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レベル11ダンジョン①


石川姉弟が来てから鍛冶小屋は常に鉄を叩く音が響いた。


姉弟に斬魔刀の製法などを教え、新たに入手した素材を渡すと自衛隊向けと拠点の仲間向けの刀を作りだした。それらを作りながら更に強力な武器の開発まで始めた。


俺たちはマリアとの約束のダンジョンに向かうため、相談をしていた。


「マリアは前に低レベルのダンジョンなら攻略できると言ったけど、何レベルまで行けるんだ?」


「レベル30までなら問題無く攻略できるわよ」


「ねーマリア、それならこの付近のダンジョンをマリアにお願いしたらどうかしら」


「恋花、私は攻略できてもダンジョンコアの吸収はできないの。ボスを倒してコアに触れれば、逆に私がダンジョンに取り込まれちゃうのよ。魔核を持つ者はその昔ダンジョンから産まれたとされているの。だからか我々はダンジョンコアには逆らえないのよ」


「それでマリアはアポロとアナトをダンジョンで産んだの?」


「それは違うわ。私たちは極寒地域で生活していてね、子供を外で産むと凍死しちゃうから、温度の安定してエサの豊富なダンジョンで産むのよ」


「そうなんだ大変だったね。じゃあマリアも旦那さんと離れて寂しいね」


「旦那は居るけど、群れのボスだし人間みたいな愛など無いわよ。私以外もいっぱい妻は居るから、強い子供を産むためだけよ。だから今更ね。前の群れのことはいいわ。この群れの雅也が同じ種族ならまた子供を産みたいわ」


「え、マリアからかわないでくれよ」


「ところで、貴女たちはいつ雅也の子供を産むの?」


「マ、マリア、馬鹿なことを言うなよ。彼女たちも困っているだろ」


「雅也は残念な人だね」


「何でだよー」


今回は問題無ければ攻略するつもりで、翌朝早くに昭島のダンジョンに向かった。ダンジョンに着くと隊員から現在2個分隊が9階層までモンスター討伐に入っていることを教えてもらい入ることに。


ダンジョンに入ると1階層はスライムがいた。


「雅也、スライムを捕まえて拠点の坂を降りたところの臭いところに放せば、スライムが排泄物を食べてくれるわよ」


「マリア、でもスライムってどうやって捕まえるんだ? 直ぐに死んじゃうし」


「私にはできないけど、飛んできたところを両腕でキャッチして、スライムに殺気を向けてみて。抵抗が無くなれば成功よ」


「じゃあ、シルバみたいに飼える?」


「歩美、それは無理なのよ。ただのスライムは本能的に何でも消化してしまうの。だからエサの豊富な場所以外では家でも食べちゃうよ」


俺たちは帰りに捕まえることにして先に進んだ。スライムは単細胞らしくマリアにも襲い掛かり、鬱陶しそうに前足で倒されていった。


2階層は大トカゲで弱いが毒があるらしい。爬虫類が苦手な美咲の悲鳴がダンジョン内にこだました。殺したトカゲを楓に持たれて追いかけられ、マジでぶち切れて楓の持つトカゲを一刀両断して、逆に楓をビビらせていた。


「もうしません、ごめんね許して」


「楓、虫型のモンスターが出たら覚えておきなさい。ほら足元にゲジゲジが」


「うわぁ〰!!!!」


「嘘よ」


「ごめんなさい、ごめんなさい」


(楓と美咲にも苦手な物があったのか)


美咲も落ち着いてトカゲを倒しながら進み3階層に降りると、今度は1m以上あるカエルが。美咲にはキツいダンジョンかも知れない。


カエルは舌で攻撃してくるので、シールドを渡そうとしたら彼女たちは簡単に攻撃を避けていた。ただ、美咲だけはシールドを受け取った。


しかも、マリアがカエルは美味しいという話に涙を浮かべて拒否していた。


4階層に降りる階段で隊員たちが休憩していた。


「お疲れ様です」


「大曽根さんたち来てくれたんですね」


隊員たちは特に彼女たちを歓迎してくれたので、分隊長は苦笑いしていた。4階層はゴブリンが大量にいるらしく、隊員たちが5階層に降りる階段まで先導してくれることになった。


(彼女たちは見た目美人だしモテるよな。普段より言葉遣いも丁寧だし。何かモヤモヤする)


隊員たちがゴブリンを倒してくれ無事に階段に着き、彼らと別れて階段を降りると、恋花が


「雅也さん、ずっと黙っていたけどもしかして焼きもち妬いてくれたの?」


「そそそんなわけあるわけ無いじゃん」


「えー焼きもち妬いてくれたら嬉しいのに」


(そんなこと言ったら惚れてまうやろー)


折よく前から狼が来たので俺は恥ずかしさのあまり、狼に向かい走り出し狼を切り殺した。


後ろを振り向くと彼女たちはニヤニヤしていて、俺のHPは大きなダメージをくらった。ただマリアだけが何してるんだって顔してる。


俺はモヤモヤしながら進み、9階層で隊員たちがリザードマンたちに2名の隊員が重傷を負わされ苦戦してるのを見て正気に戻り直ぐに参戦。隊員たちの斬鉄刀では苦戦していたようだが、俺たちの剣ではリザードマンも問題無く斬れた。


隊員2名はわき腹に槍で刺され重傷、(ほか)の3名の隊員も負傷している。シルバが直ぐに治療してくれたが、出血が多かったのか顔色が悪い。


アイテムボックスに輸血用の準備はしてあるがここだとキツいな。


「恋花、俺がマリアと階層主を倒してくるから、後から隊員たちを連れてきてくれ。目印は残すし車椅子も渡すから無理をするなよ。行くぞマリア」


俺は彼女たちの安全を考え、マリアに吠えてもらいリザードマンをこちらに集めながら倒し階層主の前に着いた。俺は躊躇なく扉を開け中に入る。


中には先程より大きく良さそうな槍を持つリザードマンが5頭いた。俺とマリアは左右に分かれ全てのリザードマンを倒した。


扉が開くと恋花たちが入ってきたので、直ぐにストレッチャーを2台出し輸血用セットを恋花に渡し任せた。


他の隊員も安心したのかその場で座り込むので、俺は椅子を出してやり話をすることにした。


話を聞くと、2頭のリザードマンと戦闘中に新たに3頭が加わったことで挟まれてしまい、撤退できずに2名が重傷を負ったらしい。自分たちの過信で迷惑を掛けたことを謝罪された。


俺たちはここで1泊して明日回復を見て地上に戻ることにした。


翌日、戦闘はできないがある程度の回復が見えるので、負傷した2名は車椅子で隊員に押してもらい帰ることにした。


無事に隊員たちを地上に連れて帰り、彼らをヘリに乗せてからスライムを3匹捕まえ、拠点に帰ることにした。








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