対策会議
逆五芒星は既に完成している。
私達は、会議室で、石神の対策について話し合っていた。
本部長がことのあらましを説明し、皆はそれに聞き入っている。
「というわけでだ。古城跡地を中心に逆五芒星は完成してしまっている。県下にもモンスターが現れるようになるかもしれない」
「じゃあ、異世界へのゲートが完成する前に石神を倒す必要があるわけですね」
「そういうことだ」
刑事の一人の言葉に、本部長は頷く。
「石神のスペックを知りたい」
特務隊のリーダー格らしき男が聞く。
「斎藤さん。ぶつかってみてどうだい?」
私は急に本部長に話を振られて、驚いた。
「えっとですね。空を飛ぶし、とても硬質なバリアを持っています。鉄の拳ではとても敵わない。けど、アラタくんの剣がバリアを破ったこともありました。それで、彼の顔には傷が残っています」
「なるほどね。無敵ってわけじゃないらしい」
「それじゃあ、今から部隊を編成しようと思う。生半可な実力だと相手に吸収される恐れがある。少数精鋭で挑む」
楓が手を上げた。
「一部隊、私に選出させてもらえないでしょうか?」
本部長は腕を組んで、不敵に微笑む。
「この時に備えて、人材を集めてきたんだろう?」
楓は、苦笑で応じた。
「いいだろう。一部隊の編成は君に任せる」
「はい。翠、アラタ、恭司、大輝。今考えうる最高のメンツ。部隊名は」
そこで、楓は言葉を切った。
そして、自信満々に言う。
「ソウルキャッチャーズ」
「バリアを斬り裂く剣と相手のスキルを奪うソウルキャッチャーの組み合わせか。いいだろう。部隊を招集してくれ」
「了解です」
そう言って、楓はスマートフォンを操作し始めた。
本当に最終決戦が始まるのだ。未だに実感がない。
そして、キーはバリアを破れるアラタだ。なにがあっても彼を守ろうと、私は決意していた。
バリアを破らぬ限り、私達に未来はないのだ。
集中力切れまで粘ろうとしても、相手にはワープがあるのだから。
第三話 完
次回『決戦前の僅かな時間で』




