表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【アニメ2期決定!】悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。〜ラスボスチートと王女の権威で救える人は救いたい〜  作者: 天壱
来襲侍女と襲来

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2259/2275

Ⅲ235.騎士達は並び、


「報告が遅くなり申し訳ありませんでした騎士団長」


いえ、ご無事で何よりです、と。

王族の宿に戻ってきたステイルが、母親への報告を終え自ら騎士団の元へも無事の報告と挨拶に訪れた時には、プライドを迎えに行く時間まで一時間を切っていた。

瞬間移動で宿に戻った時点でその報告は当然騎士を通じて騎士団長であるロデリックの元へも届いていたが、直接会うのは今がやっとだった。プライドの近衛騎士達と共に最初に母親への報告へ向かった際に、途中で抜けたのはヴァルだけだ。ただでさえ警戒態勢で騎士に囲まれた宿の中で王族に会いたいわけがない。


ステイルの許可を得て衛兵へ一足先に客間へ案内されたヴァルと別行動を取り、ローザへの報告に向かえば当然一言二言で終わる状況でもなかった。

城にいるアルバートからの報告でプライドが瞬間移動されたことは既に耳に入っていたローザだが、それだけ緊急を要した事態なのかそれともプライドの体調の方なのかとそれだけで気は気でなかった。ステイルの口からプライドの安全確保と本人が混乱気味だったと説明すれば、次は今回の経緯説明だ。

カード一枚で本来済むわけがない。通信兵を介したアルバート本人も、ローザから「プライドは無事なのですか」「様子は?」と尋ねられ、曖昧に答えたから余計にだった。

プライドの話を聞く前だったが、父親としてアルバートも既に彼女が冷静ではないことは感じ取っていた。しかも隠し事もあるだろうと推測すれば、安易に「大丈夫」と妻に嘘も言えない。

プライドに怪我はない、今はティアラと一緒にいると聞けば安心こそできたローザとヴェストも、ステイルが帰ったと聞けば聞きたいことは無数にある。


プライド本人の分も状況説明を担ったステイルがやっと退室を許されたのは、時計が一周回った後だった。その後、女王付き近衛騎士であるローランド一人がローザの元に報告の為残された。


そして今、今度は騎士団長に報告へと自らステイルはその足を運んだ。

プライドからアルバートへ、アルバートからローザとヴェスト、ヴェストから騎士団へと衛兵を介して情報共有は行われている。今後のことを考えても母親を通じての報告よりも、自分の口で報告と共に騎士団長へ理解を求める方が間違いない。


「状況は理解致しました。……ところで、ステイル様。プライド様は、このまま城におられるということで……?」

「いえ、もう暫くしたら僕が迎えに行きます。母上にも許可は頂いております」

話を聞き終えてすぐに投げ掛けられたロデリックからの問いも、ステイルは予想通りだった。

にこやかに笑いつつも断言した口調に、ロデリックも一度口を噤む。女王も許可しているということであれば、騎士団長である自分からも異論はない。しかし、このような状況でよく呼び戻すことに許可を与えたなと心の底で思う。

プライドの性格上、そしてプライドが望む以上ステイルがそれに従うことはわかる。しかし、自分を誘拐した一味と遭遇して尚、プライドは明日にもまた同じ街を歩き回りたいと考えているとステイルの話からは読み取れた。今も温度感知の特殊能力者も含めた大勢の騎士が調査に出ているが、ティペットの情報は何も得られていない。本来ならば即刻全体で帰還と判断が降りても良い状況だ。


数秒の沈黙で返したロデリックの考えているだろうことはステイルだけでなく、背後に控えた騎士達にも充分に理解できた。実際、女王と摂政もプライドをそのまま城に待機させておくべきではないかと論じていたのもステイルの背後で目にしている。

眉間の皺を深くするロデリックに、ステイルは軽く首を振る。肩を竦めつつ、母親と叔父に向けて告げた言葉と同じ言葉を騎士団長へも放った。


「姉君がどうするかを決めるのは補佐である僕ではありません。どちらにせよ姉君が直接話し合い判断すべきことだと僕は考えています」

あくまでプライドをフリージアへ瞬間移動させたのは、ティアラに預ける為だ。もう自分が、プライドの行動を決めたり判断したくはない。

たとえこの後にプライドがどういう選択を望もうとも、そして最上層部とどういう結論に辿り付こうともそれを自分の所為で左右するわけにはいかない。


今後の方針が確実に決まるのは、今ではない。

しかも、ローザの話ではプライドから聞けた内容は本当に最低限だった。それよりも一度落ち着かせることを優先したとアルバートから聞いたローザの話に、それが父親の判断か、ジルベールか、ティアラかどれにしろステイル達は正直に安堵した。王族の宿に瞬間移動する前、彼らが一番必要だと判断したものと変わらない。


