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大掃除と白兵戦

今回は胸糞注意です。

苦手な方は飛ばして下さい。


「あー頭が痛い、ガンガンする」


今何故か俺の部屋で子虎とうり坊たちの運動会が行われている。


「雪、分かったから止めて。もう起きたから」


雪が頬を鼻で突っつき、残りの3匹は部屋中走り回り俺が目を覚ますとベッドの上に飛び乗った。


「今何時だ、9時か……やべー、今日は大掃除するんだった」


子虎たちが掃除の邪魔だから俺の部屋に誰か入れたな。


二日酔いの頭でリビングに行くと、新撰組とシルバが大掃除をしていた、窓を全開に開けたリビングはメチャクチャ寒い。俺に気付いた美咲が


「雅也さん、おはよう朝食食べるでしょ」


「美咲さん、おはようごめん寝坊した。二日酔いだから朝食はいいや。顔洗ったら手伝うよ」


「雅也さんはこの子たちの面倒見てくれればいいから」


「「「雅也さん、おはよう」」」


「皆もおはよう、ごめん寝坊した」


「良いのよ、この子たちとお風呂でも入ってくれば」


「そうだよ、入ってきたら?」


「その間に部屋に変な物が無いか探しておくから。ついでに掃除してあげる」


「楓、雅也さんのプライバシー侵害」


「ベッドの下に何か隠してあったりして」


「俺は別に見られて困る物なんか無いし、自分の部屋は自分でやるから大丈夫だよ」


「ははん、やっぱり何か隠しているんだ」


「だから何も隠してないから」


「じゃあ、この楓様が隅々まで掃除してあげる。雅也さんはこの子たちの面倒を見てて」


(パソコンはロックしてあるし、 フォルダーも偽装しているから大丈夫だろ)


「じゃあお言葉に甘えて風呂に入らせてもらうよ」


しかし、俺は知らなかった、とっくにパスワードがばれていることを。そして俺が部屋を離れた後彼女たちにお宝画像を見られ、ノーマルでオッパイ好きだと性嗜好がばれ1人を除いて安心されることなど俺は知るよしも無かった。


俺は風呂での4匹の暴れっぷりに困りながらも二日酔いと戦い体調を戻した。


ぶれない歩美が覗きに来たが、誰かに捕まり未遂で済んだようだ。


風呂から出て、軽めの朝食を食べると、この子たちの面倒見ててと外に追いやられた。


仕方なく正面の手作り公園に行くと、俺と同じように小学生以下の子守りをさせられている若いパパたちがいた。


「雅也さんも追い出されたんですか」


「まあね」


「普段シルバちゃんが掃除してくれるし、まだ新しいから大して掃除するところなんて無いんですけどね」


「雅也さん、ゲーセンいつ行きます?」


「暇だし子供たち連れて今から行くか」


「いいですね、行きましょう」


大人4人に子供7人と子虎とうり坊たちをWAPCに乗せ、走り始めたらマリアがついてきて一緒にゲーセンに行くことに。子供と4匹は初めて乗る乗り物に大興奮。


一人のパパが街道沿いのDVDショップを見つけ。


「子供たちが居なかったらあそこに寄りたかった……。雅也さん今度また男たちだけで捜索に行きましょう」


「いいね行こう行こう」


ゲーセンに着くとまず俺だけ降り、マリアと安全確保をしてから皆を降ろして中に入った。中にはビリヤードやダーツやコインゲームにプ〇クラなどがあり、ネットを使用しないゲームや景品などを根こそぎ回収した。子供たちもぬいぐるみやおもちゃを貰い喜んでいた。


俺達は内緒で来たので帰ろうとするとマリアが


「人間が近付いてくるわ」


「マリアどこだ?」


俺は皆をWAPCに乗せ、マリアと向かった。


マリアについていくと、男女11名の制服を着た高校生が警戒しながら歩いているのが見える。俺は警戒させないように声を掛けて近付く。


「おーい、こんなところでどうした?」


一人の男子高校生が


「何者だ?」


「俺は大曽根雅也、仲間と物資捜索に来た」


そんな話をしていると、マリアが俺の目の前をふさいだと同時に銃声がしたと思ったらマリアが凄いスピードで走り出す。


マリアの向かう先を見ると銃撃しただろう自衛隊員が居た。


「マリア殺すな!」


俺が叫んだ時には2人の隊員は肉片と変わっていた。


マリアは6人の隊員は殺さず意識だけを刈り取った。


「マリア、守ってくれてありがとう」


俺は高校生に近付いて何故攻撃したのか聞いた。


話を聞くとこうだった。


高校生たちは部活で避難が遅れて高校に近隣住民と避難していて、自衛隊からの援助で生き延びてきたが、自衛隊員が女子生徒を暴行する事件が起きてから隊員たちが豹変したらしい。それから何人も暴行され、高校生たちは隊員の目を盗んで助けを求めて逃げ出したらしい。


