〈書籍11巻本日発売‼︎・感謝話〉騎士の夢見で。
この度、ラス為書籍11巻が発売致しました。
感謝を込めて、書き下ろさせて頂きます。
時間軸は第二部あたりです。
…………何処だ、ここ。
目の前も周りも真っ白で、気付けばそこに立っていた。……つーか、なんかここ見覚えもあるような……。
いつの間にいたンだと、ぼんやり思う。確か、演習所で射撃の自主演習やってて……、……そっからが思い出せねぇ。
なんで俺は……、いま何時だ?早朝演習に遅刻する。確か今日も休みじゃねぇ筈なのに。
訳わからねぇ状況なのに、妙に頭が冷静なのが気持ちわりぃ。後ろ首を擦りながら周囲をぐるりと見回す。どこ見てもありえねぇくらい真っ白で、自分の身体が確認できてなけりゃあ変な特殊能力かけられてるか、白煙の中かと考える。
こんな場所あり得ねぇのに、初めてじゃねぇ感覚があんのがわかんねぇ。特殊能力者になんかされてンのかとも思うけど、最後にいたのは騎士団だった筈なのになンで
「なにしてるの」
呼びかけられた声に、振り返る。
さっきまで見回しても何もなかった筈なのに、気付いたら背後に子どもが立っていた。小さいから見逃したのか、派手な髪色なのに全然視界に引っかからなかった。こんなところにいてなんでか慌てる気がしねぇのもあるし、やっぱ頭がちゃんと働いてねぇなと思う。今もぼんやり頭が曇ってる。
なんかの罠かとも思ったけど、じっと顎ごと上げて俺を見上げてる子どもは別段何もしてこねぇ。ただ、つり上がった目を睨むようにさらに釣り上げてくるから、怒らさねぇうちにと俺も腰を落とした。……なにしてるって、全然なんもしてねぇンだけど。
ケメトよりも小せぇ子どもだ。ノーマンさんの妹のライラよりも小せぇんだろうけど、なんか顔付きとか目つきとか上等な衣服のせいかライラより大人びて見える。
「えっと……、道に迷って……る?多分。そっちはここでなにしてンだ?」
「無礼者」
パシン、と。……急に振り落とされた手を、受け止める。驚くぐれぇ迷わず俺の顔に向けて手を開いてた。
一瞬睨んだ目がキツくなったと思った瞬間にすぐだった。怒らせたっつーか、多分これやり慣れてンなと思う。完全に手癖になっちまってる。
セフェクも結構手は早いけど、あの子以上だ。恰好は結構ちゃんとしてンのに、やってることは裏稼業とか下級層のガキに近い。
手を掴まれた瞬間、ガキの方が驚いたように目を見開いた。反射的に振りほどこうとするけど取り合えずそのまま掴み抑える。
「なにすんだ?」って聞いて見れば、ギロリとさっき以上の目で睨まれた。やっぱ、裏稼業のガキ検挙した時と一緒だ。
城下とか他でも、盗みするガキとか捕まえる時はある。最近は城下じゃめっきり減ったけど、軽犯罪する子どもは珍しくもなかった。手慣れてる奴ほど目つきも悪くなって、手ぇ叩くくらいはもう覚悟もなく癖で出る。
「ッ放しなさい!!この無礼者!!!」
「いやアンタがなにしてンだ。いきなり殴ってくる方が無礼だろ」
ただの子どもだと思ったら、結構面倒な方のガキだったと改めて理解する。
むしろコイツ、さっきまでよく俺の背後で大人しくしてたな。この気性だと背後に立っている時点で俺を蹴っ飛ばしてきてもおかしくない。
俺に掴まれた手を何度も引っ張り返そうとして、自分の身体だけがバタバタ暴れている。
これが本当に盗みとかの現行犯だったら衛兵かもしくは説教かだ。けど、今のところ俺に殴りかかってきただけだし、先ず衛兵の詰所どころかここがどこかもわからねぇ。
騎士への暴力とか罵倒とかも一応不敬罪になるけど、ガキのやったことだ。まずはコイツが逃げねぇでいるように手は放せねぇけど、だからって気絶させるほどでもねぇ。
俺の言葉に「ハァ?!」と声を荒げるガキは、さっきまで手を引っ張り返そうとした左手でも顔に殴りかかってきた。
同じように掴み、両手で封じれば今度は蹴りまで出してくる。普通に避けるけど、思ったより手癖も足癖もわりぃ。下級層育ちらしいセフェクよりも相当だ。足が届かねぇように掴んだ手を突っぱねて距離を取る。
それでもジタバタと暴れて「無礼者!!」「こんなことして無事で済むと思わないでよ!」と叫ぶガキは、もしかしたらこんな手癖なのに結構富裕層の方のガキなのかなと思う。衣装の高い安いはわかんねぇけど、少なくとも庶民が絶対着れるような服じゃない。
「アンタがどこの誰か知らねぇけど、腹ァ立ったなら口で言え。手ぇ出しても、何が悪かったかなんて大人でもそれだけじゃわかんねぇぞ」
「ッ第一王女であるこの私に!気安い口を叩くアンタが悪いのよ!!」
……気付けば、俺の方が飛び退いてた。
手を離したままに飛び退き距離を置いちまう。視界だけがそのままガキに、子どもにっ……この人に釘刺さったままだ。心臓がうるせぇなんだこれ?!
