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【アニメ2期決定!】悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。〜ラスボスチートと王女の権威で救える人は救いたい〜  作者: 天壱
来襲侍女と襲来

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そして目を合わす。


「…………さまっ……お姉様っ!……大丈夫ですか?起きて、目を覚ましてくださいっ……!」


…………ティアラ?


ゆさゆさと身体を揺さぶられながら、ティアラの慌てたような声が降ってくる。……あれ、私……さっきまで……。

薄く目を開けたのに、頭がぼんやりして上手く考えられない。もう少し眠らないといけないような、……眠りたくないような。肺が無性に苦しくて、吐く息が妙に冷たい。

よく目が見えないと思えば、そっと布のようなものが当てられた。途中から湿った感触に、涙か汗かしらと思う。何度も何度も私の髪をなで下ろしてくれる感触に、また目を閉じてしまいたくなった。

柔らかで甘い香りが懐かしいような気がして、陽だまりのような暖かさに解けてしまいたくなる。


「お姉様っ!!大丈夫ですかっ……怖い夢でもみましたか?」

「ぁ……。……ごめんなさい……大丈夫よ」

今にも泣きそうなティアラの声に、やっと頭が覚めた。

なんとか笑ってみせるけど、顔の筋肉に上手く力が入らず変な顔になってしまう。視線の向きを変えれば、本当に泣いてもおかしくないくらい眉を垂らしたティアラが私を見つめていた。……どうして、ティアラがここに……?

目元を繰り返しハンカチで拭ってくれるティアラの優しさが身にしみながら、そういえば今城に戻ってきていたんだと遅れて思い出す。…………どれくらい時間が経ったのだろう。


「ステイルは?もう来てる?」

「まだですっ。眠られてからまだ三十分くらいしか経っていませんから」

体感ではものすごい時間が経過した感覚だったのに、身体が重いだけで意外な短時間にちょっとびっくりする。よほど熟睡してしまったのかしらとも思うけれど、……涙が出ていたということは眠りは浅かったということだろうか。

夢、を見たのかはわからない。なんだか胸の重苦しさだけが残っているだけで、中身は思い出せない。思い返そうとしても、それが今日あった出来事なのか悪夢なのかの自信がない。いっそ悪夢だったら良かったと思うことも今日は多かったもの。


もう大丈夫、とまだ目元にハンカチをトントンと当ててくれるティアラに少し顔がほころぶ。

本当にティアラの優しさだけでもこんなに癒やされる。ぐったりと寝転がったまま、もうちょっと寝ていようかしらと思ってしまう。でも、また魘されてもティアラに心配をかけちゃうかしら。

ごろりと少し仰向けに近い体勢に転がり見上げれば、高い位置にいる妹の顔に今度は苦笑してしまう。

「寝ちゃってごめんなさいね。重くなかった?」

「!いいえっ!全然です!」


妹にお膝を借りてしまっている身としては。


足が痺れたりしていないだろうかと確認する私に、ティアラは満面の笑顔を向けてくれた。

父上の応接室を借りてから、侍女達がお茶の準備をするまでの間に少しでも楽な姿勢をと膝枕を提案してくれたのはティアラの方だった。以前から私が落ち込んでいる時は膝を貸してくれるティアラだけど、今回は「さぁお膝空いてますよっ!」と部屋に入ってすぐソファーでご招待されてしまった。


ポンポンと両手で自分の膝を示す可愛い妹に逆らえるわけがない。

侍女にお茶を淹れてもらうのだしと普通に掛けて待っていようかとも思ったけれど、気合いいっぱいの妹に折れた。待っている間だけでも横になっていようかしらとお言葉に甘え、…………多分ものすごい速攻で眠ってしまった。

昨夜はちゃんと宿のベッドで眠れた筈だし、先生に眠り薬を盛られた所為で二回も寝たのにまた寝てしまった。そう思うと三十分は適当かもしれない。

ティアラに髪を繰り返しなで下ろされ始めたのは少し覚えているけれど、本当にすぐ寝てしまったのだなと思う。


段々目も覚めてきて、ゆっくりと身体を起こす。

三十分も経った後の今、テーブルにお菓子もお茶も置かれていたけれど間違いなく紅茶は冷めているだろう。膝を貸してくれたティアラへお礼代わりに頭を撫でながら、近くにいた侍女に紅茶の入れ直しをお願いする。


「ティアラ、お腹は空いていない?私が膝にいたら何も食べられなかったでしょう?」

「お姉様っ、ほんの三十分ですよ!お姉様こそあんなにすぐ寝ちゃうなんて疲れておられた証拠ですっ」

ぷくっと両頬を膨らますティアラは怒っても相変わらず愛らしい。

そうね、と言いながら笑ってしまう。口元に手を当てながらフフッと声を漏らしてしまえば、ティアラも釣られたように笑ってくれた。

大きいソファーに二人でくっついて座りながら、そこで自然と深呼吸できた。変な夢は見たかもしれないけれど、でも大分頭がすっきりしたような気はする。

テーブルの輝くお菓子に視点を置くと「お姉様っ」とひょっこりティアラが私の前に顔を覗かせた。金色の丸い瞳に、写された私の目もまん丸になったのが見えた。


「……お茶を待っている間に、お話し聞かせて頂いても宜しいですか?さっき父上にお話ししていたティペット……についてです」

「え、ええ……。そう、よね。ティアラも気になるわよね」

早速向けられた本題にどっきりと肩が揺れた。けれど真剣な声で尋ねてくれるティアラに、寧ろずっと聞くのを我慢してくれていたのだろうと思う。


最初に湯浴みに連れていかれた時も「とにかく温まってください!」「だめですまずは湯浴みです!!」「報告なら兄様からも聞けます!」とぐいぐい手を引かれてしまった。

湯浴みを終えるまでもずっと廊下で待ってくれていたティアラの方が本当は私より疲れていたんじゃないかと思う。それでも膝枕を貸してくれたのも、やっぱり私が休むことを優先させてくれたからだろう。

つまりはそれだけ私の顔色が悪かったということになれば、なんとも不甲斐ない気持ちにもなるけれども。


ずっと待ってくれていたティアラに、身体の軸を向ける。部屋に控えていた侍女達に人払いを伝え、お茶が準備できたらノックをお願いする。

速やかに部屋から退室する侍女達に続き、護衛で控えていた騎士達も動いてくれた。扉前に控えてくれていた近衛兵のジャックも私に一礼してから部屋を出て行った。

音もなく閉じられた扉に一瞬胸騒ぎがしたけれど、温度感知の特殊能力者が扉の向こうでちゃんと見ていてくれている。ジャックも、きっと何かあったらすぐ飛び込んできてくれると思えば安心感がある。

ふぅ、と息を吐き出してからティアラと目を合わす。きゅっと唇を結んだまま私を見つめ返してくれるティアラは、それ以上急かそうとしない。


「……話すわ」


私と同じウェーブがかった髪を撫で下ろしながら、笑んでみせる。

父上のお陰かしら。それともティアラが休ませてくれたおかげか。帰ってきた直後よりはきちんと、話せると思えた。


本日2話更新分、次の更新は金曜日です。

よろしくお願いします。


「純粋培養すぎる聖女の逆行~闇堕ちしかけたけど死んだ仲間に会えて幸せなので今度は尊い彼らを最善最優先で…って思ったのになんで追いかけてくるんですか?!~ 」

https://book1.adouzi.eu.org/n1915kp/

こちらは引き続き毎日20時更新連載中です。

略称は「ぴゅあ堕ち」になります。

是非、楽しんでいただけると嬉しいです。

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