃はかーちゃんに隠れて散々やったもんよ」
沖田さんに3人は冷たい視線を向け、俺は唖然として遠くを見つめていると、沖田さんの顔が青くなり振り向くと誰も居ない。
「雅也、てめー脅かすんじゃねーよ。かーちゃんに聞かれたかと思ったじゃねーか」
沖田さんがそんなことを大声で怒鳴ると、沖田さんの奥さんがひょっこり現れ
「ほー私に聞かれちゃいけない話ってなんだい?」
「……いや……」
沖田さんのオヤジさんは耳を引っ張られドナドナされていった。
俺たちはその場で大爆笑で解散。
夜、風呂に入ってから寝ようとすると雪が居ない。眠くなって部屋かと思い部屋に入ると、何故か歩美がいた。
「雪を知らない?」
「雪ちゃんは今日は私のベッドで寝てるよ」
「で、歩美はここで何をしているんですか?」
「そんなこと私の口から言わせるつもり?」
「いえ、……えーと……」
「大丈夫よ、勝負で順番決めたから」
「……あーそうなんですか」
(もー知らない、俺だって我慢して隠れて自家発電してたんだ)
俺はついに理性を抑えることができくなった。
翌朝、2人で寝てるベッドには、歩美、雅也、雪と川の字に寝ていた。
(辛くなったら雪をダシに逃げよう。つーか毎日は無理だから相談しないと)
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