バクンバクンと心臓が内側から身体を叩く。溜まらず胸を鷲掴むように抑えながら、ぽかんとしたその人を凝視する視界が白黒に光る。やべぇ、意味がわからねぇ。…………なんで。
なんで今まで気付かなかった??
深紅の髪も、紫色の目もあの人と全く同じの相手に何の疑問も浮かばなかった。つーか高そうなドレス着てンなら貴族か王族なんだから話し方整えねぇと駄目だろなにやってンだ俺?!
完全に近所のガキ見つけたくらいの感覚だった。相手が子どもってことしか考えられていなかった。こんなにも、こんなにもあの人なのに。
俺に手を離されて、きょとんと目を丸くするあの人は、自分の手と俺とを見比べた。
目で追えてなかったのか、何度が交互に視線を往復してから思い出したように俺に掴まれた手をパタパタと叩き払う。やべぇ結構しっかり握っちまった痕とかついてねぇか??痣とかになってたらマジで死ぬ!!
急に現行犯のガキくらいの感覚だった相手が、自分の中で一転してどう話せば良いかもわからなくなる。謝れば良いのか、いやでもおかしい理由で殴ろうとしてきたのは事実だし、ッバカ!つーか王女だぞ相手!!!!!
「あ゛……っその、……すっ、申し訳ありません……でした……?プ……プライド、第一王」
「アンタ死刑」
ガツン、と頭をぶん殴られたような衝撃が走った。
言われた言葉もすげぇ嫌なこと思い出してグラついたけど、それよりすげぇ侮蔑の目で睨まれた。嘘も取り繕いもない心から嫌いだという目だ。
子どもでもつり上がった眼差しが、すげぇ言葉よりもはっきり「嫌い」だと言っている。
あの時のプライド様の目とか言い方よりは全然良いけど、それでもプライド様に言われたと思うとやっぱすげぇ内臓まで刺されたみたいに痛ぇ。
いやでも、今回はあの時よりはちゃんとした理由だ。どういう理由でも王族に舐めた話し方して、腕掴んで拘束したんだからマジで処罰だ。死刑はやり過ぎでも処罰はマジでされる。けどここで罰ってどっちだ?何年前だ?それとも今か??
駄目だまだ完全に頭がバカになってる。
とにかくプライド様にやっちまったことは間違いねぇから、もう一度きちんと謝った。頭を下げた途端に「それで謝っているつもり?!」って怒られたから、ちゃんと片膝をついて謝った。それでも当然許してくれねぇで「死刑」「許さない」連繰り返される。…………ほんっっとこの人、昔はそういうこと言ったんだな。
ステイルとか父上にも聞いてたけど、実際に聞くとすげぇ口が悪い。
たとえ貴族でも、いや王族でも本当ならこの年の子なら騎士相手にはそれなりにきちんと振る舞う子の方が多い。王族の方が立場が上でも、騎士に対して貴族も他国の王族もある程度敬意あるように振る舞う。横柄に振る舞う子どもなんてほんの一握りだ。
しかも、こんな「死刑」とか簡単に言っちまう上に手まで出るなら、当時の父上やクラークにもそりゃあ性格バレると思う。手が出るのもすげぇ早かったし、社交界に出ても絶対隠しきれるとは思わない。
父上は人を見る目も厳しいし、クラークは勘も良いから絶対バレる。
「死刑。絶対死刑。絶対絶対死刑にしてやるんだから。殺されかけたって言ってやる。こんなところにいるのも全部アンタのせいって母上にも言ってやる」
「処分は受けます、けど……。…………あんまそういうこと、軽はずみに言わない方が良いです。王族の発言じゃ冗談で済まされません」
「冗談じゃないから良いの!私はこの国の第一王女なんだから!」
嗚呼、やっぱ子どもだなと。返された言葉に、少しだけ頭が冷めた。
フンと鼻息荒く大声で宣言して、怒った顔をしながら勝ち誇った感情が滲み出ている。さっきまで放してって言ってたのに、今は自分から俺に近付いてきた。……正直、危害一回でも加えてきた奴にはどんな下手に出られても近付かねぇでくださいと言いてぇんだけど。
プライド様じゃねぇみたいだけど、たとえプライド様でも王女でも子どもなんだということはわかる。
まだ、言葉の重さを何も知ってねぇ子どもだ。
片膝をついてもやっぱまだ俺より小さい子どもは、それでも背筋をぐんと伸ばして俺を見下ろそうとしてくる。床に付いた俺の膝にプライド様の小さな靴先がぶつかるほど近付いてきたところで、紫色の目が大きく俺を映した。
まだ怒ってんのか、睨んでいるだけだと思えば急にその目の奥に怒っている以上のドロついたもんが透けて見えた。
