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昨日宰相今日JK明日悪役令嬢 恋愛陰謀増々版  作者: 北部九州在住
二人の世界樹の花嫁候補

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24 エルスフィア太守代行

 オークラム統合王国東部辺境と北部辺境の中間に位置する王家直轄都市エルスフィアは人口三万ほどで、この周辺では大きな街の一つである。

 東方との街道筋からは外れるが、北部山地を源に流れる大河イスロス川の上流域にあり、河川交通が発達して木材を王都に運ぶ事で栄えた。

 また、辺境部防衛拠点の要衝として辺境騎士団の一つである、エルスフィア騎士団の駐屯地でもあった。

 その辺境騎士団が急遽現れた竜に対して完全武装で城壁にずらりと並ぶ中、ぽちの背に乗った私は彼らの前にドレス姿ではったりをかましたのだった。


「シボラの街の君主に連なる者の娘で世界樹の花嫁候補、エリー・ヘインワーズ。

 王家の要請によってエルスフィア太守代行の任を受けてこの地に参りました。

 取次ぎをお願いしたい」



「しっかし気持ちよかったわねー。

 ぽち。

 また乗せて頂戴ね」


「きゅー」


 ムチムチライダースーツ姿の姉弟子様の胸に抱かれて逃げ出そうとするぽちを見捨てて、私達はエルスフィア太守執務室に入る。

 私も実は空の上では同じ格好だったのだが、はったりをかますために急遽着替えたという経緯がある。

 メリアスからエルスフィアまで歩くとかなりの時間がかかるが、そこはぽちという偉大な乗り物がある訳で。

 メリアスから馬車で少し離れたら全盛期のぽちに戻ってもらって、馬車を抱えてもらい一気にエルスフィアへ。

 帰りは私がテレポートゲートを作ってメリアスと繋げる予定。


「ぅ……」

「おぇ……」


 ぽちに捕まれた馬車で運ばれたセリアとアルフレッドは、見事なまでに酔って執務室の長椅子に転がっていた。

 今度酔い止めの薬を持ってこよう。

 まてよ。状態異常だから回復魔法が使えるかもしれないなんて考えていたら、ノックの後に完全武装の軽装騎士が一人入ってくる。

 華奢な体つきで小柄だが、その黒目は相手を真っ直ぐに見抜き眉は強気にひかれて、黒髪は後で三つ編みで束ねられていた。

 職業章を見るとペガサスナイト。

 空中騎兵か。


「城門での無礼失礼しました。

 私は法院に席を許されエルスフィアを一時的に預かる者、フリエ・ハドレッド太守代行と申します。

 太守引退から今までエルスフィアの一切を任されていました。

 手続きを行いたいので、王家の書状と銀時計の提示をお願いします」


 女騎士か。

 おそらく、エルスフィア前太守を引退に追い込んだアリオス王子の側近の一人だろう。


「いいわ。

 紋章院あたりはいろいろ大変だったみたいだけど、これ問題ないのかしら?」


 私がイヤミを言いながら銀時計と王家の書状をフリエに渡す。

 魔法認証があるから本物である事は分かるが、それが作られた記録が無い代物である。

 この手の記録管理をしている紋章院は修羅場になっていた事だろう。

 フリエが確認魔法を紡ぎ、それが本物である事を確認する。

 ぽちをかわいがりしている色物衣装の姉弟子様に乗り物酔いで横になっている連れ二人がいるというのに、その間顔色ひとつ変えやしない。


「確認しました。

 統合王国の盟約に従い、エルスフィアを一時的に預かる者の称号を貴方に預けます。

