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【7/24】穢れた血だと追放された魔力無限の精霊魔術士【コミックス第4巻発売】  作者: 冬月光輝
第3章『精霊魔術士と仲間たち』

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剣帝VS召喚士《サマナー》

 何これ、反則みたいな技じゃないか。

 悠々と散歩するみたいに岩石の雨が降る闘技場を闊歩するリオン。

 エルヴィン曰く、彼の能力【神の見えざる手】は未来を改変する力。

 全然、訳がわからないけど、見えない手でリオンが岩石に当たる未来を変えているらしい。

 

 それって、実質無敵ってことだよね? 攻撃が当たらないなんて、そんなバカみたいな力……。


「ルーシー、このままじゃ負けちゃう。ねぇ、エルヴィン。なんか、いい方法ないの? 神眼なら、弱点くらい分かるでしょう?」


「いい方法なんてない……!」


「「――っ!?」」


 はっきりと元も子もないことを言うエルヴィン。

 いやいや、そんなことはっきりと言わないでよ。  

 じゃあ、本当にリオンの言う未来を改変するって能力に対抗する手段はないってこと?


「エルヴィン様はリオン様の【神の見えざる手】は無敵の力だと仰るのですか?」


「いや、そういう訳じゃない。未来を改変する能力にも弱点はある」


「ほ、本当に? じゃあそれをルーシーが実践すれば……」


「だが、ルーシーにはそれが出来ない。ルーシーだけじゃない、俺やシオンにだって無理かもしれない」


 どうやら【神の見えざる手】は完全無欠ではないらしい。

 それを聞いて安心したけど、その弱点とやらを突くことが彼女には無理なのだとか。


 そんな意地悪を言わないでよ。何とかするって言ってよ。このままじゃ、ルーシーが……。


 でも、エルヴィンにもシオンにも無理ってことはかなり厳しいんだろうなぁ……。


「【神の見えざる手】は無敵に近いが揺るぎない事実がある。それは、スキルである以上は発動までにほんの一瞬のタイムラグがあるってことだ。つまり最速の術式発動速度を持つ妹ちゃんなら、あいつが未来を改変する前に魔法をぶつけられるっていう理屈さ。幸いあいつの能力が干渉出来る範囲は半径2メートルってところだからな」


「おおーっ! ティナすごーい!」

「それほどでもありませんわ……」


 なるほど、ティナならリオンに勝っちゃう可能性があるってことか。

 というか、こんなにも強い妹によく勝てたな……私。場外負けが無かったら厳しかったかもしれない。


「リオン自身も気付いていないかもしれないが、そういう弱点はあるんだ。だが、事実として、あの規格外の速さは俺らじゃ無理だ。理屈が分かったとて実践出来なきゃ意味はないだろ?」


 それはそうなんだけど……。

 うーん。ルーシーの召喚できる四大精霊(エレメンタル)で何とか発動前にガツンと一撃与えられないかな……。



「マスター、どうやら敵は何らかの方法で我の攻撃が当たる未来を歪めておるようだ。確か神々の力にそのような能力があったな」


「未来を歪める? そんな能力が……!?」


「へぇ、さすがは四大精霊(エレメンタル)の一角、ノーム。見た目は脳筋ですが、意外と博識なのですね」


 ノームはルーシーに【神の見えざる手】の能力を伝えていた。

 凄いなぁ。エルヴィンみたいに神眼があるわけじゃないのに。


「じゃ、じゃあ、攻撃は当たらないってことですか? そ、そんな、ボクはどうやって戦えば良いのか――」


「前座さん、僕と戦いが出来るなんておこがましいですよ。君は何も出来ずに這いつくばっていればいい」


 ゆっくりと剣を振り上げて、リオンはルーシーを切りつけようとする。

 打つ手なし……? 本当に彼女には打つ手がないの?


「ぬおおおおおっ! マスター! しばらく空に退避をーーーーーっ!!」


「えっ? えっ? えええーーーーーっ!?」


 何とノームはグイッとルーシーを掴むと空中高くに放り投げた。

 ルーシーは悲鳴を上げながら、ドンドン高度を上げていく。


「ふははははは! 貴様の能力の効果範囲は約半径2メートル。距離を取れば未来は歪まない!」


「正解です。いい観察力していますね。ですが、それがどうかしましたか? あなた方の攻撃が効かないという事実は変わりませんよ。何か対策でも?」


 すっごーい。ノームはリオンの能力の効果範囲まで言い当てた。

 やっぱり精霊って長生きしてるから、頭もいいんだ。

 

「対策? それは今から見つけるのだーーー! ぬおおおおおっ!」


 そして、ノームは雄叫びを上げながらリオンに殴りかかる。

 目にも止まらぬ拳の連打。これならリオンの発動前に――。


「精霊が肉弾戦? 意味のないことをしますね。……どれ、僕の剣技があなたに通用するのか試してみましょう」


「――っ!? がはっ――! こ、ことごとく我の四肢が……」


 リオンは適当に剣を振ったように見えた。

 だけど、ノームの四肢は見事に切断されてしまい――人間じゃないから血は流さないけれど、その場に倒れてしまう。


「【神の見えざる手】は未来を最適な状態に改変する能力。つまり、適当に振った剣も全てが会心の一撃となり、敵を捉えるのです」


 もう、どうでもいいや。訳がわからない能力説明は。

 歩いていても攻撃は当たらず、適当に剣を振っても全部クリティカルヒットする力ってことね。

 ご都合主義にも程がある力だよ。責任者は出てこい。


「さて、それじゃあ落ちてくる君のマスターを仕留めると――」

「マスター! 速さだ! 速さを優先するのだ! 未来を変える前にダメージを与えて、こいつを倒せ!」


 き、気付いた! エルヴィンと同じ結論にノームが達した。

 でも、ルーシーは次にどの精霊を? 彼女の魔力ではもう一回召喚するのも難しいと思うし、ティナと同レベルの速さも――。


「はは、発動前にダメージを? それは無理ですよ。絶対に無理――、ごふぅっ――!?」


「「「――っ!?」」」


 り、リオンが吹き飛んだ? ノームが消えた瞬間に?

 る、ルーシーは一体、何を……?


「ノームさん、ありがとうございます。光の精霊(ポスポロス)召喚――!!」


ルーシーも相当強くなっています。


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― 新着の感想 ―
[一言] やっぱり相性て重要
[一言] 音速以上の「光速」ですね。
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