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モンスターの牛捕獲作戦


俺たちが高校生を連れて村に帰ると、門の先にマリアの姿があり、人だかりができていた。


近付いてみると象より大きい真っ黒な牛をマリアが狩ってきたようだ。

どうやらマリアがトドメを刺さずに連れてきたのだが、それが今死んだので血抜きをしようとしたものの、大き過ぎて作業をするのに手間取っていたらしい。なので、俺はアイテムボックスから重機を出し総出で作業を開始した。


マリアが俺に

「雅也、私ママさんに教えてもらって、お肉が美味しくなるっていうから殺さず狩ってたのよ」


「マリアは凄いな。こんなに大きい牛を狩ってきて、怪我しなかったか?」


「大丈夫よ。ママさんたちに誉められちゃったわ。後でママさんたちがブラッシングしてくれるって」


「そうか良かったな。俺もブラッシングしてあげるよ」


「そう。じゃ、先に水浴びしてくるわね」


マリアは自分の巣があるダンジョンに走り去っていった。


それにしてもデカイ! こんな大きな角で襲われたら装甲車でもヤバイかもしれない。

2台のクレーン車で牛を吊り上げているが、いったい何トンあるのか分からないな。

男たちは今日は焼き肉だーと喜んだが、奥様たちに今日解体しても熟成しなきゃ食べられないし、人間が食べても良いかテストするからと言われて、テンションだだ下がりのようだ。


しかし、オヤジたちは「大丈夫だ、牛に毒なんかあるわけ無いだろう」と解体が始まると隠れて食べていた。

隠したつもりでも肉を焼けば匂いも煙りも出て当然ばれるわけで、オヤジたちは奥様たちに後でみっちり絞られることになったが、奥様たちの心配もよそにオヤジたちはぴんぴんしていた。


ご褒美に道場でマリアのブラッシング大会が行われたが、マリアもデカイので石川姉弟特製のブラシで10人がかりでブラッシングすることに。

俺もブラッシングしようとしたら幼獣の4匹が自分のブラシをくわえ俺の前に来たため、仕方なく俺は4匹を順番にブラッシングしてやる。


「マリア、あんな大きな牛どこで狩ったんだ?」


「ここから川を2つ越えた先に居たわ。多分弱い奴らは安全なところを探して逃げてきたんでしょう。各地で縄張り争いが起きているみたいね」


「そんなにモンスターが来ているのか?」


「まだ群は小さいみたい、でもこれから増えるわよ」


「ここにも来るかな?」


「私が雅也の縄張りを見てるし、マーキングしてるから余程の馬鹿じゃないと来ないわね」


「マリアありがとう」


「縄張りを守ることと狩りは女の仕事よ、任せて」


「でもありがとう。マリアには牛の内臓全部あげるからね」


「良いの? 内臓が一番美味しいのに?」


「あぁ、良いぞ。マリアが狩ったんだから」


「雅也がボスで嬉しい」


「マリア、この牛って飼えないかな?」


「ダンジョンから出れば大人しいからできないこともないでしょうけど、雄は発情期に狂暴になるわね。群れに雄が複数居なければ大人しいと思うから飼えるけど、必要なら私が狩ってくるわよ」


「でも、この近くから居なくなるといずれ狩れなくならないか?」


「それもそうね。明日雅也が見て飼えるか決めて」


ブラッシングを終えたマリアと子供たち4匹が眠りに就いたので俺は、主要メンバーを集め会議することにした。


明日、マリアと俺と新撰組と林さんとで見に行くことにした。


寝ようとして部屋に入ると、道場で寝ていた雪もやってきてベッドに横になったので結局今日も雪と一緒に寝ることになった。


翌朝、準備を整え出発しようとすると4匹が珍しく連れてけと我が儘を言い出した。最近4匹は頭が良いのかそれとも俺の心が解るのか分からないが、ダンジョンに行く時は我が儘を言わないのに資源捜索には付いてきたがる。


仕方なく4匹を連れて出発する。子虎たちも最初はマリアと共に走っていたが、途中疲れたのか車内に退避。太陽も走りたがったが迷子になったことがあるので車内に入れておく。


道中いろいろなモンスターを見掛けた。蝦夷鹿みたいなやつに馬やインパラみたいなものなど、どこかのサファリパークみたいだ。


それでもマリアを見ると警戒して近付いてこない。


しばらくすると川を越えた先に大きな牛の群れを見つけた。牛たちもマリアを見つけたらしく一目散に逃げ出していた。


(そりゃ前にマリアに襲われてるから逃げるよな)


しかし、逃げる群れから子牛を連れた母牛が遅れ出した。マリアがすかさずその間に入り群れを分断すると、分断された母牛たちは子牛を守るような行動をとりだした。


それを見て林さんが牧草を手に牛に近付くと、少し威嚇してきたが林さんはゆっくり警戒させないように近付いて牧草を与えて大人しくさせた。


俺は運搬車をアイテムボックスから出し川沿いの倉庫に物資捜索に1人で出掛けた。


倉庫の中にゴブリンが居たが問題なく殺してから内部を確認すると、ここはどうやら洋服や布地の物流倉庫のようだ。すでにアイテムボックスに大量に洋服はあるが、あっても困らないので全部回収して皆のもとに戻ることにした。


皆のもとに戻ると牛はすでに大人しくしていて、4台のトラックに牛親子を分乗させていた。WAPCはアイテムボックスにしまい、母牛4頭に子牛4頭を確保したトラック4台に俺たちも乗ってマリア警護のもと帰ることにした。








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