顔も怒ってるのに、それでも取り繕っているように見える表情に一瞬ピリッと肩が震えた。今のこの人に何をされても怖くねぇ筈なのに、距離を取りたくなった。片膝をついたまま、手が意識しねぇと剣に触れそうになるぐらい、子どもなのに信じられねぇ目で俺を凝視する。
また小さい手が俺の顔まで浮いて、……うわっ、ってわかる。小さい指が俺の目に入らねぇようにだけ、瞼に力を込めた次の瞬間
「その顔、嫌い」
カリッ、と。……ペン先みたいな痛みが頬に走った。
叩かれるかと思って身構えたら、違ったんだと痛みの種類で理解する。目を開ければ、プライド様の小さな爪が俺の頬を引っ掻けたままだ。
てっきり殴られるくらいなら俺も王女相手に掴んじまったし失礼なことも言ったからと受けたけど、まさか今度は引っかかれるとは思わなかった。爪も子どもだし手入れされて短いからか、ナイフで斬りつけられるほどの痛みはない。けど、目を開ければプライド様の手が視界に入るくらい近くで、プライド様の顔ももっと近くなっていた。
「嫌い。嫌い、嫌い、嫌い。大っっ嫌い」
カリ……カリッ……ガリッ……と短い爪を歯痒そうに、力を込めて引っ掻いてくる。
多分、今鏡を見たら三本以上は線が残ってる。猫みたいに指関節全部曲げて引っ掻かれながら、痛みよりもその表情に意識が向いた。………………こんなことしか、今はできねぇんだな。
引っかかれる顔は痛ぇけど、それでも叫ぶほどじゃない。まだ本当にちいせぇこの人は、相手を傷付けられる方法もきっとすくねぇんだと思い知る。
そりゃそうだ、こんなガキで、弱くて手も身体も小さいんだから、自分の手で相手を傷付けられる方法なんて限られてる。
剣を持てるわけでも、立ち回れるような身のこなしもまだ無い。言葉で相手を脅すか、権力をひけらかすか、もしくはその弱い手足で抗うしかできねぇ、本当にただの子どもだ。
今も感情を取り繕いどころか顔全体に透けたまま、隠しきれずに俺へと向けている。
「…………。なんで、嫌いなんすか」
「私を嫌いだから。大っっっ嫌い」
ガリリと、大嫌いを言いながら一番強い力でまた引っかかれた。子どもの手でも、今のはちょっとだけ肩に力が入った。
俺のことを嫌いなのはもう仕方ねぇとして、…………なんで俺の〝顔〟なんだろうと思った。プライド様に言われたからか、今までこの顔で嫌われたことはなかった所為か、すげぇ言われてから頭に残る。
子どもの言うことだし、死刑と一緒で大した意味もねぇのかもしれない。相手が一番傷つくことを意味の重さもわかんねぇで使っちまう。多分、今この人は〝そういう〟子どもだ。
「……嫌いじゃ、ないですよ。さっきのは本当に申し訳ありませんでした。けど、自分はプライド様のことを誓って嫌いとか」
「ッアンタじゃないの黙ってて!アンタのことなんか嫌いだしどうでも良い!アンタのこの顔が嫌いなの!!ッこの顔、も!嫌いなの!!さっさと死刑台に行って!!」
ガリッと、今度は手を腕ごと振り下ろす勢いのまま引っかかれて、もうちょっとで目に入ってた。
それでも今度は瞼に力を入れることもなく、この人の顔から目が離せない。…………ガキだなと、何度も同じことを思う。
自慢……かはわかんねぇけど、この顔を嫌いと言われたことはない。馬鹿にされたこともねぇし、プライド様はもちろん騎士の人達にもダチにも、それこそ憎んでくる裏稼業連中にも顔について貶されたことはない。
今はこの顔を誇らしいくらいに思ってるし、褒められても貶されても〝誰〟に重ねて嫌になったりしない。けど、……昔は隠していた時期もある。
この顔が嫌で、見られるのも重ねられるのも落胆されるのも全部が全部嫌で、重ねられたとわかった瞬間死にたくなった。
騎士団長似の、この顔が。
「嫌い、嫌い、嫌い、嫌い、大嫌い、大嫌い。その目も、顔も、髪の色も、全部が全部嫌い大嫌い」
がりりっ、ぐしゃり、と。俺の目の下を引っ掻いて、頬にとうとう皮も削ったとその爪を見て思う。赤く染まった爪のまま今度は括っていた髪のままめちゃくちゃに両手で引っ張り引っ掻き髪を乱された。
ようやくこの人がさっきから、なんで単に嫌いな相手へ妙なくらい憎い目を向けるのか、……「嫌い」って言いながらどんどん泣きそうなのを堪えている顔になっているのかを理解する。
「死刑」よりも多分こっちは本当に、この人は俺のこの顔が今は〝嫌〟なんだ。
俺の顔も髪も、めちゃくちゃに爪を立てながら、この人が今俺を見てないんだとわかった。途端に爪なんかよりずっと胸が痛む。
