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ソウルキャッチャーズ~私は一般人でいたいのだ~  作者: 熊出
第十五章 偶像症候群/RPGなんて懲り懲りだ
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レベル上げが終わらない

「またやってんの、そのネトゲ」


 私こと斎藤翠は呆れたように言う。

 場所は、恭司の家だった。


「後ちょっとでレベルが上がってスキルを取れるんだ。やるしかない」


「私、暇ー」


「この前一緒に行ったレンタルDVDショップのDVD見てるじゃん」


「一緒に見るのが楽しいんだよ」


 そう言って、私は膨れる。

 たまにの休みなのにな。そう思う。


「ネトゲって楽しいの?」


「単純作業」


「ほー」


「同じ敵を同じ作業で延々倒す。その繰り返し」


「飽きそう」


「それが、スキルや装備を揃える要素があって楽しめるんだよなあ」


「ふーん」


「翠もやってみないか?」


「嫌だ」


 画面では、バッドマンが活躍している最中だった。




+++




「なんなのこれ」


 目を覚ますと、私は草原の中で寝ていた。

 起き上がる。


 周囲には、見慣れた仲間がいる。

 恭司、相馬、水月。


「……なにこれ」


 私はぼやくように言う。


「教会で寝たはずなのですが……」


「俺は娘に添い寝してた」


「ネトゲで寝落ちしてた」


 各々、家にいたようだ。


「そこはゲームの世界です」


 天から声が響いた。


「まずはレベルを上げましょう。簡単です。そこらにいるスライムを三百匹狩れば必要レベルに届きます」


「三百匹?」


 私は驚嘆の声を上げた。


「おやおや、驚いてはいけませんよ。次の必要レベルは次のマップの敵五百体狩らなければ必要レベルになりません」


「クソゲー!」


 私は怒鳴った。

 わけのわからないことに巻き込まれているという実感はあった。


「それでは、健闘を祈ります」


「と言われましてもね」


 水月が溜息混じりに言う。


「変なことになったなあ」


 相馬がぼやく。


「これが君が大好きなオンラインゲーム?」


 私は冷たい目で恭司を見る。


「いいや、これはクソゲーだね。間違いない」


 そう言って、恭司は肩を竦めた。



第六話 完

次回『スライム退治』

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