表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソウルキャッチャーズ~私は一般人でいたいのだ~  作者: 熊出
第三十一章 老兵最後の戦い
372/391

第三席と第四席と招かれざる客

「じーちゃんとデートしたんだって?」


 場所は警察寮の私の部屋だ。

 首都八剣、第三神将藤子の言葉に私は飲んでいた牛乳をふきそうになった。


「一緒に散歩しただけですよ」


「ふーん。弁当とかも作らず?」


「作ってないですね」


 大嘘だった。


「あんたも辛い立場だね」


 藤子の言葉に、私は戸惑った。

 第一席の相手は、実の祖父を相手にしているようで悪い気はしない。

 藤子は私の内心を察したらしく、手を前に出して大げさに振った。


「いやいやいや、そういう意味ではないんだ。東京が被害にあっていても、護衛対象の傍にいなければならない。有り余る力を、温存しなければならない」


「まあ、それも仕事ですからね。第一席や藤子さんがいるから解決は疑っていませんよ」


「そう信頼されても困るんだけどね」


「第三神将がなにを言います」


 私はからかい調子で言う。


「まあ、ね」


 藤子は自分の腕を信じている。

 こうあれたら、とたまに私は思う。


 その時のことだった。

 警官が駆け寄ってきた。


「東京の各地で火災! 消防車ではフォローしきれないそうです。それどころか、消防士が襲われているとか」


「じゃあ、行くよ」


 藤子は、緩く微笑んで言った。


「私も、護衛対象の傍に行きます。ご武運を」


「ああ。また、会おう」


 そう言って、藤子は駆けていった。



+++




 第一席は首都八剣の道場の屋根の上に座っていた。

 待つのは敵の首魁。それにしか興味はない。

 些事ならば部下達がなんとかしてくれるだろう。


 ならば自分の仕事は、敵の首魁を倒すこと。

 第一席は、静かに首謀者の登場を待つ。



第四話 完



次回『大混乱』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