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ソウルキャッチャーズ~私は一般人でいたいのだ~  作者: 熊出
第十七章 叫んだって嘆いたって戻れりゃしないんだ
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山吹楓対島津武豊

 赤い結界の中に入る。


「五感を狂わせる私の結界にどこまでもつかな」


 武豊はそう言って、宙に浮いている。


「無駄だよ」


 私は言った。


「あんたの戦術は無能力者を前提にしたものだ。真に強い範囲能力者にはその力は通じない」


 前回は内部に傷ついているかもしれない仲間がいた。けど今回は事情が違う。

 武豊の表情が歪んだ。


「なら、見せてみろ! その、真に強い範囲能力とやらを」


「ああ、見せてやるよ。あんたの命を代償に……!」


 手の中には、炎がある。

 それを、一気に爆発させた。

 結界が割れる。武豊は燃えながら吹き飛んで、絶壁の中へと飛んでいった。


 そして、また絶壁が埋まる。


「氷のほうはイヤリングがないから今ひとつなのか」


 相馬が歩いてきて言う。


「なんで炎使えるんだ? すげえ炎だったぜ」


 英治が拗ねたように言う。

 私は苦笑して、英治の手を取る。


「あなたの力はもっと強くなる。今みたいなことができるぐらいに。だから、自信を持って。あなたは、強くなる」


 英治は黙り込んでいたが、そのうちひとつ頷いた。

 何故、彼は死ななければならなかったのだろう。

 そんなことを、思った。


 そして、私達は歩き始めた。絶壁だった場所の向こうへ。

 目的地は、そう遠くない気がしていた。




第六話 完



次回『接近』

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