 今より私の名前は、法院に席を許され近衛騎士団に属するアリオス殿下の華、フリエ・ハドレッド女男爵です。

 殿下から次の指示があるまでは貴方を補佐するようにと言われております」


 称号の交換を魔法による制約で縛る事で、その就任が認められる。

 片手をあげて制約の言葉をフリエが紡ぎ、私がそれに続く。


「承りました。

 今より私の名前は、エルスフィアを一時的に預かる者で世界樹の花嫁候補、エリー・ヘインワーズ太守代行です」


 爵位持ちか。この女騎士。

 おまけにアリオス王子つきの華姫ときやがった。

 王立法院に席を許されって事は、騎士より上に成り上がったと言っている。

 コネにせよ政治力にせよ油断ならない人間なのは間違いなさそうだ。

 ついでだから、このあたりの階級にも少し触れておこう。

 軍の階級は、兵士、従者、従士、騎士と四つの階級に分けられる。

 で、指揮を執るのが騎士で、だからこそ騎士団はその指揮を取る連中の集合体という意味を持つ。

 たとえば、騎士団の一般的定員は10『騎』未満なのだが、これは騎士の数である。

 その騎士には2-3人に従士がつき、その下に2-3人程度の従者がつき、従者の下に30人程度の兵士がつく。

 だから、騎士を名乗れる人間はその下に300人近い人間を指揮する事が求められる。

 ここまでが軍人で、ここから上は法院の推薦によって法院に席を許されて男爵位を得る貴族となる訳だ。

 一方、文官は上級・中級・下級の文官と上級・中級・下級の書記の六階級が設定されているが双方とも出世すると法院に席を許されて男爵位が与えられる貴族となる。

 貴族となると政治軍事双方に関与できる政軍統合の制度をとっているが、文官系が都市統治経験から力を持って法院貴族として勢力を拡大するのに対して、軍人系はそのあたりが遅れているので部屋貴族や屋敷貴族止まりも多く、諸侯に取りこまれる事も多い。

 さて、彼女は諸侯の犬か法院貴族になれる逸材か。

 どちらにしろ、彼女がここでの私のお目付け役という訳だ。

 維持費が莫大な空中騎兵が持てるのは少なく、統合王国正規軍で部隊運用ができるのは近衛騎士団か法院衛視隊ぐらいしかない。

 で、空を飛ぶその性質から空中騎兵は偵察や伝令として使われ、必然的に空中騎兵は情報畑を歩む事になる。

 その為、現場から一線を退いた際に爵位を得て今の地位に得たと考えるならば、彼女は統合王国スパイマスターの一人。

 彼女がいる限り、エルスフィアで私が何かしても王国側に知られる事を覚悟しておかねばならない。


「あら、太守代行は華姫と伺っておりますが?」


 私の名乗りに華姫の称号がついていないのでフリエ女男爵があえて尋ねる。

 要するに誰の持ち物かを主張する訳で、華姫設定を紹介に入れるなら、『ヘインワーズの華』と名乗らなければならない訳だ。


「世界樹の花嫁を狙うのに、華姫の称号は不要でしょうに」


 あえてぼかしてフリエ女男爵の胸元を見ると、華姫を示す模造花にベルガモットの香りが。

 彼女の華姫名『ベルガモット』はこんな感じで分かる人にだけ示される。 


「たしかに。

 こちらが、エルスフィアの現状をまとめた書類となります」


 挨拶も終わったフリエ女男爵から書類を受け取り、現状を確認。

 事前情報では汚職のやり過ぎで反乱寸前まで追い込まれたとあるが、書類だとエルスフィア騎士団をはじめ、役人たちの給料の遅延まで発生していた。

 近年の不作傾向はエルスフィアにも波及しており、物価の上昇が主要交易路から外れたこの地への商隊を遠ざけて関所税収入を低下させ、その穴埋めに関所税を上げるという悪循環。

