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ソウルキャッチャーズ~私は一般人でいたいのだ~  作者: 熊出
第二十七章 古城跡地の真実(第五部最終章)
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雪の降る日

 その日、市は久々に雪を迎えた。

 豪雪と言うには程遠く、雪かきする必要がない程度の量だ。

 助手席には楓、運転席には相馬、後部座席には私。そんな面子で、車で帰路についた。


 その時、物凄い悪寒が私を襲った。

 相馬も異常を感じたらしく、路肩に車を停める。


「感じましたか?」


「ああ」


 相馬は手短に答える。


「古城跡地が危険だ」


「ゲートを開こうとする勢力ね」


 楓は顎に手を当てて考え込む。

 そして、溜め息を吐いた。


「私と相馬は室長に連絡を取って古城跡地手前に向かう。翠はワープで皆をかき集めてきて」


「了解しました!」


 そう言って、私はワープで移動を始めた。

 皆、外出してなければいいのだが。




+++




 石神幽子は古城跡地の中央にある草原にいた。

 周囲には百を超える人数がいる。

 ゲートは、既に開き始めている。

 幽子はこの地から、五芒星を逆転させたのだ。


「この地に過去の面影はすっかりないわね」


 幽子はぼやくように言う。

 定一はからかうように言った。


「過去、とはいつの時代の話で?」


「あなたの生まれる前、とは言っておくわ」


 そう微笑む幽子は、まだ学生のようにも見える。

 妙な人だ、と定一は思う。

 しかし、集団に所属していたほうが定一のようなお尋ね者には得なのだ。


「あなた達にはマシンガンを用意しました! 部隊別に四方に散って敵の侵入を阻みなさい!」


 犬の遠吠えのような返事が公園に響き渡る。

 定一も歩き始めた。腰に二刀を帯びている。


「あなたも行くの?」


「ソウルキャッチャーが来るか、スキルキャンセラーの側近が来るかはわかりませんが。俺は前線主義なので」


「そう。心強く思っておくわ」


 定一は歩き始めた。


(前も化物、後ろも化物だ)


 自虐的にそう考えながら。



第三話 完

次回『全員集結』

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