表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソウルキャッチャーズ~私は一般人でいたいのだ~  作者: 熊出
第二十章 物部恵梨香奪還作戦(第四部最終章)
253/391

突入

「それじゃあ思いっきりやっちゃっていいのかな」


 相馬がやる気のない口調で言う。


「ええ。地下への穴を開けて」


 楓が言う。

 巨大な駐車場の端に、突入部隊と捕縛部隊が集まっていた。

 相馬は空を飛び、銃を構える。

 その瞬間、銃の口径が巨大になった。その中心にエネルギーが集まり、巨大な光が地下へと走った。


 私は悪寒を覚え、相馬を抱えてその場から離れた。


 地面から、巨大な光が跳ね返されたように空へと走っていった。


「反射結界?」


 楓が、戸惑うように言う。


「今のは危なかった。ありがとな、ソウルキャッチャー」


「いえいえそれほどでも」


「どうする? 裏口を探すか?」


 言ったのは、特務隊のリーダー格だ。


「大丈夫。私に考えがあります」


 楓はそう言うと、相馬に向かって手を上げた。


「相馬ー。反射されたのは地下何メートルぐらい?」


 相馬は、しばし考え込んだ。


「三百メートルってとこかな」


「なら、余裕ね」


 そう言うと、楓は地面に手を触れた。

 ただでさえ低い周囲の気温が下がっていく。

 そして、穴は氷で埋まった。


「もう一回、撃ってみて」


「一日五発が限度だ。無駄撃ちはできんぞ」


「大丈夫。突破できる。私と私のアーティファクトを信じて」


 相馬はしばらく考え込んでいたが、諦めたように溜息を吐いた。


「嬢ちゃん。また俺を抱えて移動してくれるか?」


「お安い御用です」


 私はそう言って胸を叩く。

 私は相馬の背後に回って、その両腰に手を添えた。

 相馬は銃を構える。

 近い分よくわかる。物凄いエネルギーが銃口に集まっている。


 そして、光は発射された。

 私は慌てて、相馬の体を引いて移動する。


 光は、反射されなかった。


「突入部隊、各自飛行能力者の支援を受けて突入! 一人たりとも逃すな!」


 楓が言って、各々突入を開始した。


「どういうマジックだ?」


 相馬は戸惑うように言う。


「相馬さんが知らないものを私が知ってるわけないですよ」


 そう言って私は苦笑した。


(恵梨香。待ってて……)


 突入は順調に進みつつあった。



第四話 完



次回『役割分担』

本日の更新はここまでとなります。

第二十章は九話構成になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