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不思議な関係
「完全に吐いたぞ」
ある日いきなり大輝がそう言ったので、僕は驚いた。
「早かったな」
「頭の中でありとあらゆる拷問にかけたからな。記憶領域にロックがかかっていて多少手間取った」
「いや、見事なもんだよ。で、黒幕は誰だ?」
僕は、声を潜める。
「首都八剣」
大輝は、疲れたように言う。
「あー。俺入ると一人追い出される形になるもんな」
「それも、二人。第七席と第八席だ」
僕は腕を組んで考え込む。
「どうしたもんだべ」
「派閥を考えれば湖に石を投げるのは躊躇われる。しかしお前の人生だ。好きにやるがいいさ」
「他の二人の場所は?」
大輝は、メモ帳を取り出すとペンを動かし地図を書いていく。
「緊急時の集合場所がここだ。決まった時間に煙をたいて知らせる仕組みらしい」
「……始末しておこう。響の身の安全には変えられない」
「同感だね、ヒーロー。俺は上手い感じにとらえた忍者を転がして煙をたく。やってきた奴らを始末しよう」
「作戦開始だ」
そう言って、二人は拳をぶつけた。
二人を繋ぐのは一人の女性。
変な関係だな、と僕は自分でも思う。
第八話 完
次回『忍者二人』




