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異世界③

なかなか投稿できなくてすみません。


昨夜はあまりにも疲れていたのでマリアには悪いがキャンピングカーで休ませてもらった。


ドラゴンコンビはちゃかり人化してベッドで寝ている、このドラゴンたちはすっかり人間の生活に毒されキャンピングカーに入るなり冷蔵庫からビールを取り出しソファーで映画を見だすしまつ、乗せてもらっているので文句は無いが、肉が食べたいと言われた時にはちょっとイラっときた。


それでも俺は皆の食事を作り、シャワーを浴びると疲れのせいか眠気におそわれベッドに入るとテレビの音も気にならず直ぐに眠りに落ちた。


ふと目を覚ますと車が揺れている地震かと思い外を見ると、窓いっぱいにマリアの顔が。


「やっと起きたか、朝だぞ」


まだ日も登らない薄暗い中、なんとマリアが器用にキャンピングカーの屋根に前足をのせこちらを覗いてる。


「マリアおはよう、まだ日も出てないのに早いよ」


「もお十分休んだでしょ、早くいくよ」


「わかったけど二人を起こして、朝ご飯食べてからだよ」


しかし、ドラゴンコンビはなかなか起きない、元々ダンジョンに居た時はほとんど寝て過ごしていたみたいで中々起きない、しかも無理やり起こすとこちらに被害が及ぶので手荒なまねはできない。


しかし、俺は安全な起こし方を知っている、まずベーコンにちょっと砂糖をまぶしカリカリになるまで焼く、そしてトーストを焼くとあら不思議、眠気より食気のドラゴンさんはもそもそと起きてくる、その間にスクランブルエッグを作り、インスタントのコーンスープにお湯を注ぐともう椅子に座り朝食が運ばれてくるのを待っている。


しかもこいつらときたら、おはようの挨拶よりも先に「ベーコンが少ない」とかほざきやがる。


三人でベーコン500gで少ないとか言うな、たしかに焼くと縮むけど普通朝から食べる量じゃない。


そんなばたばたと準備をして、キャンピングカーをアイテムボックスにしまい出発。


前日までの異世界の期待が嘘のように俺はもう飽きていた。


そんな俺を見て人化して一緒に乗っているダリアがマリアに包まれているならスピードを上げようと提案してきた。


安全なら良いよと軽い気持ちで答えたのが失敗だった。マリアに包まれうたた寝気分でいたのにふと、何かの破裂音がしたかと思うと今まで聞こえていた風の音がやみ、マリアの包まれている隙間から外を見ると経験したことのない速度で飛んでる、俺は恐怖を感じマリアにしがみついた。


永遠とも思える時間マリアにしがみつき、時折身体にGを感じながら耐えていた。


もちろん俺は速度を落とすように訴えるがクレアには聞こえないし、マリアは早く着きたいのか無視をする、帰ったら絶対に風防付きのコックピットを作ってやる。


デカいから車を背負っても良さそうだな、ただ固定するベルトと車が音速に耐えられるかが心配だな、帰ってから実験すればいいか。


そんなことを考えているとマリアが大きく鳴いた、オオカミとは違うが遠吠えなのだろう、それと同時にクレアが急旋回した、俺は急激に掛かるGに耐えしだいに風を切る音が復活した。


マリアが遠吠えを発すると遠くから複数の遠吠えが返ってくる、どうやらマリアが居た群れが見つかったようだ。


俺は群れを見ようと覗くと、マリアが急に飛び降りた。


俺も一緒に落ちそうになるが、クレアの背中にへばりつきなんとか落ちずにすんだ。


スノータイガーの群れはドラゴンを警戒しているようで、クレアは上空で待機している。


俺はこっそり群れを見ると10頭近く居るスノータイガーを見つける、あんな大勢でもし襲われたら確実に死ぬ。


話が付いたのかマリアがクレアを呼ぶ、ドラゴンとマリアの共通言語は日本語でなんかとても違和感を感じる。


しかし、マリアに慣れたからといってスノータイガーの群れに入るのはすごく怖い。


俺はクレアの側から離れず観察することしかできなかった。


マリアは何頭かのスノータイガーとどうやら何かを話している、旦那さんは居ないのかな?


話がついたのかマリアが俺たちの方へ帰って来る。


「あの人が居ない、私たちを探すために群れを離れてるみたい」


「どこら辺にいるか解らないのか?」


「分からない」


「探しに行こう、大丈夫だきっと見つかる」


俺たちは二手に分かれ探すことにした、ドラゴンは遠く離れていても話はできないが意思を伝えることと居場所が解るので、見つけしだい連絡を取ることにした。


しかし俺はマリアと言う防寒着が無くなったので、極寒の中探さねばならない、ヘルメットのバイザーが息で凍る世界で俺は探せるのか。








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