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【7/24】穢れた血だと追放された魔力無限の精霊魔術士【コミックス第4巻発売】  作者: 冬月光輝
第3章『精霊魔術士と仲間たち』

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ベスト8出揃う

 ルーシーとリオンの戦いが終わり、2回戦は終了した。

 3回戦と準決勝はまた明日、決勝戦は明後日になるらしい。

 次回はあのアリシアと戦うことになっている私は既に諦めムードだった。


「結局、王宮ギルドで残ったのは俺とリアナとアリシア……そしてシオンか」


「順当ですわね。年間報奨金(アニューアルリワード)、1位、2位、4位、そして天下無敵のリアナお姉様ですから」


 天下無敵ならこんなにボロボロになってないっていう……。

 アリシアかぁ。手加減とかしてくれないんだろうなー。性格的に油断はしそうだけど……。  


「あら、リアナじゃない。浮かない顔してるわね。そりゃあ、当然よね〜。なんせ、あたしが次の相手なんだから。棄権してもいいわよ。誰もあなたのことを責めないと思うわ」


 あー、この早口はアリシアだね。

 息継ぎなしで、これだけの長セリフを一気に噛まずに言うんだもん。

 さすがはハーフエルフといったところか。


 棄権しても誰も責めないかー。

 そうだよね。別に王宮ギルド同士で潰し合わなくても――。


「そ、そうだね。棄権し――」

「アリシア様、お言葉ですがリアナお姉様は逃げることを知りませんわ。それに、先程のレイス様との戦いをご覧になっても余裕の表情を崩しませんでした。つまり、お姉様には勝つ秘策がある――」

「ティナ!? いや、違うか――」

「へぇ、勝つ秘策ねぇ。面白いことを言うじゃない。このあたしに勝てるっていうなら、やってご覧なさい……!」


 私が棄権を仄めかそうと口を開くとティナが勝手に勝つ秘策があるとか言う。

 余裕の表情だったのは、次にアリシアと戦うってことを忘れていただけだから。


 てか、今さ……、アリシアの殺気というかピリッとした空気が増したよね。

 

 よし、棄権しよう。このままだと、アリシアに殺されるかもしれないし……。


「あのさ、アリシ――」 

「残念ながらアリシア様がいくら強かろうと関係ありません。何故なら、リアナお姉様は完全無欠。この大会をぶっちぎりで優勝するお人ですから!」

「いいわ! その挑戦受けてあげる! 怖気づいて、棄権なんて許さないから!」


 アリシアは怖いことを言って、そのまま立ち去っていった。

 うううううう、結局、本気のアリシアと戦わなくちゃいけなくなった。

 精霊憑依エレメンタル・コネクトも使っちゃ駄目って言われたし、超精霊魔力砲(マナブラスト)は外したら終わりだし。

 どうやったら良いんだろう。あー、全然思いつかないや……。



「リアナさん、ティナさん、それにエルヴィンさんも、お疲れ様です……! 応援してもらったのに、すみません。ボクの力が及ばず、負けてしまいました」


「ルーシー! 凄かったよーーー! 惜しかったじゃん!」


 私はルーシーの手を握りしめて、彼女のことを労った。

 完全に精霊召喚を使いこなしていたし、信じられないくらい強くなっていた。


「しかし、あのリオンという男。あれだけ強かったルーシー様に勝つとは宮廷ギルドの人材も豊富ですわね」


「ああ、そうだな。妹ちゃんやシオンが勝ったから良いけど、ジルノーガやヘルマイヤーだって、かなりの手練だったし……リオンって奴はその二人よりも更にずっと上の実力者だ。ルーシー、本当に気にすんな。ありゃあ、俺でも手に余るかもしれない」


「エルヴィンさんでも……ですか?」

「へぇ、珍しくエルヴィン、弱気なんだね」


 ジルノーガやヘルマイヤーも化物って言って良いくらいの実力だったけど、リオンの評価は更にずっと上らしい。

 エルヴィンが神眼を使って測った戦闘力なんだから、まず間違いないだろう。


「お前らには分からなかったかもしれないが、あいつは実力の半分も出しちゃいなかったんだ。【神の見えざる手】だけじゃない、だってあいつは――」


「あいつは……?」


「いや、止めとこう。言っても意味ないし、とにかく剣の実力はあんなもんじゃないって言っとく」


 えーーーっ!? 何それ、気になるじゃん。

 エルヴィンはリオンの何かしらの秘密を知ってるってこと? なのに、何で教えられないのさ……。


「おや? あそこにいるのは、シオン様では?」

「みたいですね。それにリオンさんもいます……」


 あー、本当だ。何か隅っこの方で、シオンとリオンが何か喋っている。

 気になるから、ちょっとどんなこと話しているのか聞いて来ようっと。




「あらぁ、リオンちゃん。久しぶり〜。大きくなったわねぇ。こーんなに、小さかったのに。時が経つのは早いわ」


 んっ? どうやら、二人は古くからの付き合いみたいだ。

 それにしては、リオンの表情が険しいぞ。なんか、凄く怒っているように見える……。


「……父さん、気安く話しかけないでくれますか?」

 

 えっ? 今、シオンのこと「父さん」って言った?

 え、え、えええーーーーーっ!? し、シオンってリオンのお父さんだったのーーーー!?

 

すみません!

どうしても、特に5月〜7月がとてつもなく忙しいので、しばらく休載させてください! 

ここで第三章は完結です。

次章はアリシアとの戦い、そしてシオンとリオンの親子の確執、そして王宮ギルドと宮廷ギルドの戦いの結末など、見どころ盛り沢山でお送りします!


※第三章完結ということで!


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― 新着の感想 ―
シリ親子
[良い点] ヒキがすごい!! リオンとシオン、名前の響きが似てるなぁとは思ってましたが、よもやよもや…! [気になる点] シオンの性的嗜好についてはあまり触れずにふんわり進めるのかな? バイセクシャ…
感想一覧
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