俺はそれを聞いて物凄い怒りを感じた、気絶してる隊員を縛り上げ高校生たちを連れて皆のところに戻った。


皆に経緯を話して高校生たちを助けることに決めた。無線はやつらに傍受される危険性があるし、ここには子供が居る。まだ避難所に8人の隊員が居るので、それらを踏まえて近くまで行き俺一人で潜入することを伝える。男性陣は俺に同行すると言うが俺にはスキルがあることと、男性陣には子供たちを守ってもらうために残ってもらうことにした。


隊員たちが目を覚ましたので尋問する。


何人かの隊員が俺の顔を見て青ざめているが、一人の隊員が


「俺たちにこんなことしてただで済むと思うなよ」


「威勢が良い隊員だな。ちなみにただじゃあなければなんだ?」


「お前は黙れ」


「うるせーな、俺は自由なんだよ俺は。こんなことしたんだ、楽には殺さないよ」


「せっかく仲間が止めたのに、自由馬鹿は自分の状況解っているのか?」


「馬鹿はお前だ。自衛隊を敵に回して生きていけると思っているのか!」


「面白いこと言うね。ところで誰が他の隊員に伝えるんだ?」


「……」


「幽霊になっても伝えに行く根性さすが自衛官凄いね」


「待ってくれ」


「待ってくれて言われて女子生徒に待ってあげたの?」


「待ってくれ! 俺たち4人は暴行に加わっていない、その2人だけだ」


「ふざけんなお前だって同罪だ」


「ありゃりゃ、仲間割れですか」


「何でも話す! 償いもするから命だけは!」


「じゃあゲームをしましょうか。貴方たちをパンツ一丁で解放しますから頑張って立川まで帰れたら許しましょう」


何か叫んでたけど無視して身ぐるみ剥いでゲーセンに放り込んだ。


車に戻るとさすがに定員オーバーだったので小さい子供たちは膝に乗せたり、助手席に女子高生2人で座ったりで何とか避難所に向かった。


避難所の近くまで行きWAPCを見えないところに停め、マリアにも待機させスキルを使い避難所に潜入することに。


避難所に着くと、校庭には5人の隊員が校庭の真ん中に固まって座っていた。


(あれじゃ歩哨の意味無いじゃん)


俺はスキルで近付き、全員の意識を刈り取り縛り上げた。校内の捜索を始めるが中は人が居ない。廊下を進むと保健室の中から泣き叫ぶ声がする。中の様子を窺うと暴行してる気配がして、一気に俺の心は冷えていった。勢いよく中に入ると3人の隊員が5人の女子生徒に対して……言葉に言い表せない惨状だった。


俺は冷えた心が憎しみの炎で燃え出した時には、すでに3人の首を切り落としていた。


怯える彼女たちに毛布を掛けてあげながら助けに来たことを伝えた。

彼女の中の1人は死んだ隊員に夢中で何か言いながら蹴っていた。俺は彼女にもう大丈夫だからと声をかけ優しく止めた。


彼女たちは抱き合って泣いているので、簡易シャワーと洋服を出し、他の人の居場所を聞いた。


他の人は3階の教室に押し込められていることが解り救出に向かう。3つの教室に100人以上閉じ込められていた。しかし男性が少なく30人くらいしか居ない。


女性の先生と思われる人に聞くと、多くの男子生徒や男性教師は自衛隊員に襲い掛かり殺されたという。。


俺は心の隅にあった人を殺した罪悪感が消えていくのを感じた。俺は間違っていない。


仲間を呼び、避難所の人たちに食料を渡し、隊員たちが持っていた無線機で立川基地に連絡を取った。


「大曽根雅也だ、幕僚長か大臣を今すぐだせ」


「大曽根殿急に言われましても、今近くにはおりません。改めてこちらから連絡致します」


「いいから今すぐ出せ! じゃないと二度と自衛隊に協力しない、解ったか!」


「少々お待ちください」


「急げよ」


それから3分後、幕僚長が無線に出た。


「大曽根殿、なにか緊急事態ですか?」


「ああ、緊急事態だ、お宅の隊員を5人殺した」


「は、何故ですか」


俺は事の経緯をすべて話した。隊員に殺された人間が30人以上いることも。そして俺に喧嘩を売るなら買ってやるとも伝えた。


捕縛した隊員たちの居場所と、拠点に近付く者は無条件で攻撃するとも伝え無線機を切った。


校庭にLAV軽装甲機動車が1台あったのでそれを貰い、避難所の人たちを車に便乗させ拠点に戻ることにした。


ただ、車はアイテムボックスから出せるものの運転できる人間が少ないため、定員オーバーで戻ることにした。


俺は出発前に拠点に連絡をしてないことを思いだし、心を決め無線機のスイッチを押す。


「雅也ですけど、誰か居ませんか居ませんよね」


「居ますが、どこに行っているのですか!」


「ごめんなさい。恋花さん、あの……聞いてください」


「聞いてますよ!」


「――――ということがありまして、100人以上の人を拠点に連れて帰るのでお願いします」


「解ったわ、雅也さんは大丈夫?」


「かすり傷一つありません」


「そう、早く帰ってきてね」



俺たちは拠点に向かい出発した。





お読み頂きありがとうございます。

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