表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソウルキャッチャーズ~私は一般人でいたいのだ~  作者: 熊出
第二十七章 古城跡地の真実(第五部最終章)
324/391

黒幕達の会話

「色々駆けずり回ったけど、ここらが限界かな」


 そう言った幽子に、木根定一は苦笑顔で答えた。


「ネクロマンサーを殺したのが早計だったのでは?」


「奴は私の体を乗っ取ろうとした」


 幽子は冷たい表情になる。


「危険分子の芽は断たねばならない」


 沈黙が漂った。

 定一は身震いしたいような思いで次の言葉を待った。


「日本刀を新しく発注したそうね。なんで?」


「どこから情報得てんでしょうね。発注しましたよ」


「スキルキャンセラー対策?」


「ま、そんなとこです。俺はあるスキルキャンセラーの家族を皆殺しにして家に火を放ったことがある。一番重要なターゲットがそのスキルキャンセラーだと知らされずに」


 幽子は喉を鳴らして笑う。


「極悪人ね。それは恨まれていても仕方がないわ」


「まあ、あなたの命令なんですけどね」


 間の抜けた沈黙が漂う。


「言ノ葉灯火と組んでいた時にかち合ったことがある。念には念をです」


「この世界で長生きしているわけだわ」


「どうでしょうね。とどめを刺さなかったのは完全な失策ですから」


「……言ノ葉灯火は惜しい人材だったわ」


「これ以上人材が減る前に、という腹はあります?」


 定一は躊躇いがちに聞く。

 幽子は、答えなかった。


「ま、決戦が近いというのは肝に銘じておきますよ」


 そう言って、定一はその場を去っていった。

 残った幽子は、窓から夕焼け空を見上げていた。



第二話 完

次回『雪の降る日』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