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またまた大臣訪問


朝食を食べていると、立川基地から連絡がきた。基地に来てほしいと言われるが、今回はやることがいっぱいなので断ると、こちらに来るとのこと。断りたかったが、何やら急いでいるので了承した。


連絡が来てから1時間もしないうちにヘリがやってきた。今回は防衛大臣と農林水産大臣と幕僚官僚たちが来たようだ。


ダンジョン攻略のお礼を言われてから本題に入るが、農林水産大臣から聞いた内容は今更なことで呆れてしまった。


「大曽根くん、今日本は 未曾有の危機を迎えている。アメリカから食糧援助を中止すると一方的に通告してきたのだ。このままで行くと夏には避難所では配給が滞る事態に陥るだろう。そこで知恵をお借りしたい」


「知恵をと言われましても、最初から解っていたことじゃないのですか? そのために北海道奪還戦を組んだんでしょ?」


「勿論対策は取っている。北海道、四国、九州では農業生産は開始しているが、モンスターの襲撃により、予定していた生産量を確保できなかった」


「そんなこと俺たちに言われてもどうしようも無いじゃないですか」


「解っているんだ、我々も藁にもすがる思いで何か無いか伺っただけで無理強いする気は無い。ただ、ダンジョンから果物を収穫できたりと、我々の想像を超えることを大曽根くんは起こしている。それにここは今の世界では考えられないほど充実してる」


「この拠点は政府から正式な自治を認めてもらってます。我々が充実した拠点を作れたのは我々の努力の結果です。搾取する気なら我々は今後一切の協力はしません」


「農林大臣、何を言っているんだ! 我々の友好関係を壊すつもりか?」


「違います、そんなつもりはありません」


「俺から言わせてもらえばいつまで彼らを避難民扱いするつもりですか。ここでは皆働いていますよ。避難所で何もしないで飯だけ食わせろって、俺らから言わせてもらえば舐めてますよ。今更選挙も無いでしょう。土地があるなら田畑を作れば良いし、戦える者はダンジョンの浅い所で鍛えれば良いでしょう」


「我々も解っている、勿論協力してくれる人もたくさんいる。ただ野党の先導で協力的でない者も多く、政府に責任を押し付けて反発して今にも暴発寸前なんだ」


「そんなの、働かない者の言いなりになっているからでしょう。働かない者に食糧を渡さなければ良いじゃないですか」


「そんな非道なことはできない。それにそんなことをすれば避難所で略奪行為が起きる」


「じゃあ、働く者を近隣の農地に自衛隊が安全を確保して住まわせれば良いじゃないですか。立川の避難所には働かない者だけ残して好きにしてもらえば。それで暴動が起きれば堂々と捕まえて働かせれば。本当は島流しにしたいところけれど、今じゃむしろ島に行きたい人の方が多いですからね」


「そんな非道なことはできない。働けない者もいるんだ」


「この状況で夢見ても解決しませんよ。老人だって子供だって働けます。酷使しなければ良いだけです。怪我や病気の人は医師の判断の下で政府が援助すれば良いだけ。もう元の世界には戻らないのだから働かざる者食うべからずですよ」


「でもどうやって安全を確保するかが問題だ」


「良い場所があるじゃないですか」


「どこにそんな場所が?」


「米軍基地ですよ。あそこなら土地も広いし荒らされていない住宅もありますし、回りは畑も多く最高の場所でしょう。それにあそこは今は無人ですしね」


「確かにアメリカに引き上げたが、安保上あそこに手をつけるわけには――」


「いつまでアメリカに尻尾振れば気が済むんですか。何が安保だ! アメリカは日本から逃げたんでしょ? 今更安保も糞も無いでしょう」


「確かに今更安保も無いな、議題に挙げてみよう」


「先に隊員たちに調査させよう」


「それで防衛大臣は何をしに?」


「こんなやり取りの後には言いにくいのだが、隊員と研究者をここに置いてもらえないか」


「お断りします」


「待ってくれ! 話だけでも聞いてくれ!」


「聞くだけならいいですが、俺は監視されるのが嫌いです」


「監視するつもりは無いから安心してくれ、実は仲間になった魔物たちのことで相談したいのだ。仲間にした隊員と研究者の滞在をお願いしたい。勿論滞在中の食糧などはこちらで用意する。何とかお願いできないか。ぜひ考えてみてほしい」


「そういうことなら考えてもいいですが、うちの子たちを実験台にする気ならただじゃおきませんよ」


「そんなつもりは毛頭無い。育成方法が知りたいだけなんだ。ここにはスノータイガーのお母さんも居るからぜひともお願いしたいのだ」


大臣たちを送り出してから皆に相談すると、マリアも俺に任せると言う。歩美が暴走したが皆も賛成してくれたので受け入れることにした。






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