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【7/24】穢れた血だと追放された魔力無限の精霊魔術士【コミックス第4巻発売】  作者: 冬月光輝
第2章『精霊魔術士の伝説再び』

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最高危険指定生物

「さ、最高危険指定生物なんて、国家レベルで対策を考えなきゃいけないヤツじゃないの? ギルドがどうこうするレベルじゃないと思うんだけど」


「ああ、そうだな。だから国王陛下がオレたちを呼んだ」

「鈍いやつだな。僕らSランカーを揃える以上の対策などあるはずが無いだろう」


 はい、そうですか。陛下が私たちに思った以上に期待してるってことは分かったよ。

 最高危険指定生物は国家を崩壊レベルまで追い込む危険性のある魔物だ。

 普通は国が一丸となって人材を大量に集めて対策を練って倒すレベルである。

 間違ってもたった三人しか呼ばないなんてことはない。



「まぁ、オレもレイスも強いから心配すんなって」


「う、うん。エルヴィンたちがそんなに自信があるなら、ちょっとだけ安心したよ」


「それにリアナも特訓して強くなったからな。十分に背中を任せられる。大丈夫だから」


 エルヴィンもレイスも平気そうな顔してるし大丈夫なのかな。

 そんなはずないんだけど、そう信じるしかない。

 私も高いお給料貰ってるので、腹くらいは括っているのである。



「間もなく国王陛下が来られます。くれぐれも粗相のないようにしてください」


 しばらく席について待っていると、会議室の前で待機しているらしいジョーがオウルストラ三世がやって来ることを伝える。

 そうだ。そういえば、最高危険指定生物の討伐なんてエルヴィンたちの予想にすぎない。

 もしかしたら、全然違う依頼で肩透かしを食らう可能性もある。

 私って、ちょっとビビり過ぎたかも――



「諸君らに集まってもらったのは他でもない。これより直ぐに北東の山脈に足を進めて、討伐難易度★★★★★の最高危険指定生物である沼地の皇帝(カイザーヌメーバ)を排除してもらいたい」


 はい。わかっていたよ。

 エルヴィンたちの予想が外れるはずないもんね。

 沼地の皇帝(カイザーヌメーバ)って弱そうな名前だけど、そんなに恐ろしい生き物なのかな……。


沼地の皇帝(カイザーヌメーバ)――三十年程前に大陸南部にあるブルリン皇国の首都を一夜にして沼に沈めたという、伝説級の化物か」


「さっさと討伐しなきゃとんでもない被害が及んじまうな」   


 国一つ滅ぼしかけていたみたいだね。沼地の皇帝(カイザーヌメーバ)って変な名前の魔物。

 エルヴィンもレイスも途端に戦慄した表情になっている。

 さっきはあれだけ大丈夫とか言ってたけど、実際は大丈夫じゃないらしい。いや、失敗したときの被害を想定して絶対にミスしないように集中してるのかな……。


「並のギルド員では一瞬で殺される程の超難易度の依頼ゆえ、無駄な犠牲を避けるために出来れば三人のみでパーティーを組んでほしい。――だが、敵は強大だ。なので、各々の采配で一人だけパートナーを連れて行くことを許そう」


 何という無茶ぶり。色んな意味で無茶ぶり。

 無駄な犠牲を出したくないから少人数で戦えとか無理言わないでよ。

 私たちが犠牲になったらどうするんだ。怖いじゃないか。

 あと、一人だけ誰か誘って良いって。それもそれで誘いにくいよ。ピクニックじゃないんだから。

 最高危険指定生物の相手だよ? 誰も行きたくないよ……。




 そんなこんなで思ったとおりの超難易度の依頼が国王陛下の口から直接伝えられた。 

 この時点で私たちは勅命を受けたのである。

 

 そして、時は一刻を争うということで、私たちは誰を連れて行くか迅速に話し合って、出発することとなった。


「リアナ、お前は誰を連れて行くんだ?」

「やっぱり、こんなのティナにくらいしか頼めないよ。嫌がったら連れて行かないけど」

「まぁ、リアナの能力からして妹ちゃんは最高のパートナーだもんなー」


 私はティナにパートナーになってもらうつもりだ。

 あの子の力なら最悪自分の身を守ることは出来そうだし……。

 もちろん無理強いはしない。本音を言えば頼みたくもないけど、エルヴィンたちの命もかかってるからね……。 



 ◆ ◆ ◆



「リアナお姉様にご指名を承りました。ティナ・ネル・エルロンですわ。どうぞお見知りおきを」


「ごめんね。ティナ、一緒に来てもらって」


「何を仰りますか。お姉様の為ならたとえ火の中、水の中、沼地だろうが、何だろうが……ですわ!」


 ティナは二つ返事で一緒に来てくれるって言ってくれた。

 何か最近は一緒にいるのが当たり前になってるけど、命が関わるくらい危険な場所まで来てくれるなんて……。


『悔いておりますの。リアナお姉様が苦しいときに一緒にいられなかったことを――』


 そんなことを気にしなくて良いのに。

 私もティナも元気で生きてる。それで十分じゃない……。


「オレがパートナーに選んだのはルーシーだ。やっぱ、召喚魔術の火力は必要なんじゃないかと思ってな」


「よ、よろしくお願いします。ぼ、ボクなんかが、こんなに凄いパーティーに入って良いのかな……」


 エルヴィンはルーシーを連れてきた。私のマナプラウスがあれば大火力が期待できるからって。

 そうだね。ルーシーの召喚魔術があれば心強い。


「君らは結局のところ自信がないんだね。僕は一人で十分だから誰も連れて来なかったよ。ちなみにリアナくん。君の魔力の譲渡とやらも必要ない。君に頼らずとも僕は強いからさ」


 レイスは誰も連れて来なかった。そして、私のマナプラウスも拒否する。


 というわけで、この五人で最高危険指定生物である沼地の皇帝(カイザーヌメーバ)に挑む。

 ティナもルーシーもいるし、絶対に負けないようにしなきゃ――。



こんな感じのパーティーでここまでで最大の試練にリアナが挑みます。次回もお楽しみに!


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― 新着の感想 ―
[気になる点] うわぁ、レイスのやつ国王からの勅命なのに舐めプ晒すとかプロの意識低すぎでは? [一言] ここでちゃんとレイスからの評価を変えて欲しいなぁo(^o^)o ワクワク
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