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【7/24】穢れた血だと追放された魔力無限の精霊魔術士【コミックス第4巻発売】  作者: 冬月光輝
第3章『精霊魔術士と仲間たち』

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大賢者VS魔剣士

 あの花びらが爆発って、どういう理屈だろう。

 アリシアは独自の雷系統の魔法を創ったとか言ってたけど。

 

「まさか爆発系統の魔法を――」

「いえ、炎属性と水属性の魔法を独自にミックスさせて任意で魔力を調節して爆発させたみたいですね」

「いつから、エルヴィンみたいな神眼持ちになったの?」


 どうやら、あの花びらはレイスが上手いこと、ごちゃごちゃっとやって成立させた魔法みたいだ。

 それにしても、普通の城壁とかなら簡単に消し飛びそうなくらいの大爆発でも闘技場はビクともしないなんて……。

 一回戦の最後に見たシオンたちの戦いってとんでもない戦いだったんじゃ――。


「魔法士って誰も彼も貧弱で可哀相なのよね。あたしにかかれば弱いものイジメになっちゃうから」


「ようやく魔剣を使う気になったか。悪いが、僕をそのへんの魔法士と同一視したこと……後悔する羽目になるよ」


 自分の背丈よりも大きな剣を抜いて炎を纏わせるアリシア。

 彼女の凄いところはあの小さな体で、ジャイアントヒュドラをも圧倒するほどのパワーを持っていることだ。

 その上で魔法の威力もレイスと比べて劣らない。 

 そうなると、やっぱりアリシアが有利に見える。実際に年間報奨金(アニューアルリワード)でもかなりの差があるし……。


「覚悟はいい? 魔剣……神焔ノ一閃(カミホムラノイッセン)!」

最上級獄炎魔術(エクストリームフレア)ッ!」

 

 アリシアの強力な魔剣がレイスを捉えようとした瞬間、彼は両手から強烈な閃熱を放出される。

 絶妙なタイミング。アリシアの剣を引きつけて、引きつけて、カウンターの要領で得意の最大級の閃熱を放つレイス。


 眩しいなぁ。それにまた凄い音が鳴り響いてるし。


「たかが最上級魔法であたしの魔剣がどうにか出来ると思ったの? 笑わせないで」


「…………」


 ああーっ! ダメだ!

 レイスの魔法が全然、アリシアに効いてない。

 彼女の魔力とパワーに押されて、吹き飛ばされてしまってる。


 しかも、レイスの体……アリシアの剣で切られちゃってるみたいだし。

 これは決まったかもしれないなぁ……。


「安心しなさい。殺したら失格になっちゃうから手加減したわよ」


「…………」


「ちょ、ちょっと、あんた、生きてる? ――っ!?」


 うえっ? アリシアの剣で切られたレイスの体がドロリと溶けてしまう。

 ひ、人って、切られると溶けるの?

 まるでヌメーバみたいなんだけど――。


「ねぇ、ティナ。れ、レイスの正体ってヌメーバだったの?」


「いえ、あれも恐らくは水系統の魔法の応用で分身を作ったのではないでしょうか?」


「おおーっ! さすがはレイス。多彩な魔法捌き。ていうか、そんなことしてるなんて全然気付かなかった」

 

「無理もありませんわ。目くらましとして閃熱魔法を使っているんですもの」


 ああー、そうか。

 効いてないと思われたエクストリームフレア。

 あれにも立派な意味合いがあったということか。

 あのアリシアの怒涛の攻めにも屈しないレイス。もしかしたら、もしかするかも……。


「しかも見てください、お姉様。レイス様の分身が切られたときにアリシア様の剣に付着した水ですが――」

「は、花びらに変化した……? まさか――」


 私たちがアリシアの大剣に付着した水滴のようなものが、花びらに変化したことに気付いた瞬間、再び大爆発が巻き起こった――。


 ズガーンとさっき以上に鼓膜に響く爆裂音。

 これはアリシアであろうと避けられないかもしれない……。


「ちっ、やるわね。あたしの手に傷を負わせるなんて……」


「咄嗟に剣を投げ捨てた、か。いい判断だね、アリシア」


 アリシアはあの一瞬で自分の危機を察知したらしい。

 その有り余るパワーで自分の剣を闘技場の外まで投げ捨てていた。

 だけど、爆発の影響は受けたみたいで、右手が赤く腫れている。

 

「魔剣士が魔剣を封じられたな。ここから、逆襲させてもらう」


「……そうね。あんたがあたしの攻撃に耐えられたら、逆襲の機会もあったかもしれないわ」


「――っ!?」


 アリシアがパチンと指を鳴らすと、空中から無数の稲妻が闘技場に向かって落ちてきた。

 い、いつの間にか上空を大きな暗雲が覆ってる。


「テレポートで逃げることは読めているし、安全地帯は最初から把握済み。無属性魔法(タイプゼロ)ッ!」

「がふっ――!」


 その無数の雷撃をテレポートで全て避けたレイスだったけど、アリシアはそれすらも読んで彼の腹にゼロ距離から光の球をぶつける。

 その威力は凄まじく、レイスは一瞬で場外まで吹き飛ばされてしまった。

 

「出直して来なさい。あんたには期待しててあげるから」


『勝者! アリシア選手!』


 結局、順当にアリシアが勝ってしまった。

 うわー、強いなぁ。アリシアに剣を手放させたレイスも強かったんだけど、彼女はとんでもなかった。

 彼女と戦う人は不憫でならない。


「で、お姉様でしたらどう戦いますの?」


「へっ? わ、私だったら? いや、特に何も考えてないけど」


「……さすがはリアナお姉様ですわ。次にアリシア様と戦うというのに、こんなにも余裕を見せていらっしゃる。何とも豪気な方です」


「あっ――」


 し、し、しまった〜〜!

 そうだよ。トーナメント表のバカ! 私のバカ!

 3回戦が私とアリシアの試合に決まったじゃないか。

 ど、ど、どうしよう。全然勝てる気がしない――。


 

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