金色の目
録画された映像を見て、少女は上機嫌に足を振る。
その超越者は、空を飛んでいた。
繰り出される炎に、壊滅する仲間達。
「わあ、凄いわ。ソウルキャッチャーって皆こんなことができるの?」
足を振っていた少女が、片付けをしている仲間に声をかけた。
「アーティファクトの補助があってでしょう。それにしても、この超越者は頭一つ抜けていますが」
「早く会いたいなあ。修行修行で戦いが久しいよ」
「それだけ大事に思ってるってことですよ。エリー」
エリーと呼ばれた少女は、つまらなさげに髪をはらった。
彼女は、髪は金、目も金、爪も金、と、見える場所はほとんどが金色であった。
装飾も、ティアラ、ネックレス、イヤリング、ブレスレット、などなどほとんどが金色だ。
「金の光で彼女を消す。それが私の役目……」
うっとりするように少女は言う。
「まあ、精々油断しないことです」
「私の勝利を疑っていると?」
「まさか」
お付きの女は大げさに肩を竦める。
「地球がひっくり返っても信じられませんね」
少女は満足げに笑う。
危機は、翠達の知らないところで徐々に膨らみつつあった。
第十八章 完
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