掴まれるような圧迫感と、すげぇ遠い傷が久々に疼く。嗚呼こういう感覚だったなと、俺まで思い出したくないことを思い出す。俺じゃない、その先の大きな存在だけを見られるのは、やっぱ辛い。
俺を痛めつけるようで、この人が自分を傷付けているように見えてきたらしんどくなってその手を掴む。
左の手を掴んだだけでも「触れないで!!」と金切り声で怒鳴られた。無礼者、無礼者って繰り返しながら、右手で垂れた前髪を引っ掴まれる。
人を怖がらせる言葉を知ってるのに、覚えてる言葉自体はまだ少ねぇ。そりゃあそうだ、まだこんな小さい子どもだ。
右手も同じように掴んで、止める。細い指にひっかかっていた髪がそのまま流れて、頭の上に括っていた髪紐がぽとりと落ちた。同時になけなしに束ねられたままだった分の髪も垂れ落ちる。
「…………騎士団長も、貴方のことを心底嫌っているわけじゃないですよ」
「嘘。いつも目が言ってるもの。大人はみんなそう!口では綺麗に言っても目が言ってる。私なんか嫌いだって」
なんとなく、わかる。
父上はプライド様の悪い噂とか、当時の振る舞いを知ってた、見てた。なら、プライド様だって父上を見てる。ンで父上は、……例え王族相手でも、間違った相手に媚びへつらうような人じゃねぇから。
いくらすげぇ権力者相手に言動とか礼儀正しくしても、きっとわかる人にはわかる。父上はそれができる強い人だって、俺が知ってる。
本当に、自分にも他人にも厳しい人で、だから〝この〟プライド様にも厳しい目を向けていたこともきっとある。俺だってさっき、プライド様だと気付くまで王女どころか貴族とすら思えなかったぐらい酷い振る舞いだった。…………ンで
後ろめたさがあるほど、あの蒼の目に責められているように見えてくる。
「ッたかが騎士のくせに……!私の為の兵士でしょ?私を守るのが仕事でしょ?!私の為に死ねるのが誇らしいのになんでそういう目を向けるの!!!?」
そして今、当時の俺と同じもんがこの人にも見えている。俺の両目を通して、きっと父上の目を見てる。
自分に自信がねぇとか、不安とか。自分が嫌になるもん全部を口にされずに見透かされて、言われているような気分になる。
俺に両手を取られながら顔を真っ赤にして喚き散らすプライド様が、新品の靴で床を繰り返し踏み鳴らす。俺の膝も足も蹴りつけ、踏みつける。長い深紅の髪を首ごと左右に振り乱す。「謝れ」「そうだと言え」と言葉以外で全身で叫んでる。
父上は、絶対プライド様が思っているようなことを考えて見てたわけじゃない。けど、……絶対そう見えちまう目だったんだろう。
そういう目を向けられたくねぇと思うから、余計に父上の目が嫌で、怖くて、……もっと自分が嫌になった。父上にそういう目を向けられる自分が一番、クズみてぇな人間だと思うから。
「ッなによ!父上に褒められたくらいで偉そうに!!私だってあんなに褒められたことないのに!!」
〝傷無しの騎士〟と呼ばれた、若くして選ばれ功績も立てた騎士団長。………父上が、どれだけ正しくて立派かと知ってるから。
あの目が間違ってないと思うから、余計に自分を映して自分が駄目なんだって言われたような気に、…………それが事実なんだって思うようになる。
勝手に被害者ぶって、勝手に落ち込んで傷ついて、勝手に知ったような気になる。
遠い存在だった〝大人〟の中でも正しい人だから、見限られると自分が本当に地の底の人間だって思っちまう。
………父上は、一言もそんなこと言ってねぇのに。
「プライド様のことも、すっげぇ褒めるようになりますよ。貴方のこと嫌いなわけでも見限っているわけでもねぇです」
嘘、嘘、嫌い、大嫌い、死刑にしてやる、国から追い出してやると言葉を繰り返す。俺の手を振り払うよりも、今は首を横に振って否定することに必死だ。
こんなに顔真っ赤にして、叫んで、感情出して、それでも涙は一滴も零れていない。泣かねぇことに慣れすぎてる。
俺のツラももう見たくねぇように固く目を瞑り出すプライド様は子どもなのに、……中途半端に大人みてぇな部分が邪魔してる。
この人でも、誰に言われたわけでもねぇ自分一人で傷ついちまったことがあったんだなと、どこか安堵しちまう自分と、…………まるで自分のもんみてぇに胸が痛くなる自分がいる。
「どうせ大事なのは私じゃないって知ってるんだから。〝騎士〟でいたいだけなんでしょ。その為に王族の言うこともきくんでしょ?それなのに私に嫌われるなんてすごい愚か!絶対いつかっ…………いつかっ、……後悔させてやるんだからっ…………!」
そう言いながら、また紫色の瞳の奥に憎しみが強まった。
