表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
269/391

それは慌ただしかった冬休みの終わり

「冬休み、終わるな」


 縁側で一面の雪に覆われた庭を見ながら、アラタは言う。

 その隣りに座った響は、茶をすすり、一つ頷く。


「宿題終わった?」


「あらかた」


「半分ぐらいか」


「俺の性格から進捗を推察すんのやめてくんない」


「けど当たりでしょ?」


「んー。そうさなあ」


 アラタは茶をすする。


「勉強に関しては私はなにも言えないからね。自分で頑張って」


「どーせ俺には剣道での推薦があるから大丈夫だって」


「とか言ってて大きな大会の時に事件だって呼び出されたらどうするの?」


 アラタは黙り込んだ。

 ありありと想像できる未来だったからだ。


「なあ」


「なに?」


「スキル、欲しいか?」


「欲しいね」


「スキル貰っても、危険な戦いにはついてこないって誓えるか?」


「どういう意図の質問なの?」


 響が鋭い視線で問う。


「いやな、義兄さんと話して、自衛のために響にもスキルを渡しておくべきかなって話が出てな」


「うん! ぜひ渡すべきだよ!」


「けど、約束してくれ」


「なにを?」


「俺の、日常の象徴でい続けてくれると」


 響とアラタの唇が重なった。


「冬はスコップ、それ以外の季節は箒。なーんだ?」


「なんだ?」


 アラタは苦笑する。


「私の装備だよ」


 そう言って、響はアラタの腕に自分の腕を絡めた。

 勇気とさつきが帰り、少し寂しくなった家で、二人は穏やかに過ごしていた。



第二十一章 完

今週の更新はここまでです。

次章は『魔法少女に休日はない』予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