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ソウルキャッチャーズ~私は一般人でいたいのだ~  作者: 熊出
第二十八章 第三神将は暴れるのがお好き
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忍者二人

 煙が舞い上がる。

 しばらく経って、二人の男性がやってきた。

 平日昼間の公園。

 歩いている人間は彼らを除いて皆無だった。


 彼らは地面に手を当てしばらく立ち止まっていたが、倒れている忍者の下に駆け出した。

 喉に手を当てて呼吸を確認している。

 その顔が安堵に緩んだ時だった。


 火球が、男の一人の頭を狙った。


「やはり罠か。お前は若い、退け」


 中年男性がくないを構えて言う。

 若い男性はしばらく迷っていたが、駆け去っていった。


「ほう。若い芽は逃がすか。若い芽を潰そうという輩にしては愁傷な考えだな」


 そう言って、大輝は姿を現した。

 両腕を組んで、相手を見下ろしている。


「最近、寝不足でね」


「戦闘にコンディションを整えるのもプロの仕事だ」


「いや」


 そう言って、大輝は口元に手を当てる。笑いを堪えるように。


「お前の同僚を拷問するのに時間かけてたんだわ。最後まで泣かなかったのは見ものだったぜ」


「悪鬼が……!」


「人の命を狙った奴の言うことかよ。来いよ。三分で死体にしてやるぜ」


「仲間の撤退時間は稼いでみせる!」


「はたして、どうかね」


 周囲に巨大な五本の腕が現れた。それは敵を包み込むように地面へと角度を変えていった。


「バケモノめ……!」


「同病相憐れもうぜ」


 大輝の腕が、完全に相手を握りつぶした。



+++



 男は、目の前に立ち塞がった青年に戸惑った。

 日本刀を腰に帯びている時代錯誤な青年。

 その顔を見て、即座に今回のターゲットの写真を思い出し、焦った。


 寝込みを襲わなければ、勝てる相手ではない。

 彼は刀を抜くと、唱えた。


「フォルムチェンジ!」


 その瞬間、彼は白いフルフェイスヘルメットとスーツをまとったヒーローのような姿になった。

 男はくないを構える。


 そして、二人は交差した。

 男はみぞおちを柄で突かれて、胃液を吐いてその場に倒れ込んだ。


「……感覚狂ってきたな。藤子さんに比べたら弱すぎる。刺客に選ばれたってことは一線級なんだろうけど」


 後頭部を殴られて、男は意識を失った。



第九話 完



次回『第七席と、第八席と』

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