歪に笑いながら、馬鹿にするように声高に叫ぶプライド様に、多分いまは本気だと思う。同時に、…………悔しいんだなと、わかる。
子どもで、王女だけど子どもで、王女だけど騎士団長の父上の方が大人にも信用されるくらいに自分は子どもで。子ども染みた宣戦布告なのに、意思の強さが王族っていうよりも、裏稼業に堕ちる奴らが言いそうな覇気だった。
今のこのプライド様なら、本当に〝あの〟狂気に犯された時のプライド様にもなれるのかもしれねぇと少し思う。
ここで「駄目です」とか「そんな復讐しても意味ありません」とか、言ってもどうせ今は実行できないプライド様を余計に苦しめる。この人は多分、それを〝今〟できないことが一番しんどがってる。
力さえ得られれば今すぐにでも全部やり返したがってる。
「…………先ず、訂正させてください。俺が……俺達騎士が、大事なのは騎士の生き方だけじゃありません」
騎士全員が、大事なものが同じとは限らない。それをちゃんと知ったのは、入団してくらいからだ。
ガキの頃はただただ眩しくて、皆が父上やクラークみたいな立派な志で立派な考えで特殊能力で、頭から爪先まで立派な騎士ばっかだと思ってた。けど、実際はいろんな騎士がいて、…………一番大事なもんも騎士によって違うと知った。
「人によって民とか、国とか。それを統治する王族の方々を一番に思っている騎士も大勢います。王族に仕え守ることができるのが一番誇らしいっていう騎士もいます」
ただその騎士全員が、騎士の生き方そのものを誇りに思っているだけだ。だから、任務に命をかけている。
民の為にも国の為にもなりたいと思って、王族の力になりたがっている人も大勢いる。今は特に、多分昔よりもっと大勢が。
大事なもんが山ほどあって、選べねぇ人もいる。選べねぇから一番多くを守れる騎士を目指した人もいる。「誇っている」と「大事」はちょっと違う。騎士の生き方が誇らしくても、それをかなぐり捨ててでも守り通してぇぐらい大事な
「俺が大事なのは、貴方です」
するりと、気付いたら言葉に出た。
信じられねぇくらい頭の中で選ぶ暇もないままただ事実が口から滑り出た。
途端に目を丸くするプライド様から取り繕いが一瞬薄れて、綺麗な色が見えた。ただ戸惑っているだけかもしれねぇけどそれで良いと、このまま引っ込めるのだけは嫌で恥も忘れて口を動かす。
この人にはもう、きっと疑われたら終わりだと、疑われる前に他の言葉で突き付ける。
「貴方が、プライド様が一番です。他のどれに比べられねぇくらい、本当の本当に一番です。世界中が貴方の敵になっても味方になります。たとえ死んでも後悔なんて絶ッ対しません。…………けど」
自分でもとんでもないこと言っている気がして心臓が酷くバクついた。
息を細切れに吸い上げてはまた放つ。今のこの人に言っても訳わかんねぇ筈なのに、ちゃんと届けたくて選ぶ余裕なんかない。絶対嘘にならねぇ言葉をと、……そう考えた途端に口が止まった。
けど、と。それを言った途端、プライド様の表情も急激に冷えていくのは取り繕いなく真っ直ぐに見てわかった。
この人の言葉を否定するのに必死でめちゃくちゃに言っちまったけど、全部ちゃんと本音で、この人にそういう嘘を吐きたくない。……だから。
「……嫌っても良いですよ」
〝嫌わないでください〟なんて言えない。
プライド様から何かを貰いたくて全部を捧げたわけじゃない。子ども相手でも優しい嘘でも慰めでも、あの時の誓いは絶対穢せない。
自分でも言いながら、力無い笑い方をしちまったと顔の筋肉の感覚でわかる。プライド様が瞬きをしねぇで俺を見るのを、俺も瞬きせず返す。
嫌ったり憎むのが、すげぇ楽で、簡単で、…………死ぬほど苦しくて、しんどいって知っている。
この人に嫌われたいとも思わない。俺の知るあの人にも、そして目の前にいるこの人にも嫌われたら傷つくし、落ち込むし、顔を見るだけでも胸が痛むことになる。
いつまでも花のような陰りのない笑顔を俺にも向けて欲しいと本気で思う。ただ嫌わないでくれなんて、俺からは望めない。
「貴方がいくら俺を嫌おうと構いません。それでも一生守ります。貴方の騎士で在り続けます」
もうプライド様から、全部貰った。だから、これから先に何も貰えなくたって構わないと決められた。
いつの間にか抵抗する力のなくなった小さな手を下ろさせる。片膝のまま、その小さな右手を両手で握る。引っ掻いた後で、爪の中にまで俺の血が入っちまっている。せめて指先の汚れだけでも取れればと、その先を撫で擦りながらその手を見る。
