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誕生会


今日は誕生会が開催されるが、俺たち誕生月の者は皆から会場準備は勿論仕事もしなくていいと言われているので暇をしている。


男たちは母家の囲炉裏を囲み酒を飲んでいる。女性陣と子供たちは俺と一緒にダンジョンの草原でマリアたちと遊んでる。女性たちには母家の温泉に入ってもいいよと言ったが、母家に居ると男共につまみが欲しいとか何かにつけて頼まれるから嫌らしい。


それにしても、子虎のアポロとアナトはよく転ぶけど、子供たちとおいかけっこができるようになった。うり坊の太陽と雪はもう子供たちでは追い付けないくらいだ。俺が座ると雪が抱っこしてもらおうと突進してくるが、かなりの衝撃を受ける。


しかしダンジョンは良いな、一年中気温は変わらないし草原は春の陽気ですごしやすい。冬はここで皆でBBQでもするかな。


拠点でのんびりくらしたいな。俺は大学生の時に両親亡くしてから一人だったけど、今じゃ超大家族だしね。この生活始めなきゃ接点の無かったヤンキーぽい職人の若い衆なんか、見た目と違ってよく働くし、俺を兄と慕ってくれている。サラリーマン時代なら避けてた人種なのにね。最近じゃ若い衆もスケルトンダンジョンでレベル上げして力が付いたと喜んでいたが、まだまだ拠点でやることが多く中々行けないとこぼしていた。


だから、彼らのトレーニングしたいという要望を叶えるために、トレーニングジムからマシーンを拝借してダンジョンの一階にトレーニングスペースを作ったら、皆喜んでくれて筋トレブームが起こったよ。


食堂も大分変わった。最初は家庭用炊飯器でお米を炊いたりしていたが、今じゃ調理器具も給食センターの設備を拝借して、食事も一気に作れるようになった。極めつけは業務用オーブンがあるのに、食堂の隣にパンを焼くために大きな石窯小屋を作ったことかな。職人たちもいろいろ作ってくれてるよ。


子虎もうり坊も子供もお昼寝したので、俺はちょっと男衆のもとへ行くことに。


母家に着くと酔っぱらいと潰れて寝てる人。


「ああー、こんなに飲んで知らないよ……また血の誕生会になっても」


オヤジたちの赤い顔が一気に青くなった。ちなみに血の誕生会とは、酔っぱらったオヤジが奥さんに殴られ鼻血を出しながら正座させられ、こんこんと誕生会のためにした皆の準備が台無しだと説教された事件だ。仲裁に入ったオヤジたちも奥様方に今までの不満をぶちまけられ、オヤジたちのトラウマに。


そんなオヤジたちは潰れた者に水を飲ませ一生懸命介抱している。風呂に入れようとするので、それは止めたよ、血どころじゃなくなるから。


楓の父ちゃんも同じ誕生月で、楓の母ちゃんが怖いから焦ってるけど後2時間で始まるから説教はあるだろうな。


そんなこんなで始まった誕生会。子供たちのプレゼントはアイテムボックスの中から親が選んだおもちゃなどを渡し、大人は手作りの物を渡していた。俺も皆からいろいろ貰い、小さな子供たちからは手紙を貰ってちょっとうるうるしている時に事件は起こった。


彼女たちが俺にプレゼントを渡す時、酔っぱらった楓の父ちゃんが、


「なんだ楓、雅也くんにプレゼントは私って体にリボン付けて渡さないのか、がははははぁー」


「ちょっと待ってね雅也さん」


その言葉に楓の父ちゃんは楓と母ちゃんに外に連れ出され、帰ってきた父ちゃんの顔は痣だらけで酔いも覚めたようです。


新撰組からはプレゼントということで、白熊の革で作った防具とジャケットとパンツを貰いました。


その後は飲めや歌えの大騒ぎで、マリアは中に入れなかったものの、皆からいろいろ食べ物を貰い、特にケーキが気に入ったらしく、嬉しそうに食べていた。


子虎とうり坊も女性たちに可愛がられ大興奮だったよ。


帰って一緒に寝ててもまだ興奮してた太陽は足元で湯タンポ、雪は抱き枕、これで寒くなっても大丈夫。ただ太陽と雪は早起きで困る。朝起きてちゃんと自分たち用のトイレでするんだけど、その後は遊んでくれと俺を起こす。最近じゃまだ日が昇る前に起こされる、勘弁してくれ。





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