 おまけに、騎士団への給料遅延がそのまま周辺の治安悪化に繋がって、さらに収入を低下させる。

 で、財政赤字の拡大に今までの生活維持をしていたらそりゃ破綻する訳で。

 おまけに、地元商人に多額の賄賂を要求しこれに引っかかったと。

 これはエルスフィアだけでなく、辺境部各地で同時多発的に発生している事なのだろう。

 ならば、解決できる所から解決しよう。

 私は旅行鞄をあけて、メリアスで換金した金貨の袋をフリエに渡す。


「騎士団および役人の給料遅延を解消します。

 勝手に引き上げていた関所税は所定の額に戻して。

 太守代行権限で恩赦を出して、重犯罪人以外を釈放します。

 騎士団には街中および周辺の巡回を指示。

 商人たちには賄賂ではなく借り入れを行う事で、運営資金を確保。

 何か質問は?」


「いえ。

 さすが世界樹の花嫁候補に相応しい見識をお持ちと感心する次第で」


 この手の内政ものは要するに金が最大の問題になる。

 で、それが片付くならばおよそ道は開けるものだったりする。

 アリオス王子はこちらの財力――ヘインワーズ家も含めて――を削りにかかったからこの程度の問題は想定していた。

 頼めばヘインワーズ候からの支援も引き出せるが、引退という全面降伏を前にして支援を引き出すとどんな因縁がつけられるか分からない。

 無理をする必要はない。

 初動で最大の問題を片付ければ、街という生き物は己の力で再建できるものなのだ。

 エルスフィア騎士団の騎士定員は四騎で、その動員兵力はおよそ1200程度。

 これを早急に掌握するする必要があるが、給料遅配の解消で最低限の忠誠は買えただろう。

 そんな事を考えていたら、フリエが私を思考の海から引き戻した。


「ところで、お連れの方はそのままにしてよろしいので?」


「あ!」



「……」

「……」


 文句すら言えないほど疲弊した二人に私が慌てて回復魔法をかけたのは言うまでもない。




「エルスフィアを一時的に預かる者で世界樹の花嫁候補、エリー・ヘインワーズ太守代行です。

 今回集まってもらったのは他でもありません」


 ゲート構築によってメリアスとエルスフィアをつないだ翌日に太守館に集まったのはエルスフィアを拠点にする商人たちである。

 前太守のやらかしが大きいので、皆目に猜疑心が宿っている。


「エルスフィアの運営ですが、前太守がやらかしているので予算に穴があいています。

 で、皆様に資金をお借りしたい」


 ほら来たという顔が半分、賄賂じゃないのかという顔が半分。

 これぐらいは計算のうちである。

 ドレス姿の小娘が借金を申し込んでも適当にあしらわれるのがオチだが、銀時計の鎖をぶらぶらさせてヘインワーズの家名と世界樹の花嫁候補の名前がそれを押しとどめる。

 彼らの頭の中では、鴨が葱背負ってやってきたと思いながら、その後ろに狼が潜んでいると警戒しているといった所か。


「もちろん、担保もなしで借りるつもりはありません。

 こちらの支払いがどれぐらいあるかですが、これを見てもらって判断してください。

 アルフレッド。

 持ってきて」


「はい。

 お嬢様」


 アルフレッドがゴミ袋を背負ってやってくる。

 その中に入っていたのは危うくごみに出されかかったぽちの鱗だ。

 武器商人がその価値に気づいて顔色を変える。


「これを皆様にお譲りしたい。

 その上で、借金の話に移りたいと思うのですがいかが?」


「ちょっと待ってもらいたい。太守代行殿」


 私の説明に手を上げて初老の商人が立ち上がる。

 たしか挨拶のときに聞いた限りでは、ここにいる商人たちの取りまとめ役みたいな人だったはずだ。


「そこにある竜の鱗をお売りになれば、この町の運営については問題が無いはずだ。

 それでもなお、金を借りる理由を教えていただきたい」


 私は初老の商人に向かって微笑んだ。

 この手の営業スマイルは十何年もやってきているので、すっかり板についてしまった。


「ひとつは予備費としてです。

 情けない話ですが、給料の遅延などでエルスフィア内部の状況はあまりよろしくありません。

 何が起こるかわからない状況で、それに対処できる資金を確保しておきたいというのが一つ。

 なお、エルスフィア騎士団および太守使用人の賃金遅延は昨日のうちに解決しております」