今は小せぇし弱いし、きっとゴロツキ一人すら泣かせられない。けど、俺より小さかったこの人の手が、信じられねぇ数の人を救ってくれると知っている。
「たとえ世界が貴方を嫌いだと言っても、俺が傍にいます。「顔も見たくない」と言われたら、貴方の見えない場所で貴方の為に戦います」
十三だった俺に欲しい言葉を全部くれたこの人に、今の俺がどこまで伝えられるかわからない。
ただ、今のこの人の騎士だとわかるように背筋を伸ばし、胸を張る。片膝をついたままでもまた、この人を見下ろす姿勢になる。それでもプライド様は今度は怒る様子もなく、ぽかりと小さく口が開いていた。
何言ってるかわけわかんねぇのかもしれない。ただ、嘘じゃないと俺もまた全身でこの人に訴える。
目の奥から憎悪も、それを隠そうとする取り繕いも今はない。ただ、力の抜けた表情で、それだけでもほっとする。
やっぱ今のこの人にも、辛い表情はして欲しくない。
「……あんま、傷付けねぇでください。人も、自分のことも。どうしてもっていうなら、全部また俺が引き受けますから」
この人になら、また何度でも傷付けられて良いと思う。
何度でも血塗れになって、痛くなって、……絶望しても。それがたった一人、この人が泣かねぇで済む理由になるなら良い。
手を離した途端、プライド様は今気付いたように自分の爪を見た。薄く赤に染まった指に顔を顰めて、両手を隠すように背中に回す。細い眉の間をぎゅっと狭めて、睨むように俺を見た。
急にまるで、親に怒られた普通の子どもみてぇな反応がおかしくて、口が緩んじまう。その俺の表情が腹立ったのか、むっと口を閉じたプライド様がそれからまた開いた瞬間。……その姿が、薄く白に溶け出した。
ぽやり、ぽやりと一度気づいたら、どんどん周囲の白に溶けて、薄くなっていく。プライド様も気付いたのか、背中に回していた自分の手から足先まで瞬きしながら確認し出す。
驚いているプライド様を前に、不思議と俺は来た時と同じくらい落ち着いていて。……もうここで終わりなんだなってわかった。
「プライド様」
理由も言えないただわかるだけの感覚で、手を伸ばす。
指先がもう消え始めているプライド様の手の平ごともう一度掴み、握りしめる。今度は振り払う動作すらなかった。
「待っててください。絶対会えます、会いに行きます。その時こそ貴女に誓って貴女だけの騎士です」
細いだけじゃない小さな手が、折れないようにそれでも伝わるように手の平に込める。
もう別れだと、……そしてまた会えるんだとわかるのに、今ここにこの人を置いていくことが嫌で堪らない。夢でも幻でもプライド様から離れたくない。だけど今の俺じゃあこのプライド様には届くこともできねぇとわかってる。
出会うべきなのは、俺じゃない。もっと前の、ボロボロで、自分をゴミだクズだ出来損ないだと思ってた何もわかってねぇ騎士になる覚悟ももてねぇ俺だと知っている。
今はもう、この手を離すしか道はない。
早口で続ける俺は、伸ばした自分の手が今度は白くなって消えていた。
プライド様が、口を開く。何かを言おうと険しい表情でまた泣きそうな顔だった。俺に向かって前のめりに、俺と同じ右の手を初めて俺へと伸ばす。
「─────!!」
聞こえなかったのに、今までで一番張り上げた声だとわかった。
怒ってるとわかる眉のつり上がり以外、どんなことを言ってるかもわからない。伸ばしてくれたその手を掴みたくて仕方ねぇのに、俺が伸ばした手の先はもう白で掴めなかったのが死ぬほど悔しくて。
最後の最後にまるで助けを求めるようなプライド様に、慌てて抱き寄せようとしたけど腕がない。
真っ白になった視界に、心臓が掴まれたように苦しくなった。
……
…
「アーサー、寝不足か?」
ふわぁ……と、うっかり欠伸が溢れかけたのを途中で慌てて飲み込む。
もう王居どころか王宮に入ったところなのにと、エリック副隊長に慌てて謝ったら「お疲れ」と笑って労われた。
寝不足……ってほどではねぇと思う。早く寝たわけでもねぇけど、普段とあんま変わらない時間に寝たし、途中で目が醒めることもなかった。
ただ、なんか夢見が悪かったのかなとは目が覚めた時の感覚で思う。
「すみません、ちょっと夢見が悪かったみてぇで……」
「悩みか?」
いやそんなんじゃ、と手を振ったところでちょうどステイルとそしてティアラが廊下に現れた。手を振ってくる二人に、俺からも手で返す。
