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お疲れ会


俺たちがダンジョンから出ると吐く息は白く、随分長く潜っていたことを感じさせる。


ダンジョン内では簡易シャワーを使っていたため、彼女たちは早く帰って温泉に浸かりたいなど話していたが、さすがに自衛隊員に話もしないでは帰れない。


そんな俺も本当は早く帰って子虎やうり坊たちと温泉に入りたい。しかし立川基地から幕僚たちが来るから待ってほしいと懇願される。帰りはヘリで送ってくれると言うけど、マリアが居るからと断ろうとするとマリアは先に帰ると言って帰ってしまった。


拠点に連絡するために無線を借りると、マリアはもう着いていて子虎たちがマリアに甘えてる最中らしい。


(マリアと別れて10分も経ってないのに早すぎるだろ)


ヘリで幕僚たちが来ると毎度のことながらお礼を言われ、こちらからは中の報告とモンスターの話をし、後日情報交換をする場を設けることになった。それとモンスターの素材を使った弾丸の製造に成功したらしい。サプレッサーと併せて低レベルダンジョン攻略に用いられているが、都市部では効かないモンスターも多いとのことだ。


俺たちはヘリでやっと帰路に着くと、彼女たちが帰ったら5人+マリアでお疲れ会をしようと言い出したので宴会することにした。


我が家に着くと母家の温泉は即座に彼女たちに占領され、俺はというとオヤジたちにダンジョンの話をせがまれた。雪だけが俺の膝の上で俺を癒してくれた。楓のオヤジにトレントの木材を見せると目を輝かせ檜風呂ならぬトレント風呂を作ると息巻いていた。


マリアは草原ダンジョンで休むと言うのでオークを渡してあげた。


彼女たちが風呂から出ると、何故か太陽も一緒に出てきた。何故太陽が風呂にと聞いたら歩美が連れてきたらしい。子虎たちはマリアにベッタリだし、雪は俺の膝の上だったから太陽だけ入れたようだ。太陽は女性好きだから仕方ないか。


俺は仕方なく雪と2人で入ろうとしたら、子虎たちも来て俺に甘えてくれるので皆で風呂に入ることにしたら、ぶれない歩美が一緒に入ろうとして3人に押さえられていた。今の俺は風呂に一緒に入ったら理性がもたん。


風呂から出ると囲炉裏に数々のつまみと酒が用意されていた。彼女たちは飲まずに俺を待っていてくれたようで、俺が囲炉裏に着くとビールを注いでくれて宴会が始まった。


久々の酒は旨く彼女たちも良いペースで飲んでいた。焼酎に切り替え少しした時に歩美に雪を奪われたんだが、その時に酔った恋花が俺の雪が退いた膝に頭を乗せてきた。俺は何が起きたの解らず固まると今度は反対の膝に楓が頭を乗せてきたのだ。俺は下半身に血が行かないようにするが、風呂上がりの良い香りとボディタッチに、スエットもズボンでは防御力が弱く血が集まっていくことが隠せなくなってきた。

美咲に助けられ無事解放された元気な息子をクッションで隠した。でも美咲には完全に見られた。


(うわーすんげー気まずい)


男の生理現象だから勘弁してくれ。


そんな心の葛藤の中、石川姉弟が遊びに来た。刀士が来て助かったと思ったら爆弾を投下された。


「雅也さんは4人の中で誰かと付き合っているの?」


囲炉裏の側に居るのに空気が凍りつく。俺は空気を変えるために


「馬鹿言うなよ、俺には高値の花過ぎてアイドルみたいなんだから彼女たちが俺なんかと付き合うわけ無いだろ」


(あれ? 空気が変わらない……何かおかしなことを言ったか?)


「じゃあ、行き遅れの姉ちゃん貰ってよ」


「刀士は行き遅れないように私があの世に送ってあげる」


刀士は土下座して謝るが、椿の顔は般若のまま。


「刀士は好きな子に散々アピールしたものの最後には彼氏を紹介されて泣いてたくせに、姉ちゃんのことを言うなんて100年早いわ! お前の振られた話を肴にでもしようか」


「すみませんでした、勘弁してください」


姉弟のやり取りの中、ぼそっと恋花が呟いた。


「……は待ってるのよ」


俺にはよく聞き取れなかったが、何を待っているのか聞けなかった。


それからは刀士の話で盛り上がったが、刀士は白く燃え尽きていた。小さい頃からの恥ずかしい話を暴露されて可哀想に。






お読み頂きありがとうございます。

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