剣の道のりは長そうだ
俺は今日、シルバと一緒にダンジョンに来ている。館長たちと話して思ったんだが、彼らもダンジョンに来ることになれば自分のレベルが上がらないし、彼らほど武芸に秀出ていないから少しでもレベルを上げたい。しかしダンジョンに入るとスマホの電波が届きにくいから連絡が来るとダンジョンに来てることがばれる。彼女たちに先日、館長に呼ばれた時に1人でダンジョンに行くと話したら、怒られた。何かあったらどうするのか、無理しないから大丈夫だよって言ってたら、余計に怒られた。まあ来ちゃったものはしょうがない。
今回はシルバにも攻撃参加してもらう。入って直ぐにスケルトンが居たのでシルバに任せるとスケルトンにぴょんぴょん近付き、3m手前からぴょんって跳んでバスケットボール大のボールになり体当たり一発でスケルトンを粉砕する。シルバは嬉しそうに魔核を持って戻ってきたので撫でながら誉めると嬉しそうにプルプル震えた。シルバは可愛いな。
俺達は順調に7階層まで来たがここまで来るときつくなってきた。スケルトンが4体出てくると無傷とは言えなくなる。稲妻を使えば楽だけど、使い過ぎると疲れて動けなくなるからな。
また、4体が出現したので少し走り寄り、引き胴からの3連が上手く入り3体を一瞬で倒せた。シルバが1体倒したのでその場で今の攻撃を何度もトレースした。何かが掴めた気がするがまだ自分のものにはなっていない。スケルトンで試すがまだまだだ。ふと足下を見るとダンジョンの地面は歩くには気にならないが結構凸凹している。道場と違い摺り足はできない。少し足運びを気にしてやってみよう。やはり剣を返す時の重心移動が上手くいかない。何度も繰り返し練習していると9階層まで来てしまった。戻ろうかとも思ったが大剣を持って帰りたいから10階層主を倒したい。でも彼女たちの顔が頭に浮かんだので、やっぱり今日は帰りますか。
シルバと共に帰ることにしたので帰りは楽だった。行きに殲滅してきたおかげですね。
帰ってからも俺は剣を振っていて、気が付けば夜も更けていた。
腹減ったと思ったらこんな時間だ。夕食は面倒なのでアイテムボックスに入れてあるハンバーガーセットにした。アイテムボックスはマジ万能。出来立てのまま保存できるなんて最高。
ハンバーガーを食べながらうちにも道場欲しいなと思ったので、近藤さんのお父さんに聞いてみようかな。
今日は新撰組とダンジョンに行く。朝早くに現地集合にした俺が近くの駐車場に着くと彼女たちは先に来ていたが、近藤さんのお父さんも居る。車を降りて挨拶をすると近藤さんのお父さん抜け駆けらしいです。帰ってから喧嘩しないでくださいね。
近藤さんのお父さんの防具は剣道の防具です。お父さんダンジョンを舐めてますね。
ダンジョン前で準備を始めると近藤さんのお父さん何かワクワクしてるよこの人。戦闘狂の一族ですね、準備が終わると彼女たちが俺をじと目で見てます。
「大曽根さん、一人でダンジョンに来ましたね」
「え、何で」
「プロテクターのキズが増えてます」
(何でプロテクターのキズなんて覚えてるんだ? カマをかけてるだけか? 誤魔化すかそれとも謝るか……あの目は確信してるな、謝ろう)
「ごめんなさい、ダンジョンに来ました」
彼女たちから怒られ、助けてもらうために近藤さんのお父さんを見ると目を逸らされた。
なんとか許してもらいダンジョンの中に。お父さんは今日は見学者なのでライト係です。一応槍は渡してあるけど。
第一スケルトン発見、沖田さんが大剣の確認のために一人で倒した。大剣はスケルトンに対しては鈍器ですね、切れ味が良くない。
後ろを振り返ると近藤さんのお父さん怖がってます。話を聞くとオバケが苦手らしいです。慣れてください。
結局、お父さんも慣れてきて倒したいと言い出し仕方なく一体をシルバの護衛付きで任せたら、シルバにビビってるし、可愛いシルバに失礼だ。
レベルの上がったお父さん、子供のようにはしゃいでるが、娘の一言で我に返る。
(何て言われたんだ、気になる)
今日は沖田無双で進むのが早いな。
もう9階層だ。遠距離攻撃してくるからシールド装備して挑む。
それにしても今日はシルバも攻撃参加してるせいか余裕綽々だ。ここまで誰も攻撃受けてない。よく見ると俺以外プロテクター綺麗なままだ、良かった誤魔化さなくて。
何の問題も無く、10階層主を倒し、今日は帰ることにした。無事に車まで戻ると温泉に入りたいので彼女たちは俺の家に。お父さんは帰ると言うのでシルバを乗せて出ようとすると止められ、やにわに彼女たちはじゃんけんを始めた。どうやら軽自動車より俺の車に乗りたいらしい。土方さんと沖田さんが勝ったらしいが、土方さんの車なのにいいのか。帰りにスーパー寄り夕食の食材を買い家に帰る。温泉に入り夕食を食べまったりしていると彼女たちが「お父さんたちも来るなら紛らわしいから私たちのこと名前で呼んでくれないかな」と言い出した。
「良いですよ」
「じゃ今呼んでみて」
「え、今ですか」
「何か問題ある?」
「無いけどね~」
「土方恋花さん、レンカさん
斉藤歩美さん、アユミさん
近藤美咲さん、ミサキさん
沖田 楓さん、カエデさん」
(スゲー何か恥ずかしい、俺は中学生か)
「私たちも雅也さんって呼ぶね」
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