ラジヤのこととかアダムとか悩みが全くねぇわけでもねぇけど、相談も何もエリック副隊長達も知ってることだ。
目が覚めた時にすげぇなんだか急かされて、いつの間にか天井に手を伸ばしたままだった。何か追ってたのか、どんな夢だったかも思い出せない。ただ、目覚めた瞬間に早く戻らねぇとと思って本気で二度寝しかけた。すぐ寝ても続きがみられるわけがねぇのに、それがわからねぇくらいには焦ってた。
結局どうして焦ったのかも思い出せねぇままだ。一つだけ覚えてるのも誰かに言われた言葉だけで、どうしてそんなこと言われたのかも、相手が誰だったのかもわからない。
いつものようにステイルとティアラと一緒にプライド様を待つ間、もう夢見の話はエリック副隊長も振ってこなかった。多分、二人が心配するだろうとわかってくれてもある。
ステイルとティアラ二人が楽しそうに話してるのを眺めながら、話しかけられない限りは俺も口を閉じる。ガチャンと扉の音がして、扉側に立っていた近衛兵のジャックさんが部屋の中から許可を得て扉を開け
「ッッお、おおおおはようございます……」
……た、途端。なんでか、すっっげぇ目の泳いだプライド様が立っていた。
いつも通りの筈が、伸びた背筋に反して肩がちょっと丸くなってきてる。しかも扉が開いた瞬間、思いっきり肩が上下してすげぇ速さで顔が赤くなっていった。
「プライド、どうかしましたか?」
「お姉様お熱でも……?」
ステイルとティアラも心配して歩み寄る中、プライド様は手を振りながら「大丈夫」と笑って返した。
無理っつーか、頑張ってるような作り笑いにマジで風邪とかじゃねぇかと心配になる。俺もエリック副隊長と一緒に近付きながら、どうやって触れようかとプライド様の背後に回りながら考える。ステイルもティアラもそれだけでエリック副隊長にも変に思われねぇようににそっと俺が触れられる位置を開けてくれた。
プライド様が体調おかしそうだとやるから二人もプライド様も慣
「ッッひゃああ!!……!!ごッごめんなさいアーサー!!」
触れた瞬間の、悲鳴に。
俺の心臓までひっくり返った。プライド様が飛び上がるのと同時に俺もすぐ引っ込めたけど思わず「すみません!!」って言っちまって、まるで変なことしちまったような感覚に俺まで顔に熱くなった。俺背中だけ触ったよな?!!
しかも飛び退いたプライド様が、ただびっくりしただけじゃなく俺の方に振り返ったままひと跳ねで三歩分以上距離が離れた。真っ赤な顔で胸を押さえながら、またじりじりと更に後ずさる。
これにはエリック副隊長だけじゃなく、ステイルとティアラも目を丸くしてた。
「ごっごめんなさい本当に!!ちょっちょっとびっくりしちゃって……!!」
「いえ!自分こそ変に触れてすみませんでした!!あのっ、体調……」
「わかってるわかってるわ!心配してくれただけよね?!たっ体調は平気です……!!」
行きましょう?!と、プライド様がそのまま逃げるように部屋を飛び出した。
ティアラとステイルと一緒に俺達も慌てて追いかける。いつもはステイル達と足並み揃えてくのに、今日は一人で逃げるような早足だった。
階段の前でティアラが呼び止めて追い付いて、ステイルが危ないからゆっくり降りましょうとプライド様の手を取る中、俺らも背後につく。まさか大丈夫だと思うけど、なんか調子おかしいしいつ転んでも引き止めれるように身構える中、……やっぱまだおかしい。
ステイルとティアラと話しながら、プライド様がチラチラとすげぇ何度も俺の方に目を向けてくる。それなのに俺が距離詰めるたびに早足で段差を降りるし、結局階段を下り切るまで話しかけてはこなかった。
「……あの、プライド様。俺、なにか悪いことしました?」
「?!ちっ違うの!違うの!!気を悪くしたらごめんなさい!そのっ……ゆ、夢で……、……〜〜っ……アーサーに……とても悪いことしちゃったので……」
立ち止まって顔を両手で覆うプライド様に、俺まで足が攣るように止まった。
酷いことって、一体なにやったんだと思う。ティアラもステイルもプライド様と俺を見比べる中、エリック副隊長は半笑いだ。三人の眼差しが槍みたいにぶっ刺さって、無駄にでかい声で「夢でですよね?!」と確認する。
「夢です」と頷くプライド様はまだ顔を覆ったまま上げてくれない。すっっげぇ気になるのに、ティアラが「どんな夢ですか?」と聞いてもプライド様は首を横に振るだけだった。
「だからちょっと……本当にごめんなさい。本物のアーサーは……というか夢の中のアーサーも悪くないから気にしないで……。今日中には忘れると思うから……」
