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ソウルキャッチャーズ~私は一般人でいたいのだ~  作者: 熊出
第十一章 ゲートは出現した(第一部最終章)
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対策会議

 逆五芒星は既に完成している。

 私達は、会議室で、石神の対策について話し合っていた。

 本部長がことのあらましを説明し、皆はそれに聞き入っている。


「というわけでだ。古城跡地を中心に逆五芒星は完成してしまっている。県下にもモンスターが現れるようになるかもしれない」


「じゃあ、異世界へのゲートが完成する前に石神を倒す必要があるわけですね」


「そういうことだ」


 刑事の一人の言葉に、本部長は頷く。


「石神のスペックを知りたい」


 特務隊のリーダー格らしき男が聞く。


「斎藤さん。ぶつかってみてどうだい?」


 私は急に本部長に話を振られて、驚いた。


「えっとですね。空を飛ぶし、とても硬質なバリアを持っています。鉄の拳ではとても敵わない。けど、アラタくんの剣がバリアを破ったこともありました。それで、彼の顔には傷が残っています」


「なるほどね。無敵ってわけじゃないらしい」


「それじゃあ、今から部隊を編成しようと思う。生半可な実力だと相手に吸収される恐れがある。少数精鋭で挑む」


 楓が手を上げた。


「一部隊、私に選出させてもらえないでしょうか?」


 本部長は腕を組んで、不敵に微笑む。


「この時に備えて、人材を集めてきたんだろう?」


 楓は、苦笑で応じた。


「いいだろう。一部隊の編成は君に任せる」


「はい。翠、アラタ、恭司、大輝。今考えうる最高のメンツ。部隊名は」


 そこで、楓は言葉を切った。

 そして、自信満々に言う。


「ソウルキャッチャーズ」


「バリアを斬り裂く剣と相手のスキルを奪うソウルキャッチャーの組み合わせか。いいだろう。部隊を招集してくれ」


「了解です」


 そう言って、楓はスマートフォンを操作し始めた。

 本当に最終決戦が始まるのだ。未だに実感がない。

 そして、キーはバリアを破れるアラタだ。なにがあっても彼を守ろうと、私は決意していた。

 バリアを破らぬ限り、私達に未来はないのだ。

 集中力切れまで粘ろうとしても、相手にはワープがあるのだから。



第三話 完


次回『決戦前の僅かな時間で』

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