表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

46/146

レベル11ダンジョン②


ダンジョンから無事に帰ってきたので、下水道にスライムを放し掃除してもらうことにした。スライムはエサが豊富だと分裂を繰り返し数が増えるらしいので、増え過ぎて地上に出てきたらダンジョンに行けない者が倒せばレベルも上がり一石二鳥になるだろう。


再度ダンジョンに行くために出発しようとすると、子虎とうり坊たちが連れていけと離れない。子虎は猫じゃらしならぬ虎じゃらしで気を引き、太陽も釣られて子供たちと遊びだした。しかし雪は騙されないぞと言わんばかりに俺から離れない。すると3才になったばかりのエリちゃんが雪を撫でながら


「雪ちゃん、おるしゅばんしよ」


と話し掛けるとエリちゃんにすりより、俺から離れたのでその隙に出発することに。


(あれだけ俺から離れるのを嫌がったのに、何かエリちゃんに負けた気がする)


何事も無くダンジョンに着くと隊員たちから昨日のお礼を言われ、再びダンジョンに入った。


10階層主部屋までたどり着き、準備を整え中に入ると、前回と同じリザードマンたち5頭がいる。今回は新撰組だけで戦いたいということで、俺とマリアは待機です。


しかし、彼女たちはマジで強かった。人型なのもあるかもしれないが、いとも簡単に斬り殺していた。


部屋で一服して下に降りると、11階層は鍾乳洞のような階層で水溜まりがあったりで歩きづらい階層だった。しかもいろいろなモンスターが居る。


リザードマンや熊は問題無いが、美咲はトカゲとカエルを怖がり、楓は大きなフナムシに悲鳴を上げ涙目になっていた。いずれにせよ、悲鳴を上げればモンスターが寄ってくるので、慣れてもらうしかないかな。


鍾乳洞はほぼ一本道なので敵さえ倒せば簡単に進める。20階層主の部屋の中には体長2㍍をこえる鎧を着たカエルがいた。いきなり舌で攻撃してきたので舌を切り落とし反撃しようとしたら、マリアに頭を潰されて死んでいた。美咲以外は戦いたかったようだが、美咲はマリアを誉めまくっていた。


部屋で昼食と休憩を取ることにした。半日で20階層クリアはずいぶん早くなったと感心するが、ここで気を緩めると事故の元なので気を引き締めて階層を降りる。


21階層には豚面のゴリマッチョなオークが居たんだが……、くっころせの前に彼女たちに斬り殺されていた。


彼女たちが言うには見ただけで嫌悪感を覚え本能的に殺さないといけないと思ったらしい。


(やっぱオークは女性を襲うのかな?)


28階層には子供の鬼? のような体長1.3mぐらいで赤黒い角の生えた子供が居た。顔も普通の人間に見え俺たちを観察している。そこへ歩美が不用意に近づいた。マリアが叫び止めるが一歩遅く歩美は腹を殴られ吹き飛ばされ、壁にぶつかる前にマリアが受け止めたが気を失っている。


俺は瞬時にギアを上げ、子鬼を斬り殺した。


「歩美! 大丈夫か!」


シルバが歩美を治療しているがまだ目を覚まさない。恋花が歩美の体を調べると


「脈拍も呼吸も正常だし、マリアが受け止めたから外傷も無いし大丈夫だと思う」


直ぐに歩美は目を覚ましたがマリアに怒られた。


「今の奴はリトルオーガ。不用意に近づくなんて何を考えているの? 死にたいの?」


「ごめんなさい。子供に思えて仲間になるかと思って油断したの。ごめんもうしないから」


シルバが治療してくれたおかげで歩美の体調も大丈夫だと言うので、少し休憩してからまた進むことにした。


(確かに小学生くらいの子供に見えるから油断したな。モンスター情報を自衛隊と共有した方が良いな)


なんとか到達した30階層主の部屋の中には、リトルオーガの大人バージョンが1体。


「不用意に近づかないで。あれはオーガで人間の頭など簡単に潰せるから」


オーガはマリアを睨み俺たちなんか眼中に無い様子。マリアがオーガを引き付けてくれている隙に斬るが、肉は切れるものの骨が硬いのか斬りきれない。俺は不意をつき背後から剣で背中を刺し稲妻を撃ち込むと、オーガは口から煙りを吐きながら倒れた。


誰も怪我はしなかったが、久々の強敵だった。俺たちはこの部屋に泊まることにした。


夕食の準備をしていると、マリアがオークを食べたいとおねだりしてきたので部屋の隅に出してあげた。マリアは美味しそうに食べ、オークの肉は旨い旨いと言っていたが、俺たちはモンスターを食べるのにはやっぱり抵抗がある。猪は食べられたけどさすがに人型はちょっと無理かな。







お読み頂きありがとうございます。

もし良かったら更新の励みに成るのでブックマークと評価をお願い致します。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