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クリスマス


今日はクリスマスパーティーを開催する。朝早くからケーキを焼く甘い香りが漂っている。子供たちは枕元に届いたおもちゃを見せ合い楽しそうに騒いでいた。


俺もシルバに魔核をあげ、ボール好きな太陽にはサッカーボール、寂しがり屋の雪にはぬいぐるみ、やんちゃなアポロとアナトにはじゃれても壊れない木とロープで作った遊具をあげた。


太陽はボールを追いかけては鼻で押しドリブルしているが、草原ダンジョンなので安心だ。雪はぬいぐるみと一緒に俺の膝にいる。子虎たちは遊具と格闘中で、アポロは吊るしたロープにぶら下がり、アナトは上に登り柱に噛みついている。


俺は子守りをマリアに頼む代わりにオークとウサギを渡してダンジョンを出ると、オヤジたちは宴会を始めていた。奥さんたちに小言を言われても気にせず飲んでいて、俺も引き込まれたが頼むから俺を避雷針にしないでほしい。


オヤジたちと話すと、俺たちが心配だから無理してダンジョンに挑まないで自衛隊に任すべきとか、新撰組は戦闘狂だから俺が無理して付き合わされてるんじゃないかなど色々聞かれた。俺はそんなこと無いと否定したが無理するなと言われた。

俺たちを頼れと言われ、両親を亡くしてから親身になってくれるオヤジたちにちょっとうるっと来たのにオヤジたちは下ネタを話し出した。

しまいには俺はどうしてるとか、娘に手を出したら責任を取らせるとか始まり、誰の奥さんが色っぽいとかまで言い出し、見事に奥様たちに聞かれ修羅場になったので俺はこっそり退避。


次に向かった先では、女性の美容師さんが髪を切っていたので俺もお願いすることにした。髪を切りながら話していると、高校生の女の子が弟子入りしたらしく、嬉しそうに色々話してくれて俺もさっぱりしてその場を後にした。


まだ開始まで時間があるので正面の門に向かうと、畑でネギに白菜、大根などを収穫してる姿を見つける。


門に着くと今日はオヤジたちが飲んだくれているので、門に居るメンバーの年齢層は若いが、小銃を背負う姿は随分様になっている。

ここではダンジョンの話をしたり、避難所から移住してくれる女の子が居ないかなどを話した。

ダンジョンに行って隊員のお姉さんと仲良くなったとか、合コンしたいとか俺もしたいと話し盛り上がった。


暗くなり始めそろそろパーティーも始まる時間なので、門を後にして食堂に向かう。


食堂前のクリスマスツリーに明かりが灯り雰囲気を盛り上げている。


食堂の中にはたくさんの料理にケーキが並び、子供たちは早く食べたくて我慢できない様子だ。人も集まったので館長から乾杯の挨拶を頼まれる。


「今年は本当は色々ありましたが! 来年も誰一人欠けること無くクリスマスを迎えられるように頑張りましょう! 乾杯!」


クリスマス会が始まり、ビュッフェ形式の所へ料理を取りに行くと美咲が鳥の丸焼を切り分けていた。俺も頂いたが皮はパリパリで肉はジューシーで美味しく、聞くところによると石窯を利用して作ったようだ。


料理も取ったのでどこかに座ろうとすると若奥様たちに捕まった。

俺が新撰組の誰が好きなのか追及されたり、しまいには4人と付き合えとかむちゃくちゃ言われ困っていると若い職人たちに助け出された。


流れで若い職人たちと話していたら、色々作りたいと提案された。その中で遊技場を作りたいという話があったので、ダンジョンの1階のトレーニングスペースの隣に作ることになった。近くのゲームセンターから色々ゲームを確保して、後はビリヤード台も確保すればいいかな。


今度は新撰組に誘われ一緒に飲み始めた。料理の苦手な楓を除いた彼女たちが作ったという料理を貰い美味しく頂いていると、楓は拗ねてしまったがケーキのデコレーションをしたと言うので誉めると機嫌を直した。


彼女たちと飲んでると楽しい。彼女たちの誰が好きなのか考えたが俺には選べないし、今の関係は壊したくない。


この関係がいつまで続くか解らないが、俺は今を大事にしたい。


皆な日常を忘れクリスマスを楽しんだ、自分が描いてスローライフとは違うが今の仲間を大事にしたい。








お読み頂きありがとうございます。

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