レベル5のダンジョン
今日はついに大型免許の試験日だ。しかし、この試験場は本当に車が多くて車が停められない。試験時間ギリギリで何とか停められ試験へ。問題無く試験も終わり合格発表を待たされる。それにしても時間も潰す場所も無いので外でいっぷくするも時間は進まない。やっと結果発表で無事に合格できた。
金曜日の夜、縁側でタバコを吸っていると新撰組が買い物袋と鞄と日本刀を持ってやってきた。ケースに入っているが紛れも無く日本刀だ。荷物持ってて手は振れないが笑顔じゃなきゃカチコミだ。まさか美人4人組が軽自動車に乗って日本刀4本持ってるとはお巡りさんも気が付かないだろうな。
4人を迎え入れると
「ラインで見たけど近くにダンジョンが出現したって本当?」
「出現したよ。東京都唯一の村の山奥に車で行って山道を約40分歩くぐらいの場所にレベル5のダンジョンがね」
「ヤッター」
「でもねレベル5だと25階層まであるし、モンスターもゴブリンかスケルトンらしいよ、大丈夫?」
皆で相談してクリアは無理だけど明日は朝早く出ることに。様子を見て殺れそうなら時間まで挑む。今回の目標はレベル上げをメインすることにして、武器は土方さんは弓で、斉藤さん近藤さん沖田さんは槍とボーガンを使い、いざという時以外は日本刀は使わない。折れたり欠けたりしたら大変だから。
彼女たちが作ってくれた夕食は、生姜焼きに野菜炒めとサラダと味噌汁とほうれん草のお浸しと俺が炊いたご飯で、どれもおいしかった。
交替で温泉に入り、武器と防具の確認。皆お揃いで嬉しそう。値段は言わないけど、防刃防弾装備でシールドも用意したしシルバに護衛してもらえばケガしないだろう。最悪シルバに治してもらえば大丈夫。
明日は5時出発なので寝ます。
翌朝、起きるとまだ皆寝てるので先に歯を磨き、朝の準備をして待つとようやく起きてきた。
しかし、土方さん斉藤さん、Tシャツノーブラは止めてくれ。俺は男なんだから、思わずガン見してしまったところ近藤さんに見られ2人は退場。沖田さんにはラッキースケベと笑われるし、朝から勘弁してください。
車の中でもさっきの話題で開き直った女は強い。別に減るもんじゃないから見せてあげようかとからかわれる。一人だったら襲ってやりたいけど、猛者4人は無理です、返り討ちに遭いますよ。
でも、今度温泉に一緒入ろうと言うので、ダンジョンから帰ったら入りましょうと返したら、もじもじし出した。ちょっとやり返せた。
6時半ダンジョン到着。皆装備を整え中に入ると直ぐにスケルトンが現れた。試しに俺が戦うと手ぶらのスケルトンは弱かった。槍で充分戦える。
最初は全員槍とシールド装備で戦ってたが、シールドが邪魔になり槍で戦った。下に降りる階段を見つけ降りると、今度は棍棒のような物を持ったスケルトンが。これも余裕綽々で俺たちは調子に乗っていた。問題が起きたのは9階層。それまでも複数のスケルトンの出現はあったが、良くてボロボロの剣装備だったのに、現れたスケルトンは剣装備が2で後ろに弓装備、俺たちは槍しか持っていない。気がついた時には斉藤さんに向かい矢が飛んできた。俺は斉藤さんを庇うために手を伸ばし手に刺さったものの斉藤さんにケガは無かった。スケルトンは他の3人が倒してくれたので何とかなったが、斉藤さんが涙を溜めて俺の手を止血しようとしたので、痛いけど矢を抜いてシルバに治療してもらう。斉藤さんに大丈夫だよと手を見せたら抱きつかれわんわん泣き出した。斉藤さんを落ち着かせ一旦階段に戻り、シルバのことを説明した。それから皆で反省会をして、今日は10階の階層主を倒したら帰ることに。皆シールドを渡し、まずは落ち着くためにここでお昼にした。斉藤さんに謝っても言葉では許してくれるのに目を合わせてくれない、あー怒らせちゃったかな。
そこからは安全第一で進み、階層主の部屋の前で注意事項を話し絶対に前に出ないことを納得させ扉を開けた。中には6体のスケルトン剣4、弓1、大剣1、まず俺が聖剣の稲妻で弓を殺し、俺が大剣を受持ち、新撰組で残りの剣を対応してもらった。5人と1匹で戦うとあっと言う間に終わった。やはり1人より楽だな。
それからスケルトンを倒しながら地上に戻った。ダンジョンの中でも気がついたが斉藤さんがチラチラ俺を見てるけど俺が見ると視線を外される。ヤバいな、攻撃を受けるどんくさいところを見せたから嫌われたかな。そうだよな、助けるならカッコ良く矢を掴まなきゃだよな、ちょっと凹むな。
装備をアイテムボックスにしまい、車で家に帰ったが斉藤さんは車でも口数が少なかった。
帰ったら、誰かに相談しよう。
家に到着して、先に温泉を勧めると沖田さんと斉藤さんが入ることになったので、その隙に相談することに。
「あのさー、ちょっと良いかなぁ」
「何々」
「今日、俺がどんくさくてケガしたじゃん? それで斉藤さん怒らせたみたいなんだよ」
「はぁー、本気で言ってるの?」
「だって目も合わせてくれないよ」
「ここまで鈍感とは……いい? 歩美は、あっ斉藤さんね、は怒ってないから、あの子はそういう子なの。怒ってないから気にしない、解った?」
「そうならいいけどさ。5人で行くダンジョンは楽しかったからこれが最後になったら嫌だなーって思ったから」
「大丈夫だよ、来週も行きましょう」
「良かった」
夕食を食べ帰路につく車の中で
「歩美、意識し過ぎ! 普通の男ならバレてるよ。でも雅也さんがあそこまで鈍感とは思わなかった。皆抜け駆けはダメだからね、私たちの計画のためにも」
「皆で頑張ろう」
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