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レベル11ダンジョン③


31階層に降りるとそこは森のダンジョンだった。


俺たちはまた森のダンジョンかと思っているとマリアが


「この森では不用意に木に近づかないように。トレントが居るから気をつけるのよ」


「マリア教えてくれて、ありがとう」


前方から50cmはありそうな蜂が向かってくる。


「蜂は殺さないで。偵察に来ただけだから下がるわよ」


俺たちはマリアの指示に従いゆっくりと下がり出したが、蜂はなおも近づいてくる。


「大丈夫、巣に近づかなければ攻撃はしてこないから」


俺たちは蜂くらい平気なのにと思いながらも離れるが、楓に蜂が近づくとパニクって蜂を斬り殺してしまった。


「走って階段まで戻るわよ、急いで!」


俺たちは走り出すと、後ろからぶーんと翅の音と共に蜂が何匹も向かってくる。


マリアが楓を守るように指示を出し俺たちは蜂と戦いだした。でも、蜂は俺たちを無視して楓に襲い掛かる。


マリアが楓に近づく蜂を爪で叩き落とし、俺たちも蜂を斬り殺した。かなりの数を殺したところで蜂たちは逃げていった。


マリアが言うには、働き蜂を殺すと攻撃蜂が蜂の体液の臭いを嗅ぎ付け襲い掛かってくるらしい。巣に近づいたり働き蜂を殺さなければ攻撃してこないが、下手に巣の近くで攻撃すれば何百匹の蜂が襲い掛かってくるから蜂を殺してはいけないと教えられた。


俺たちは30階層主の部屋に戻り、洋服を着替え体も武器も綺麗にして臭いの痕跡を消した。


珍しく楓がしおらしく落ち込み、皆に謝ってきた。俺たちもそんな楓を励まし再度31階層に。


マリアの先導で31階層を進むと木が動きだした。俺が一番近くに居たので聖剣で切ると簡単に切り倒せた。俺は拠点で散々木を切ってきたからなのかトレントはとても弱かった。


トレントは直径40cmくらいの杉か檜木にしか見えない。顔も無いし動きも遅く、薪にするには良さそうだ。


それから俺たちは蜂に何度も接触したが、楓はマリアの側で何とか耐えた。その後もトレントやコウモリや芋虫のモンスターにも出会ったが、どれも蜂に比べて遅く弱かった。


時間がかかったが無事に階段を見つけ、何とか36階層までたどり着いた。すると前方の木に体長50cmくらいもある蜘蛛がへばり付いていた。蜘蛛は俺たちに気がつくと木からジャンプして、空中で尻から白い何かを吐き出した。


恋花は避けきれず、それが手と体にくっついたため身動きができなくなってしまった。直ぐにマリアが恋花を庇ったため蜘蛛は近づけなくなったが、蜘蛛はピョンピョンジャンプしながら粘着物を吐き出してくる。俺たちは避けながらなんとか攻撃するが、蜘蛛は距離を稼ぎ有効な攻撃をさせてくれない。


俺はいったん下がり出発前に石川姉弟から貰ったモンスターの素材でできた矢を取りだし蜘蛛に放つ。うまい具合に蜘蛛に刺さり、トドメは歩美が刺し蜘蛛を倒すことができた。


しかし、恋花は蜘蛛が出した粘着物からいまだ抜け出せないでいた。


「蜘蛛の足の爪ならくっつかずに切れるから」


マリアに教わりながら蜘蛛の足で粘着物を切ると簡単に剥がせた。


嫌がる楓以外は蜘蛛対策に蜘蛛の爪を持つことにした。それと遠距離攻撃のために恋花と美咲には弓を装備してもらった。


それから蜘蛛を見つけても矢で遠距離から攻撃し、木に張り付けトドメを刺すことで蜘蛛を退治して進んだ。


長かった森のダンジョンを抜け、40階層主の部屋にたどり着くと、中には体長3mはありそうなダンゴムシが居た。


近づくと丸まり転がって向かってくる。俺たちは運動会の大玉が向かってくる恐怖を味わいながらダンゴムシを切りつけるが、聖剣ですら切れない。マリアも前足で弾くがダメージを与えているか解らない。


マリアが弾きながら壁際に追い込むが、そこから抜け出して俺たちの方に向かってくる。ダンゴムシも距離を取り休むところを見ると、永遠に転がり続けることはできなそうだが、俺たちの体力も持つか分からない。マリアなら体力勝負で勝てるけど、今の俺たちではマリアの邪魔でしかない。考えろ、何か良い方法は無いか。


大玉の継ぎ目が弱点なのは分かるが回転が速すぎて狙えない。何かで止められないか……そうだ!


「歩美、来てくれ」


俺は2台のブルドーザーを出し、歩美と俺でダンゴムシを追い込むことにした。


さすがのダンゴムシもブルドーザーの質量には勝てず、ブルドーザー2台とマリアに追われ逃げ惑うがやっとのことで壁に押し付けた。


それからダンゴムシの継ぎ目に剣を何度も刺し込み、長かった戦闘に勝利した。


この日はさすがに疲れたので、ここで休むことにした。










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