楓組、東京に到着
楓組は警視庁に辿り着いていた。
慎一郎達はぐったりしている。
「なにこれ。ここに来るまで若い人が一杯。祭りでもあったのか?」
受付に楓が声をかけている間、慎一郎はぼやき混じりに言う。
「大学が多いからグループで動いている人々が多いのかも?」
とは右京だ。
「東京は日本の中心地だからね。人が多いのは当然だよ。これでも、ウィルスの関係って名目で立ち入り禁止区域になってる場所がいくつもある」
と、勇気。
「つまり、ここが陥落したらヤバいってことだな」
慎一郎の言葉に空気が引き締まる。
「氷使い私で大丈夫なのかなあ」
小豆は本当に心配しているのかわからないのんびりした調子で言う。
「楓さんも氷使いだろ。二人いれば十分だ」
「私は残念ながら別行動だよ」
戻ってきた楓が言う。
「そうなんですか?」
途端に、慎一郎は不安になる。
「適材適所があるってことさ。あんたらはクリエイターを倒すことだけを考えてくれればいい」
「今回の敵も、クリエイターだと?」
勇気の目が、鋭く細められる。
「多分、ね。青葉の奴、肝心なこと書いてくれないんだから。まるでどうとでも当てはめられる預言書だよ」
ぼやくように言って、楓は歩いていく。
一行は、その後を追った。
辿り着いたのは、ホテルだった。
「一人一室十日間。連絡は常につくようにしておいて」
「了解!」
「テーマパークとかに行って遊んでたら殴るわよ」
「なるべく離れず待機しますよ」
勇気は淡々とした口調で言った。
そう、待機だ。
これから、東京は襲われる。それに備えての待機だ。
第二話 完
次回『天衣無縫はいないのか?』




