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無事に帰るまでがダンジョンです


ボスを倒した俺たちは、うり坊の太陽と雪を連れて帰ろうとしたものの、好奇心旺盛なこの子たちがチョロチョロして先に進めない。


仕方が無いので、アイテムボックスからリュックを取りだし、2匹を背負った。


しかし、今度はリュックから顔を出す姿が可愛いのか、新撰組が警戒を疎かに。注意したらちゃんとしてくれたが、帰りは気が緩むから不安だ。


何とか20階層主の部屋まで戻ってきた。


今日はここで休むことにした。自分たちの食事は勿論だが、この子たちの食事をどうするか。


アイテムボックスからさつまいもを取りだし、与えようとすると、恋花に止められる。


「まだ歯も生えてないから無理よ。ドラッグストアの商品に、哺乳瓶と粉ミルクあったでしょう。本当は人間用粉ミルクを与えると下痢するかもだけど、今は代用品でも空腹よりは良いからね」


アイテムボックスから一式取りだし恋花に渡すと、テキパキ準備し始め、温度を確認し交替で与え始めた。


(ミルクを与えてる姿を見ると、女性なんだなと感じるが、さっきまで対物ライフルを撃ちまくってたこととのギャップが凄い)


太陽と雪はスッカリ新撰組のアイドルになり、シルバがヤキモチからなのか、俺の膝に乗ってくる。


帰りにこの子のため、ペットショップのある近くのショッピングモールに寄ることにした。


無事ダンジョンを抜け出せたが、後3時間くらいで日が落ちるので、ショッピングモールで1泊するつもりで向かうことにした。


途中、おねだん以上の家具屋さんの方から、怒号が聞こえ、エンジンを切って確認すると、何かが戦っている音がするので、俺たちは確認することに。


見てみると、バリケードで塞がれた店内にゴブリンが侵入しようとし、中の人が阻止していた。ゴブリンが5体で人間が2人、かなり劣勢だ。


俺たちは迷わず、加勢することにして、問題なく斬り殺した。


「大丈夫ですか?」


「ありがとう、助かったよ」


俺たちを中に招き入れてくれ、中に入ると赤ちゃんを抱いた女性と大人3人と小さな男の子がいた。


話を聞くと奥さんの両親とご夫婦とお子さんらしい。聞くところによると、最初は大勢でショッピングモールに立て込もっていたが、立川の自衛隊駐屯地に避難場所があると解り、皆は行ってしまったらしい。彼らは赤ちゃんが居るので残ったが、ショッピングモールでは侵入を防げず、ここに逃げてきたものの、食糧も後少ししか無く死を覚悟していたと。


俺が俺たちの拠点に連れていく提案をすると、喜んで来てくれることに。


アイテムボックスに店の全商品をしまっていると、目を見開いて驚いていたが、慣れてもらうしかない。


それからは食事を振舞い、赤ちゃんとうり坊にはミルクを与え、明日からの予定を話しあった。


翌朝早くに俺と美咲の2人で、ショッピングモールに行き、モール内の全商品と大型家電量販店とレンタルショップの本やDVDをアイテムボックスに収納して、家具屋に戻った。


全員は俺のホイールローダーに乗れないので、両親に俺の方に乗ってもらい、恋花と歩美が護衛のためにご夫婦の車に乗った。


ホイールローダーなら、障害物を退かせながら走れるが、立川に向かった人はどうしたのか聞くと、ショッピングモールの自転車で向かったらしい。


(それって自殺行為じゃん。歩きで様子を見ながらなら解るけど、チャリンコじゃあ逃げられないだろう)


それから俺たちは、何とかお昼過ぎに拠点に着き、集計用に大きな物以外取りだし数えてもらう。ゲームやビデオは子供たちがよろこび、早速始めてたので、持ってきて良かった。


今じゃこの拠点で子供たちに勉強も教える先生もいるし、大人は何かしら仕事をしてる。鶏の飼育も始まったし、住宅も増えてる。


ただ、大工さん達は大変みたい、加工された木材は大量に手に入れたけど、プレカットまではされて無いから、昔ながらのやり方で建ててる。


整地は人間重機の俺が1人で大変な思いしてるのに、他の人にはスキルで何でもできると思われ、この大変さが解ってくれない。


俺も疲れたので寝ようとすると、うり坊の寝床を作ってやったのに、ベッドに上げろと鳴く、仕方なく一緒に寝ると、太陽は太股の間、雪は脇の下に鼻を突っ込み寝てる。


(雪、そこ臭くないよね)









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