忘れたいから話せない、と。顔を覆いながら背中を丸めるプライド様に逆にすっっげぇ気になる。俺の方の夢なんかどうでも良くなった。プライド様、俺に夢でなにやったんだ。
まさか奪還戦の頃の夢でも見たんじゃねぇのかと思うと心配にもなる。それこそやっぱアダムとかラジヤとか心配なことあんのかと思う。プライド様の方が気にしてて当然だ。
「あの……ステイル……。きょっ、今日午後の騎士団視察なのだけれど、明日にずらせるかしら……?」
「?わかりました。……本当にご体調の方は大丈夫なのですか?」
なんか、すげぇ流れるように視察が延期になった。もしかしてこれも午後に俺が演習場にいるからかとか、嫌な方向ばっか考えちまう。
視察延期するぐらい顔見たくねぇって相当だろ。むしろ夢の中で俺の方が何か悪いことしちまったンじゃねぇかと思う。
「ええ、本当に大丈夫……。騎士団長には本当にごめんなさいと謝罪も伝えてくれる……?……〜〜っ……本当、本当にごめんなさいと……」
弱々しく言いながらフラフラとまたプライド様が足を進ませる。
顔覆ったまま歩くから、ティアラが「転んじゃいますよっ」とプライド様と腕を組んだ。途端にティアラの方にふらつくから、支える手で今度こそちゃんとプライド様に触れた。
背中の一瞬よりも今度こそしっかり触れられたけど、プライド様の肩はドレスごしでも熱いままだ。プライド様も支えた手が俺かわからないからか、今は飛び退かなかった。
「あの、アーサー……」
「はい?!」
食堂に辿り着いて、俺とエリック副隊長は壁際に立ち止まろうとするところで、席に向かう前にプライド様がまた立ち止まった。
ぽつりと独り言みたいな声だけど、プライド様の方からようやく話しかけてもらえたからか無駄にまたでかい反応をしちまう。俺に背中を向けたままのプライド様はまたチラッとチラッと俺を盗み見るように振り返ってからまた肩を丸める。
さっきもそうだけど、こんだけ目だけでも振り返ってくれて、俺もずっと見てンのに一度も目は合わない。プライド様なに見てんだ?
「……あの、……アーサーは、……〜っ……顔、も!格好良い、わね……?」
じゃっ、と。蚊の鳴くような声で言ったプライド様はそのまままた小走りで席に去ってった。…………視界が、グラッときた。
マジでフラついて、プライド様を転んだらと思ってた俺の方がエリック副隊長に支えられる。
一気に熱くなって頭が茹だる。やべぇ、マジで死ぬ。プライド様まで席に着いても赤く見えるし、なんで今いきなりすげぇこと言ってくれたのかわかんねぇ。マジでどんな夢みたんだあの人!!!?!
「……一応聞くけど、昨日プライド様と何かあったとかじゃないよな?」
ねぇです、と。支えたまま耳元で尋ねてくれるエリック副隊長に、言いたくてもほとんど声にならなかった。
口だけ動かしたまま首を微弱に横に振る。昨日なんて普通の日だったし、俺の夢見もプライド様の夢も全然関係ねぇ。つーーか、俺の夢なんかプライド様のアレと比べたら絶ッッ対大したことねぇ。
やっぱ、今言われたことも夢だったのかと思いながら頭が勝手に反芻する。こんな、本当になんでもねぇ時にいきなり爆弾落とされるとは思わなかった。
今朝どんな夢みてたのかなんてどうでも良くなる。ンなことよりあの人の夢の方が
『はやく来て!!』
「っ…………?」
「ほら、任務中だぞ。ちゃんと引き締めろ」
すみませんとエリック副隊長の支えから自分の足で立つ。今、思い出した途端、急に頭が冷めた。
どんな夢かも思い出せねぇのに、その言葉だけがまだ頭にへばりついてる。
目が覚めた時もそれだけ覚えてたから、はやく迎えにいかねぇとと眠りかけた。相手が誰かも、声も思い出せねぇのに手が伸ばしたくて堪らなかった。
結構命令口調な奴だけど、なんか今にもな泣きそうに聞こえて、身支度中も変に胸騒ぎがした。
現実でなら、絶対駆けつけてやれンのに。
夢じゃない今はどうしようもない、妙な胸のモヤつきがまた蘇ったけれど、……食事の席でプライド様が目を合わせて笑いかけてくれた瞬間、一気に晴れた。
書籍が11巻発売です…!
アニメ2期に続き、とても嬉しいです。ありがとうございます。
新作「純粋培養すぎる聖女の逆行」略して「ぴゅあ堕ち」がただいま連載中です!
https://book1.adouzi.eu.org/n1915kp
こちらも是非よろしくお願い致します!