 ざわざわと商人たちから声があがるが、半分ぐらいは嘘だろう。

 彼らの給料遅延の結果、多くの人間がここにいる商人たちから金を借りる結果になっていたからだ。

 返済に行った連中からこの情報が漏れない訳がない。


「もう一つは新規事業を行うためです。

 私は、太守代行として以下の事業を行いたいと思っています」


 アルフレッドが集まった商人たちに計画書を手渡す。

 それを受け取った商人たちが驚きの声をあげるが考えてみれば当然か。

 羊皮紙がまだがんばっている世界でノートの上質紙を見たらそうなるわな。

 この驚きに商人たちが体制を立て直す前に、私は紙に書かれた事業計画を読み上げた。


「まずはエルスフィア騎士団による街道の巡回と近隣盗賊団の討伐。

 これは数日後には行う予定で、竜の鱗を売った資金はこれの物資購入に使いたいと思っています」


 騎士団を出すのにも金がかかる。

 その金の確保が目的なのと同時に、売った金が物資購入という形で商人たちに戻って来る事をアピール。

 街道の治安改善は商隊の襲撃低下とエルスフィアに商隊が寄る事を意味するので、商人たちの顔色が良くなる。


「次に街道そのものの補修を行います。

 東に向かう街道の整備と、見張り台の再建。

 エルスフィアの船着場の改修も行う予定です」


 エルスフィアのほとりを流れる大河イスロス川は河川交易に使われている。

 北の山地から切り出した木材を西の王都に川を使って運ぶのだ。

 船着場は川底の定期的な浚渫がないと底が浅くなって船が使いにくくなってしまう。

 また、東と南は草原地帯になっており、南に極東大帝国へ向かう交易路へ繋がる街道が伸びている。

 当然、騎馬民族が略奪にやってくる事があり、その警戒のための見張り台や砦が整備されていた。

 それも前太守の放漫財政によって遺棄されて荒れたままになっているので再建すると私が言った途端、長年商人たちが訴えてきた事の実現に商人たちも喜びの顔でいっぱいになる。

 同時においしい話には裏があるとばかりに警戒を強める。

 そのとおりなのだが。


「さて、表向きの理由はこれらです。

 ここから裏向きの理由になりますが、聞いたら戻れませんよ。

 ここでお帰りになる方は、帰ってもらって構いません」


 満面の営業スマイルで言ってのけて商人たちを脅かす。

 数人の商人が席を立ってこの部屋から出てゆく。

 彼らの多くは拠点とはいえ商隊で移動しながら商売をする連中。

 残ったのはこのエルスフィアに店を構えた連中。

 手をあげた初老の商人も当然残っている。


「残っている人間は、覚悟がある人という事でしょうか?」


 再度確認の言葉を放って、誰も出るものがいない事を確認して、アルフレッドに扉を閉めさせる。

 で、念のために音消しの魔法をかけて口を開いた。


「私は現在世界樹の花嫁を目指しています。

 メリアスで行われている世界樹の花嫁を使ったベルタ公とヘインワーズ候の争いはご存知?」


 お、露骨に目をそらしやがった。

 このあたりにも聞こえているか。商隊や旅人を使って彼らは必死に情報を集めたのだろう。

 で、それがこんな所にまで広まっていると。

 だから、この情報はまだ届いていないはずだ。


「この争い、ヘインワーズの全面降伏によって先ごろ決着しました。

 ヘインワーズ候は近く引退する予定です」


「!?」


 海千山千の商人達もまさか私の口から己の属する家門の敗北を口に出すとは思っていなかっただろう。

 それまでの商人の仮面を落として驚愕が顔に出ている。


「で、問題なのは花嫁候補である私の存在で、こんなものを持っている私の処遇に困ったらしいのです。

 花嫁争いはベルタ公が押す花嫁候補が勝つ出来レースの当て馬をやらされた後、おそらく太守としてこの地に赴任する事になるでしょう」


 ドレスにつけられた銀時計の鎖と五枚葉従軍章と大勲位世界樹章を見せ付ける。

 もちろん、身につけての太守代行だからそれらが本物であると商人達もわかっただろう。

 ヘインワーズの全面降伏は、封建諸侯の勝利を意味する。


「現在、王室法院においてある計画が進められています。

 北方・東方・南方、オークラム統合王国を取り囲む蛮族に対する大長城構築計画です」


 それが何を意味するのかわからない商人達ではない。

 真っ青になった彼らに私は営業スマイルを崩さない。

 

