あなたは一箇所しか守れない
クリエイターの死体を、私達は誰ともなく集まって見ていた。
一歩間違えれば自分がこうなっていた。
そんな実感がある。
私は炎を手に浮かべ、クリエイターを焼いた。
煙が上空に昇っていく。
そして、頭上を見上げると、予想外の顔ぶれがあった。
上空で、ミカが翠と対峙していた。
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「厄介だ。本当に厄介だ。天衣無縫」
ミカは腕を組み、微笑みすら浮かべながら言う。
「どうも」
翠は淡々とした口調で言う。
そして、光剣を構えた。
「ついでだから、この因縁もここで断ちましょう」
そう言って、翠は突進する。
ミカは翠の背後にワープして、火球を放った。
その時には、翠は既に違う位置にワープしている。
「前にやられた時は、氷の壁が邪魔だった」
ミカは、淡々とした口調で言う。
「けど、今日は氷の壁もない」
翠の光剣と、ミカの光剣がぶつかりあう。
「それに、あなたは一人。一度に一箇所しか守れない。自分の身の不幸を呪いながら侵略される世界を見守りなさい」
そう言って声を上げて笑うと、ミカは消えていった。
翠は黙って、その後を見守っていた。
第九話 完
次回『東京侵攻作戦』




