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【7/24】穢れた血だと追放された魔力無限の精霊魔術士【コミックス第4巻発売】  作者: 冬月光輝
第2章『精霊魔術士の伝説再び』

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監獄の中で(バルバトス視点)

 くそっ、くそっ、くそっ! いつまでここに閉じ込めるつもりだ。

 第三王子、ブルクハルトにギルド運営権を奪われ、国王陛下の不興を買ったとしてワシは地下牢に閉じ込められた。

 名門エルロン家に生まれ、一流の魔法士として名を馳せたワシは小さな失敗を責め立てられて投獄されたのだ。

 こんなことが許されてなるものか。ワシはこの国に貢献をしとる。

 

 全部、リアナとティナが悪いのだ。

 特にリアナは許せん。ワシに能力があることを伝えずに無能キャラを演じ、追放された途端に能力を開花させるなど都合の良いことがあるもんか。

 絶対にワシのことをおちょくっていたのだ。追放されたときも心の中で舌を出していたに違いない。

 そんなにワシが憎いか? 育ててもらった恩を忘れおってからに。


「やぁ、バルバトスくん。調子はどうだい? 監獄生活には慣れたかな?」


「ぶ、ブルクハルト……!」


「殿下はつけたまえ。王家への敬意を忘れるのは困りものだぞ」


 ワシの投獄を命じ、ワシのギルドを乗っ取った張本人。ブルクハルト殿下が牢の前に立つ。

 この男、どういうつもりだ。ワシのことを笑いに来たか……。


「そんなに睨みつけないで。監獄ライフだって、考えようによっては楽しめるのだから」


「楽しめるはずがあるか!!」


「ギルド運営の限界が近づき、記者たちが質問攻め、周囲の人は君から離れていくし、いっそのこと全部忘れられる環境の方が君のためだったりしないかい?」


 何を屁理屈を言っとるか。

 名門出のエリート魔法士だったこのワシがこんなところに閉じ込められとる時点で屈辱的すぎてストレスがどうとかいう次元をとっくに超えとるわい。

 それに――


「リアナとティナがおればエルロン・ガーデンには栄光を掴む未来があった! 全部悪いのは我が娘たちなのだ! あの二人さえ居れば、ワシはこんなところに居らんわ!」


 リアナがいればパワースポットは復活。

 ティナがいれば、どんな依頼も達成。

 ワシの栄光の為の手駒にならず、金と欲に目が眩んでエルトナ王立ギルドになど所属するとは……。

 恥を知れ、恥を! ワシのことをそんなに嫌う意味が分から~~ん!!


「まさにそこなんだよ。バルバトスくん。――この記事を見てくれたまえ」


「なんだ? これは……」


『精霊魔術士の伝説再び。リアナ・アル・エルロンの活躍により、最高危険指定生物、沼地の帝王(カイザーヌメーバ)を見事に討伐。国家の危機を未然に防ぐ。また、彼女のパーティーには妹のティナもおり、エルロン姉妹は国家的英雄として――』


 信じられん……。信じられんことが書いておった。

 討伐難易度★★★★★――国家レベルで対策が必要なレベルである最高危険指定生物をリアナを中心とした僅か五人のパーティーで打ち破ったというのだ。

 冒険者ギルドが請け負う仕事の範囲を超えとる……。

 この記事に嘘偽りが無いとしたら、ワシはとんでもない英雄を追放したことになるが……。


「君のところのお嬢様たちが、非常に素晴らしい成果を上げていることは分かって頂けたかな? 我がリヴァリタではなく、エルトナ王国で」


「エルロン家は名門だからな。血統が良いのだ! 血統が!」


「君を見てるとそんな気がしないんだけど、エルロンの本家は確かに優秀な聖女を何人も輩出してるからね。それは否定しないよ」


 このブルクハルトという男。何が言いたいのだ?

 このワシに嫌味を言うほどの暇人なのか?

 ワシが分家でコンプレックスを持っていることを知っていてワザと煽っておるように見えるが……。


「エルトナ王国は驚異的な国だ。たかが冒険者ギルドに一騎当千の人材が六人もいる。あの国ではSランカーと呼ばれているのだが。更にAランク以下のギルド員も非常に優秀で個性的な面子を揃えているという」


「それがどうかしたのか?」


「リヴァリタ宮廷ギルドもそれに倣いたい。優秀な人材を大陸中から集めて、他国を牽制できるくらいの一大勢力を作るんだ。どうだい? 楽しそうだろ?」


 この男はエルロン・ガーデンを乗っ取った上に、そんな大それたことを考えておるのか。

 大陸中から人材を集めるとか、そう簡単にいくわけがあるまい。

 そんな壮大な計画、すぐに頓挫するに決まっとる! というか、ワシには関係ないではないか!


「10億ラルド……」


「はぁ?」


「リアナとティナにそれぞれ、契約金として10億ラルド払おうと思ってる。君、腐ってもあの二人の親なんだろ? リヴァリタ宮廷ギルドに二人を引き抜いてくれたら、君を宮廷ギルドの副ギルドマスターにしてあげよう。しくじったら――」


 意味深な気持ち悪い笑みを浮かべながら、ブルクハルトはリアナとティナの引き抜きをワシに命じる。

 二人合わせて20億ラルド……だとっ!? そんな破格の契約金を以てして引き抜けば、ワシは晴れて無罪放免!?


 しかも、20億ラルドはワシの娘に支払われるのだから、実質ワシの金なのでは!?


 キタキタキタキター!! キターーーーーーーー!!

 このバルバトス・エルロンに逆転のチャンス到来じゃああああああ!!


 待っておれ、我が最愛の20億、じゃなかった娘たち!! この父がお前たちを迎えに行くからな!!

バルバトス、仮出所です。

娘たちをスカウトするためにエルトナに向かいます。


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― 新着の感想 ―
[良い点] お話的にはバルバトスを使うのはありかな。このクソっぷりで話にアクセントをつけて、いらなくなったら「ざまぁ」で廃棄。 [一言] 個人的には、バルバトスは早々に退場して欲しいなぁ
[良い点] バルバトス君の手のひらがくるくるしてる話が好きなので評価します [一言] ぜひ彼を最後まで活躍させてもらいたい
[良い点] どんな悪どい事をしても国に引き戻したいが、ただの他人だと交渉しに来た時点で相手国側から追い返されるだろうから、敢えて糞でクズでも血縁者である父であれば悪巧みの交渉のテーブルにつかせる位は出…
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