最強は混沌と接す⑥
お久しぶりです。何度も書き直している内に更新がかなり滞りまして誠に申し訳ありませんでした。
どうぞ、よろしくおねがいします。
と、言い放って会議室を出て来た。
扉が閉まっても問題児三組の罵声やら泣きおとしの声やらが聞こえて来たけど安定のスルー。
問題児三人のことだから、言ったところでという気持ちが大きい。一時間もすれば私が理不尽なこと言ったとか泣きついて、味方になってくれそうな中身男キャラに媚びる行動を起こすだろうし。精神的に図太くなきゃここまでの事はできてないからスルーでいい。自分から脱退するような殊勝さがないのは確実で、私がマスターになる七日後を待って強制排除すればいい。
ただし、七日間は血盟倉庫の監視が必要っと……。
「はぁ〜」
頭痛が痛いを通り越して頭が痛い。私はただゲームを楽しみたいだけであって、PKは好きだけど仲間だと思ってる同士の揉め事は嫌いなのにどうしてこうなるのか……。今回の件を話すのは処理が終わってからにする予定だけど、同盟内で確実に揉めるだろうなぁ。雪継と千桜が責められて引退するとか、アースのメンバーを他同盟のメンバーが見下したりしないようにしないと。
グダグダとこれからの始末を考え、またもや深いため息を吐いてしまった。
「でかいため息ついてるな」
「白」
「まー、そうなる気持ちは分かる。あいつら二人には落ち着いてから話そうって、先生からの伝言」
「分かった」
「狩りでも行くか!」
「無理、アース分の補充がある」
「あー、ガンバレ」
ポンポンと私の肩を叩いた白が「renの部屋こっちだぞ」と先に歩き出す。
今回用意して貰ったあのド・ピンク部屋じゃ落ち着かないどころか、確実に私が逃げ出すことを理解している千桜が気をつかって予備部屋をひとつ用意してくれたらしい。
多分、私の髪が一部ピンクだからピンクが好きだと思われた? 桃色の壁紙ぐらいなら目に優しいから良いけれど、あの全面ピンクは目がチカチカするからアウト判定で良いはず。ま、色々用意してくれた気持ちはとても嬉しかったし、歓迎の意味合いもあるだろうから感謝はしてるけど……。
これから私は部屋に籠って、経験値スクロールの量産をさせられる。それもこれも全て、問題児三人組がやらかしたからだ! なんで私が狩り時間を減らしてまでやつらの尻拭いをしなければならないのか! と、憤りを感じつつ白の後を追った。
案内して貰った部屋は、縦に長い形の三畳の広さだった。
「狭い!」
確認するより先に出た言葉がこれである。
「まー、うちと比べちゃダメだと思うぞ」
「机と椅子出したら、他に何も置けない」
「もしかして、あの机と椅子……持ってきたとか言う?」
「y」
「あー、そうなんだな。と、とりあえず、配置だけでもしてみたらどうだ? もしかしたら何とかなるかもしれないだろう?」
白の言葉を受けて、いつも使っている執務机と椅子を部屋に出してみる。
「……やっぱり、埋まったな」
なんとかなると思ってなかったらしい本音を白が呟き、私は横で頷いた。
一体どうやって、この部屋でゲーム生活をしろと言うのか……。
私が持ってきた執務机や椅子が大きいから仕方ないのだろうけど、やっぱり長時間作業するのであれば慣れたものを使いたい。
因みに執務机は作業しやすいようにお腹が当たる位置でカーブさせてある。机の幅は160センチ、長さ85センチのオーダーメイド品で、かなりいいお値段だった。
椅子も同じくオーダーメイド品で幅76センチ、奥行78センチ、高さは変更できるタイプの皮張り、長時間でも疲れない座り心地のクッションが良い感じのものだ。
「……もう、帰りたい」
ただでさえ血盟を移動するのが嫌だったのに、ここにきてギチギチの部屋で作業しなければならない苦痛が辛くて、弱音を吐いてしまう私。
これならまだ一人で氷竜に突っ込んだ方がマシだ。こんな閉鎖空間で黙々と経験値スクロールを作らされ続けるとか、鬼畜以外の何物でもない。
もう全部放棄して逃げ出してしまいたい衝動に駆られながら、どうにか空間を上手く使えないかと白に相談してみた。が、あっさり白から「無理だろ」と返って来た。
「とりあえず、ログアウトは貸部屋でするしかないな」
ロフトすらないからベットを置けるスペースがないため、ログアウトをこの部屋では出来ないだろう。そうなると白の言う通り、毎回ログアウトする度に貸し部屋へ移動するしかない訳で。私としては、非常にめんどくさいことこの上ない。
是非、ハウスの意味とは? と、雪継や千桜に小一時間ほど問いただしたいところだ。
ま、今は、それ以上に気がかりなことがあるんで、後にするけど。
「……白、この部屋、窓ないよ?」
「俺の部屋もないなー。あ、そうだ! カーテン買って来てやろうか?」
違う、そうじゃない! カーテンだけあっても意味ないよ! 私が欲しいのは景色が見られて開閉できる窓であって、壁に窓は有るけど敢えてカーテンしてますよ? と、誤魔化したいわけじゃない!
「いらない」
「デスヨネー」
「はぁ……」
「まー、一週間の辛抱じゃん! 頑張ろうぜ!」
白い歯を見せてキラリンスマイルを私に向けた白を恨みがましく見つめて、このままじゃ進まないと思い直すことにした。
正直なところ不満しかないけど、グダグダ言っていても経験値スクロールが湧いてくるわけではない。さっさと作業して狩りで発散しよう。
今週のノルマ残り二万枚、頑張れ私!
独り気合を入れて、机に向かう。そのまま机の横を通り抜けることが出来なくて、軽くイラっとしつつ横向きの蟹歩きになってどうにか抜けられた。
そんな私の姿を見ていた白が笑って「じゃ、後でな」と部屋を出ていく。それに頷いて答えて、必要になるアイテムを机に並べ、ひとつ大きく深呼吸をしてノルマの消化を開始した。
さっそく追記入れました。読んでくださった皆様申し訳ないです(;´・ω・)




