物資捜索

今日はWAPC８輪駆動装甲車で、行動範囲が拡がり、今まで行けなかった場所まで資財回収に来ています。

この装甲車の良いところは、モンスターが来ても、装甲が守ってくれるから気にせず走れるし、４０㍉自動てき弾銃でモンスターどころか車も木端微塵です。

乗員も１２名でつめれば後２人は乗れるし、ATだから運転も簡単だ。難点はモニターはあるが視界が狭いのとエアコンが無いことぐらいかな、乗り心地も良いしね。

俺と新撰組の５人で来てるんだけど、彼女たちがモンスターに向けて４０mmグレネードを撃つと街が破壊される。

さすがに不味いと思ったのか、今は小銃に切り替えている。もう新撰組から破壊女に変えようと思ったよ。

一つ目のパン工場に着いた。閉まった門にそのまま突っ込むと工場の中からゴブリンが出てくる、しかしゴブリンはゴキみたいにどこにでも居るな。上部ハッチから、彼女たちは争うように小銃でゴブリン無双してますよ。俺はタバコ吸いながら待機ですよ。

しかしゴブリンはどこかに巣でもあるのか、２０体以上居たよ。

粗方片付けて工場の中へ。「誰か居ませんかー」との声掛けは基本です。人間もモンスターも出てきてくれるから。そして先頭は勿論俺ですよ、何でかって人間の死体があるのを嫌がるからですよ。前に探索した時に彼女たちがモンスターに喰われた死体を見てトラウマになったかららしい。モンスターは虐殺してるのに。

工場の中はぐちゃぐちゃで、ラインの上のパンが食い荒らされてる。奥のシャッターを開けるとお宝発見。大量の小麦粉に砂糖に粉ミルクなどに、巨大なレトルトカレーにチョコまである。欲しかった食用油もあった。マーガリンなどの冷蔵物はダメだ、でもあんこは大丈夫かな。

これだけあれば、先日手を振ってくれた子供たちにも分けられるな。

次はホームセンターに到着。駐車場に入るとゴブリンが居ません。木陰に灰色のパンダ？　熊？が居ます。なんか顔と体つきが愛嬌があって可愛いし、お尻をぷりぷりさせて歩いてる。車で近づくと歯をむき出し「ギャーギャー」カン高い鳴き声で威嚇してくる。デッカいタスマニアデビルみたいで可愛くなくなった。

しかも小銃が効きにくい頑丈な体してるよ。さっきの鳴き声で仲間も呼んで囲まれた。グレネードは建物壊しそうで使えない。とりあえずバックで轢きながら逃げる。少し離れて装甲車の上に登り、対物ライフルで狙撃。これは効いてる。しかしなんだろうあれは。ナビに聞くとモグワイというらしく夜行性で昼間は比較的大人しいらしいが、ぜんぜん大人しくない。

倒して中に入ると、ゴブリンの死体が。あいつらゴブリン食べるのか。食物連鎖が起きているのか、中はそれほど荒らされてないな。食料品や電柱などは無いけど、物資は大量にあるな。紙オムツは必要だ。工具類も大工さんたち喜ぶな。しかしデカイな……アイテムボックスが無きゃ絶対に運べない量でセメントも木材も大量だ。２階に上がるとトイレなどの住宅設備まであるよ。

おっとモグワイが寝てる。結構居るな……寝てるうちに殺そう。剣で刺し殺すと叫びやがった。不味い、向かってくる！　応戦するも硬い爪や牙で斬鉄刀を受け止める。さすがに聖剣は大丈夫だが、援護しながらの戦いはキツイ。ヤバイ！　後ろからも来た。後ろはシルバが援護に入ってくれて助かった。こんななりして動きも速い！　恋花が弓を欲しがるが出す余裕が無い。いてぇー！　爪で足斬られた。

「楓、止めろ」

楓が俺とモンスターの間に割り込んだ、楓が１匹を押さえるともう１匹が、楓に襲い掛かる。

「ふざけんなー」

俺は強引に傷ついた体を動かし、楓を助けるために無理矢理モンスターに飛び掛かる。その時急に時間の流れがスローモーションになった感じがして体も軽くなり、２匹を一瞬で斬り殺した。

後ろの戦闘も終わり、シルバが傷を治してくれた。

「雅也さん、さっきの動きはなに？」

「いや、俺も解らない。無我無中で助けようとしたら」

「動きが見えなかった」

ナビに聞くとスキルの俊足らしい。前に取ったスキルだろう。

《マスターはまだスキルを使いこなせてません。使いこなすには経験が必要です。今の動きは無理やりギアを上げた状態でしたので、無理をすれば体を壊します。経験を積めばもっと自由自在に使えます。多分今回の動きで筋肉痛になりますよ》

彼女たちに説明してから、モンスターが新しい武器の材料になるかもしれないので回収した。

帰りは運転を替わってくれると言うので任せたが、楓の運転は全員で止めた。

今回は大量の物資を確保して帰り、翌日は筋肉痛も無く安心しているとその翌日に筋肉痛がきた。

(やっぱ俺はもうオジサンなんだ)