なるほど、と。ロデリックもこれには肯定とは言わずとも納得はする。

安全を確保の為に、騎士としては標的となりやすい王女の撤退は望みたい。しかし、プライドが瞬間移動された経緯もステイルから聞けば本人の意思での撤退ですらない。このまま強制的に退場をさせても、何よりプライド自身が一生納得しない。

ならば帰ってきた後に自分からも苦言を呈するべきかと、半ば本気でロデリックは考える。王族に対して出過ぎた真似だとは思うが、このまま本当にステイルが言う通り自らティペット捜索の〝餌〟になるような真似を容認できるわけがない。

願わくば、自分が言う前に女王や摂政が押しとどめるかプライド本人が思いとどまって欲しい。予知した民を救出することも大事だが、一先ず大元のオリウィエルという女性の暴走は食い止められたと報告も受けた。今この緊急事態で避難をしようともプライドを責める者はどこにもいない。

むしろ、たった一週間で言えば奇跡的な成果だ。その上、ティペットの全貌についても少し情報を得ることができたのだから。彼女が奴隷被害者である可能性も出てきた以上、その衛兵に突き出されたノアについても騎士を派遣して改めて調査と聞き込みをしても良いと考える。なにもプライドがする必要はない。


「もし姉君が明日からまた外に出る場合、温度感知の騎士を一名お借り頂ければと思います」

「いえ、是非このまま引き続きお連れ下さい。温度感知の騎士は常に王族の傍に置くように、ヴェスト摂政殿下からも指示頂いております。……外出の際は、護衛騎士の増員も視野に入れて頂ければ幸いです」

外に出るだけと言わずこのまま屋内でも傍に置くようにと、既に指示を受けていたロデリックからの言葉にこれにはステイルも苦笑した。


そうですか、と振り返り、サーカスからずっと自分達の傍に控えている騎士に笑いかける。

まだプライドはいないが、自分の護衛をこのままと頼めば一声ですぐに返された。宿に入れば既に温度感知の騎士が宿の外にも内にも見張りについているが、こうして王族の傍にもつくように派遣されているのを見ると想定していた以上に温度感知の騎士を複数連れてきてくれていたのだなと思う。

流石騎士団長、とステイルはこの状況も想定していたロデリックへ改めて畏敬を覚えた。


「では僕はこれで。近衛騎士の皆さんは報告の為、何名か残っても構いませんよ」


自分が、と。敢えて軽い調子で尋ねたステイルにハリソンも含めた近衛騎士全員が殆ど同時に手を上げた。

宿に戻ってきてすぐ、騎士団に報告するつもりだった近衛騎士達だが、

流石に全員から同じ報告は要らないと、それは王族の就寝時間で構わないと告げるロデリックにアランとカラムは同時に違いで目配せをした。ハリソンがロデリックに報告をしたいことはどうしようもないが、自分達二人は考えていることも同じだと知っている。この後、プライドが戻ってくる時の状況を報告することも考えても、この場に残るのは自分達のどちらかの方が良い。

アランとカラム、アーサーとエリックは互いに二秒、目で会話した後にカラムとそしてエリックの方が静かに手を下ろした。アランとアーサー、そして手を下げる気などさらさらないハリソン、一時的にロデリックへの報告で離れることにする。

ステイルの口からはプライドが一度ノアに誘拐されたことまでは女王への報告と同じく誤魔化さないまでも上手く省略したが、騎士としては言わないわけにいかない。ハリソン一人で報告させれば歯に衣着せない事実だけを告げ余計に混乱と騒動を招く恐れもあると考えれば、当事者以外にもここはもう一人騎士の報告も必要だ。何より、アランとカラムはロデリックに任されていることもある。今の現状は騎士団長からも意思を確認する必要が充分あると隊長二人は考える。


「純粋培養すぎる聖女の逆行~闇堕ちしかけたけど死んだ仲間に会えて幸せなので今度は尊い彼らを最善最優先で…って思ったのになんで追いかけてくるんですか?!~ 」

https://book1.adouzi.eu.org/n1915kp/

こちらは引き続き毎日20時更新連載中です。

略称は「ぴゅあ堕ち」になります。

是非、楽しんでいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