ドラゴンバスターズ
ドラゴン討伐の名誉はスルー出来ないと言うナタリーの説得は失敗し、ギルドに呼ばれてしまった。最後の砦としてこっそりやってくれという要望だけは通ったようだ。
「ネロ、お前ホント変わってるよな?」
「ギルマス、ほっといて下さい。俺は元々偉くなるとか目立つとか好きじゃないんですから」
「その強さをほっとける訳ないだろう、嫁さんも姫と貴族令嬢とウチの受付嬢と人気冒険者二人、併せて五人って。王様でもそんなにいないぞ」
「それは成り行きで‥‥‥」
「まぁ、何はともあれお前さんのAランク昇格が決まったよ。本当ならSランクでもおかしくないけどな」
「そうですか、陛下との約束でSランクまで上げないといけないのでそれは良かったです」
「ドラゴン討伐の戦利品も見せてもらえるか?」
「ここで出して良いですか?」
「いや、買取場の方がいいな、スマンが来てくれ」
「しかしなんだ?その格好は?」
「目立ちたくないので変装です」
「余計目立つ気がするがな‥‥‥」
俺が変装に選んだ服は普通の平民の服、そして目出し帽、強盗とかが被ってるアレだ。目立つかもしれないが個人の特定はされない。被ってるだけで気持ちが落ち着く、あったかいしな。
「ドラゴン討伐の素材です、約三分の一です」
「三分の一でこんなに有るのか?肉は?」
「肉は美味しいので売りません」
「いや、少し売ってくれ、王家にも頼まれているのだ」
「‥‥‥じゃ少しだけ」
デカめの塊肉二つ提出した。まだ有るけどな。
「そうそう、お前らのパーティー名なんだが『ドラゴンバスターズ』で良いのか?」
「は?何すか、そのダサい名前‼︎」
「いや、ローズとサラからそんな話で‥‥‥」
いや、記憶を辿ると確かにそんな事言ってたような、ローズか?サラか?そもそもパーティー名付けないといけないのか?
「パーティーじゃないとダメなんですか?ソロじゃダメなんですか?」
「Aランク冒険者でソロはいねーよ」
「じゃ俺が初の‥‥‥ってなるとまた目立つんですね。なんてこった」
ガックリ膝を着く、まんまorzだ。
「その通りだ、Aランクのソロ冒険者なんてめちゃくちゃ声掛けられるぞ、ウチに入ってくれってな」
「目立つのも嫌だしお誘い断るのも面倒なので今のメンバーのパーティーで良いです。でもパーティー名は変えたいです」
「旦那〜、パーティー名変えたろ?なんでだよ?」
「超絶ダセェからだよ!」
「ニャ〜?カッコいいのにダメニャ?」
こういうところが獣人のセンスなのか、元日本人からすれば無いわ、
「パーティー名は『スサノオ』だ、異論は認めん」
「あちしはなんでもいいけどさ」
「うちもそれで構わないニャ」
王家からも呼び出された。
フレイン辺境伯もいた。
「ネロよ、よく来たな。息災か?」
「変わり有りませぬ、陛下」
「楽にせよ、ドラゴン討伐したそうじゃな」
「はい、なんか大事になってしまい申し訳ありません」
「ネロよ、ドラゴン討伐は大偉業じゃぞ、何故秘密にしておった?」
「私はドラゴンの肉が欲しかっただけなのです。まさかそんな大事になるとは思わず」
「ドラゴンさえも家畜扱いとは恐れ入る。当代一の英雄じゃ、王家でもどう讃えれば良いかわからぬわ」
「殿下をいただきますので充分でございます」
「抜かしよる、良い、貸しにしておいてくれ」
「御意」
「ネロくん、久しぶりだね。あれからフランツがネロくんのファンになってしまってね。今回の事も聞いたら大騒ぎになるよ」
「トーマス様、些細なことでございます。是非内密に願います」
「いや、そうもいかんだろ。ウチ以外からも聞きつけるだろうし」
「フランツ義兄様にもよろしくお伝えください、ネロは変わってないと」
「ああ、伝えるよ、それとドラゴンの肉だがね、少し余裕はあるかい?」
「‥‥‥一塊で宜しければ」
「充分だよ、ありがとう」
陛下、辺境伯と話していたら偉い人が出たり入ったり。何かあったみたいだ。
「どうかされましたか?」
「うむ、奥がの‥‥‥」
シャルのお母さん、王妃様だ。確か体調が優れなくてって話だったが。
「そろそろ皆を集めた方が良いかも知れぬな」
「そうですな」
え?そんなに悪いんだ。
そういえばドラゴンを三頭倒した事でレベルが上がっていた。今回出来るのが増えたのは一つだけだったが、渡りに船なのではないだろうか?
『エリクサー生成』
「陛下、こちらを献上致します。宜しければ御使用ください」
「‼︎‼︎」
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