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【7/24】穢れた血だと追放された魔力無限の精霊魔術士【コミックス第4巻発売】  作者: 冬月光輝
第3章『精霊魔術士と仲間たち』

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王宮ギルドVS宮廷ギルド

「よくやったな、あのスペラッタ・ブルコッタを一蹴とは。こりゃあ、俺も勝たせてもらえなくなるかもな」


「いや、なんか、あいつ油断してたし」

 

 エルヴィンに一回戦を勝ち抜いたことを褒めてもらったけど釈然としない。

 がら空きの腹に一発、本気の拳(マナバースト)を入れてやっただけだったから。

 ティナみたいに強敵をやっつけた訳じゃないしね。


「スペラッタ・ブルコッタといやぁ、闇の処刑人として有名だぞ」


「闇の処刑人って有名になっちゃ駄目な人だよ!」


 スペラッタって奴は怖い異名を持っていた。

 てか、そんな訳の分からん人間を宮廷ギルドなんて所に入れて大丈夫なのかな。


「はは、裏の世界でって意味さ。向こうの国にいたリアナは知らなかったんだろ? あいつのこと」


「うん。聞いたことない人だったよ。てか、変な人多いね。ジルノーガもなんか普通じゃないし」


「ジルノーガはあれで、ブルクハルト王子の護衛だ。邪魔者を消してるって噂はあるけどな」


 とりあえず、宮廷ギルドの人間にやばそうな連中が多いってことは分かった。

 ジルノーガなんて、殺しが禁止のルールで殺しをしようとするし、私は闇の処刑人だよ、処刑人。

 

 大丈夫かな。他のみんなは……。

 危なくなったらギブアップしても良いから無理しないで欲しい……。



 ◆ ◆ ◆



「リヴァリタ最強の魔法士、このマリーナ・アルジードの――」


「最強が呆れるわ。あんたと比べたら、レイスの方がまだ強い」


「わ、私のオリジナル――超極大火球魔法(スーパーノヴァ)が……」

  

 勝ち誇った顔をしていた女魔法士のマリーナの顔が歪む。

 無理もない。自信満々で繰り出した半径50メートルくらいの大きさの闘技場を覆い尽くすサイズの大火球を一刀両断されてしまったのだから。


 魔剣士アリシアはハーフエルフであり、人間の常識を超えた剣と魔法の使い手。

 

 自称、リヴァリタ最強の魔法士マリーナはアリシアの規格外の力に戦意を喪失してギブアップした。




「このルーベルこそ真の最強魔法士じゃー! くらえ、ワシの最強魔法」


「やれやれ、何人最強とやらがいるんだい? 属性の四重奏(カルテット)――!!」


「ミギャーーーーーー!」


 自称、リヴァリタ最強の魔法士ルーベルは魔法にかけてはエルトナで右に出る人間はいない、大賢者レイスによって吹き飛ばされて場外負けを喫する。

 



「くっ……、神眼使いめ……! 俺様の音速の剣技(マッハスラッシュ)が、当たらない……、だと?」


「悪いな。ちょっと寝ててくれ」


「――っ!?」


 エルヴィンは知らないうちに、剣士を倒してるし。神眼を使ったら、全部攻撃が見切られちゃうからなー。

 ジュース買ってたら、試合が終わってたから驚いたよ。




「やれやれ、若いもんが頑張っとるのう」


「…………」


 ゼノンは棒立ちで、立っていただけ。

 襲いかかってきた熊よりも大きな男は触れることすら出来ずに勝手に吹き飛んで、動かなくなった。

 エルヴィン曰く、闘気の塊をカウンターの要領で素早くぶつけたらしい。

 大男が強かったからこそ、ダメージが倍加するので一撃でKOしたそうだ。


 

 エルトナ王宮ギルドはかなり好調だった。

 Sランカーはやはり規格外に強くてリヴァリタの精鋭を寄せ付けなかったのだ。


 しかし、その後はリヴァリタ宮廷ギルドも奮闘した。

 Aランクの実力はエルヴィン曰くティナ以外だとルーシーだけがSランクレベルに届きそうなくらいで、残りの人たちは上とかなり差があるとのこと。

 逆にリヴァリタ宮廷ギルドは戦闘力に特化した者たちを集めているのか、実力者たちが多かった。

 

 結果として一回戦の最終試合残した状態でそこから勝てたのは召喚術で圧倒したルーシーただ一人。カインも頑張ったんだけど、最後にはギブアップした。

 

 つまり、ここまで十五戦して王宮ギルドは七勝、宮廷ギルドは八勝という結果である。




 そして、第一回戦、最終試合が始まった――。



『それでは、神捧聖戦の儀、一回戦最終試合! エルトナ王立ギルド所属! シオン・クランツVSリヴァリタ宮廷ギルド所属! ヘルマイヤー・ウィンダムの試合を開始します!』

 

「へ、ヘルマイヤーって……」


「ああ、通称“国斬り”という異名で恐れられている魔族の剣士だ。噂だとリヴァリタが五十億ラルドの契約金を積んだとか。数百年生きて研鑽を積んだ実力は伊達じゃない。今大会の優勝候補の一人だ」


 魔族――かつて、この地上は魔界から来た魔王とかいう恐ろしい魔族の王に征服されそうになったという。  

 その時は人数で勝る人間がエルフとかホビットとか他種族と手を組んだり、ルーシーの先祖のマファラ族も活躍したりして、撃退したんだけど、生き残った魔族も当然いた。


 基本的に生き残った魔族は大人しく暮らしている。

 本当に少数だし、魔界に帰りたくとも帰れないらしく、それならこっちでトラブルを起こさずに生きた方がマシだと考えているみたい。


 でも、ヘルマイヤーは違う。


 エルヴィンの話によると魔王を崇拝しており、魔族の覇権を再び手にするために腕を磨き続けているのだとか。


「そんな奴、ギルドに入れて良いの?」


「なりふり構わず、戦力強化したいみたいだな。リヴァリタは……。何を企んでいるのやら」


 リヴァリタ王国は何らかの目的があると読んでいるエルヴィン。

 優勝候補と言われる魔族の剣士に挑むのは、エルトナで最強と呼ばれるシオンだけど――。


「ふっ、ゴミ人間など我にとっては塵芥に等しい」


「あーら、いい男じゃな〜〜い! 魔族とはまだヤッたことないのよねぇ♡」


 なんか、大丈夫そうだった――。


次回は、シオンVSヘルマイヤー戦です。 


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