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ソウルキャッチャーズ~私は一般人でいたいのだ~  作者: 熊出
第十五章 偶像症候群/RPGなんて懲り懲りだ
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「今回の悪戯には吃驚しました」


 苦い顔で、私は対策室の楓の席の前に来ていた。


「いい戦闘訓練になっただろ?」


「お使いクエばっかで萎え萎えです」


「そっか。修正案出しとく」


「まだやる気ですか?」


「まあ、ねえ。アラタあたりは免除してもいいんだけど、限られた条件下で戦える人材が少なすぎる。これは修行の一環としてこれからもやっていくつもりだよ」


「……楓さん、ドリームチケット事件で友達増えたでしょ?」


「バレた?」


「バレバレです」


 そう言って、私は溜息を吐く。


「夢って不思議だよね」


 楓は言う。


「思いもがけない展開になる夢もあれば、しっくりとくる夢もある。脳は不可解だ」


「本来は頭の整理をする時間ですよ。夢を奪わないでください」


「大丈夫。あんたらは当面免除だ」


「当面?」


「また、順番が回ってくるかもね。次はポートピア殺人事件なんてどうだろう」


「楽しんでますねえ……」


 そう言って、私は深々と溜息を吐いた。

 振り回されるのは今に始まったことではない。

 けど、今日は口を酸っぱくして言うしかないだろうなと思った。


「私は夢が大好きだ」


 楓は言う。


「絶対にできないシチュエーションも味わえるし、平和な世界も夢見れる」


「平和な世界は、夢ですか」


「ああ。皆が現実を夢にしたくて尻を叩いてくるのさ……そろそろ来る頃かな」


「縁起でもない」


 私は、そう言って苦笑した。

 楓も苦笑する。

 開け放された窓からは、少し肌寒い風が吹いていた。

 季節はそろそろ、秋になろうとしていた。



第十五章 完

今週の更新はここまでです。

次回は勇気の恋愛話か賢者の石を巡る戦いです。

どっちも最終的にはやると思います。

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