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ソウルキャッチャーズ~私は一般人でいたいのだ~  作者: 熊出
第二十三章 スキル『主人公』
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主人公

「一つ、提案があるのですが」


「なにかしら」


 幽子の言葉に、巴は冷たい目で答える。


「スキルキャンセラーの巴さんですよね。私達が争っても決着はつかない。勝負は、あの二人に任せはしませんか?」


「私がダガーナイフを持ってきたら私達の勝ちだけど?」


「なら、その間に私は仲間の援護に回りますが?」


 幽子は優雅に笑い、巴は不服気な表情になる。

 日本刀のぶつかる音が響き始めた。


「アラタくん、フォルムチェンジを!」


 女性が叫ぶが、アラタは聞いてはいない。

 対等の条件で戦おうとでも言うかのように。


「これが、スキル、主人公です」


 幽子が淡々とした口調で言う。


「主人公?」


 巴も、女性も、怪訝な表情になる。


「主人公補正とでも言いましょうか。チャンスが転がり込んでくる。もちろん、成就させるには本人の努力も才能も実力も必要ですけどね」


「それを彼は持っていると?」


「ええ。アラタくんも、またそうですが……」


 幽子の言葉に、巴と女性は目を見開いた。


「覚えはありませんか? 彼との引力のようなものを感じたことはないか。これは、主人公と主人公の対決なのです」


「同じ炎使いでも、スキルの強弱はある」


 巴は、淡々とした口調で言う。


「アラタとあなたのマイ・ボーイ。どちらの主人公が格上なの?」


 幽子は静かに微笑んだ。


「ほぼ、互角です」



第九話 完

次回『激しい剣戟の中で』

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