「ここは北方と東方の中間地点に位置する辺境部で、その負担は莫大なものになります。

 ですが、それに備える事はできます。

 早めに手を打ち、工事を進める事でその負担を軽減させたいのです。

 借金による事業推進でそれを狙っています」


 まさかもうすぐ統合王国崩壊して、ここも東方騎馬民族と北方蛮族に荒らされますよなんて言える訳も無く。

 とはいえ、いずれくるだろうこの二つの異民族襲来に備える事はできる。


「借金の額は膨大で、今すぐにとは言いません。

 とりあえず、私の統治を見てもらって信用できるのならば、私にお金を貸していただきたい」


 ぺこりと頭を下げる。

 太守代行が頭を下げる事自体とんでもない事だが、頭を下げてお金が借りれるなら安いものである。

 初老の商人が口を開いた。


「わかりました。

 こちらも大金である以上、すぐに答えが出せるものではない。

 ひとまず、その竜の鱗と持ってきた袋を買い取りたいのだが、よろしいか?」


 袋?

 アルフレッドが持ってきた袋はあやうく母に燃えるゴミとして出されかかったゴミ袋なのだが。

 こっちの理解が追いついていないのに、初老の商人は竜の鱗以上にこのゴミ袋に視線を注いでいた。


「これほどまでに透き通る袋を私は見た事がない。

 どうか、その袋を私に譲ってくれないか?」


「待ってくれ!

 それは私も狙っていたんだ!!」


「私だって!!!」


 竜の鱗も貴重品だが、それ以上に透明ゴミ袋は希少価値が高かったらしい。

 アルフレッドに水差しを持ってこらせて水を注いで漏れない事を見せたら、一気に価値が跳ね上がった。

 こうやって、私は当面の資金確保に成功したのだった。


「あまり目立つ事をしては駄目よ」


 先のぽちの鱗換金の後で姉弟子様にたしなめられた。

 大いに反省。


「エリーお嬢様に何か落ち度があったのでしょうか?」


 セリアが主人の何が悪かったのか聞こうとしたので、私の方から説明する事にした。

 このあたりの身分や主従関係もこの世界ならではというか。


「私たちの財力を削る事が目的でここに飛ばされているのに、その財を見せつけたら警戒されるでしょ」


 ビニールの件で露呈したが、おそらく向こうから何を持って行っても高値で売れる事は間違いが無い。

 それだと問題がいくつか発生するのだ。

 まずは、向こうからの持込が私の転移魔法によって制限されているという事。

 要するに船や家なんて大きなものは持ち込めない。

 もう一つは、私がもってくるものだけで街が形成されかねないという事。

 エルスフィアは東方との交易路から外れた街道街だ。

 私の品を求めて商隊がやってくるなんて、私がいなくなったらそのまま衰退に直結しかねない。

 それだけならまだしも、王宮に捕らえられてひたすら財を運ぶため働かされるなんてのもありうる。

 異世界からの持込というずるは、大規模にしちゃうと後々反動が来るという事だろう。

 因果応報という言葉もある。

 いろいろ持ち込んでそれが自分に返ってくることもあるので、持ち込みは適度にしておこう。


「この後はどうするつもりですか?」


 セリアの質問に我に戻る。

 出来る事からこつこつと。

 地道な努力が結局問題解決の一番の近道だったりするのだ。


「騎士団訪問かな。

 彼らに働いてもらわないとね」

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