謝罪の訪問団
あれから無線が鬱陶しいことに、防衛大臣と自衛隊のお偉いさんとが、謝罪のために伺いたいと。
俺たちは別に謝罪は要らないと答えるも、向こうはダンジョンのアドバイスが欲しいのか、引き下がらない。さすがにこちらに来ることは無いが、必要な物資は用意するとまで下手に出だした。
しかし、俺たちが欲しい物は生コンくらいで、自衛隊でも用意はできないし交渉する意味が無い。
せっかく自衛隊と良い関係を結んでいたのに、壊したのは向こうですからね。バリケード作成に忙しいのに。
館長たちも話してみたら、アドバイスだけすればと軟化してきたが、新撰組は俺以上に憤慨している。
俺も最終的に謝罪を受けることにした。ただし武器とスキルについては聞かない。野菜と果物の物資を援助してもらう条件に会うことに。
2日後にWAPC3台とトラック3台でやってきた。さすがにヘリでは来なかった。別に撃墜しないのに。
テレビでよく見た大臣と陸上幕僚長と師団長の3人だけを、母家に招き入れた。招いた時に一悶着あったけど大臣が納めた。
そりゃ、武装集団に要人だけ入れるのは不安だろうけど、こっちだって不安なんだから。
それから俺たちに謝罪してくれて、相手方は今の日本の状態についても話し始めた。隣国の軍部が暴発した結果、日本は離島防衛のために応戦し戦闘があったことや、ロシアが自国内で核を使ったことなどを聞いた。日本国内は未だに混乱していて、関西は駐屯地が崩壊したことにより、完全な無政府状態になっていること。北海道と沖縄はダンジョンはあるものの、封じ込めが上手くいっている。とはいえどちらもモンスターが闊歩しているので、市民は避難生活を余儀無くされてはいるがと話してくれた。
俺はダンジョンのこと、ダンジョンコアのこと、モンスターの死体から骨や牙からの武器のつくり方などを教えた。
大臣にもかかわらず常に低姿勢に驚いたが、凄くまともな人に感じた。
幕僚長が言うには、俺がクリアした猪のダンジョンが北海道と静岡で見つかっているため、できれば無線で良いのでアドバイスが欲しいらしい。であれば無線ならと了承した。
それと自衛官を戦えるように訓練してくれないかという要望があり、俺は断ると館長が私で良ければと答えた。
それからいろいろとこちらの自治を認めてもらい医療支援などを決めた。
大臣がこっそりと武器はどうしたのか、米軍から? って聞いてきたので、おもいやり予算の還付に頂きましたと答えると、アメリカから武器紛失の話を聞いていたらしく驚いていた。
その後、俺たちは交代でWAPCの送迎付きで、スケルトンダンジョンでレベル上げと戦闘訓練をすることに。
館長たちが先に分隊を連れていったが、ダンジョンまでスケルトンが多く山道で狩りだけして帰ってきたようだ。
山でビビった隊員が銃を使い、スケルトンがわらわら集まってきて逃げ帰ってきたらしい。
ダンジョン封鎖のためにダンジョンまでの道はできているがスケルトンが多過ぎるらしい。隊員がヘリからの攻撃を進言したらしいが訓練にならないから却下。
当分は訓練のために駐車場でスケルトン狩りをするらしい。
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